ネタバレ感想『異世界スーサイド・スクワッド』第1話/Episode1 広がる異世界とDCユニバース 考察&解説 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ感想『異世界スーサイド・スクワッド』第1話/Episode1 広がる異世界とDCユニバース 考察&解説

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異世界×DCコミックス

近年の日本のオタク文化を語る上で外すことのできない異世界転移作品。そしてアメリカンコミックスのヒーロー文化を築いたと言っても過言ではないDCコミックス。その2つが組み合わさった作品『異世界スーサイド・スクワッド』が2024年7月5日(金)より放送開始された。剣と魔法で彩られたファンタジーな異世界に行くのはバットマンやスーパーマンたちヒーローではない。凶悪犯やメタヒューマンで構成されたスーサイド・スクワッドだ。

本記事ではスーサイド・スクワッドが異世界に転移する『異世界スーサイド・スクワッド』の第1話「★Episode1」について解説と考察、感想を述べていこう。なお、以下の内容には『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode1のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『異世界スーサイド・スクワッド』の内容に関するネタバレを含みます。

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode1 ネタバレ解説

ゴッサムシティの騒乱

ゴッサムシティでジョーカーとハーレイ・クインは人質に爆弾を括り付け、ビルごと爆破するという大事件を引き起こしていた。警察車両にグレネードを撃ち込み、ピアノの鍵盤が付いた車でジョーカーは街を疾走しながら強奪した金をばら撒いていく。誰もがどこか別の世界に行きたいと考えるものだと語るジョーカーとハーレイ・クイン。その2人の姿はゴッサムシティでは日常茶飯事かもしれない。

原作にあたるDCコミックスでは既にこのカップルは別れ、ハーレイ・クインはポイズン・アイヴィーと付き合っていることが多い。しかし、『異世界スーサイド・スクワッド』の世界ではジョーカーとハーレイ・クインはまだ付き合っているようだ。

とある研究所ではアマンダ・ウォラー長官が魔力を持つ女性らしき人物を媒介に異世界のゲートを開く実験を行なっていた。その頃、魂を吸収する刀であるソウルテイカーを携えたカタナが政府の命令でハーレイ・クインを捕えていた。すべては異世界に送る人材を集めるためだ。

A.R.G.U.S.

異世界に超人、いわゆるメタヒューマンを送る計画は異世界へつながるゲートが開かれた半年後に行なわれた。超人を束ねる先端研究集団(Advanced Research Group Uniting Super-Humans)、通称A.R.G.U.S.の特別収容所から5人の犯罪者が実験のために解放された。首に爆弾を仕掛けられ、減刑と引き換えに参加させられるのはハーレイ・クイン、デッドショット、ピースメイカー、クレイフェイスの4人だ。

クレイフェイスを名乗る人物は複数存在するが、映画俳優だったという設定からベイジル・カルロのクレイフェイスだと考察できる。天才狙撃手のデッドショットは娘思いの面が強調され、自称ヒーローのピースメイカーは正義のためという崇高な任務が自分にはあると信じるマキャベリストの面が強調されている。キャラクター全体の設定は『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)に近いと考えられる。

5人目のサメ人間のキングシャークを紹介しようとしたところで、メタヒューマンたちを乗せたヘリが空中に浮く大陸に墜落する。特殊部隊の隊員が全員死亡してしまい、政府と連絡がつかなくなったのならば、もうヴィランたちを止める方法はない。5人のヴィランたちは豚に似たオークの集団を殺戮していく。

先駆者たち

この状況をルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865)になぞらえて解説し、異世界だと確信するクレイフェイス。自分たちを王のもとに案内するようにと話すクレイフェイスだったが、5人は牢獄に閉じ込められてしまうのだった。

異世界に新たなヴィランたちが派遣されたことをカタナは謎の女性に報告する。このときカタナの武器がソウルテイカーから西洋風の剣に変わっている。そして、先駆者として魔女のエンチャントレス、ワニ人間のキラークロック、自分を改造した天才のシンカー、ネズミを操るラットキャッチャーが呼ばれるのだった。

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode1ネタバレ感想&考察

DCユニバースの入門作品

ゴッサムシティなどが登場したが、バットマンたちヒーローは登場しなかった『異世界スーサイド・スクワッド』。登場キャラクターは『スーサイド・スクワッド』(2016)や『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』に準じている。ヴィランたちは彼らがもつ特徴が強調されたキャラクター造形がなされており、DCコミックスに触れてこなかった視聴者でもわかりやすい造りになっている印象だ。

ジョーカーとハーレイ・クインのカップルがまだ付き合っているなど、敢えて現在のDCコミックスの状況を反映させないことで、DCコミックスにおける各ヴィランたちの基本設定を解説していく構成になっていると考えられる。わかりやすくするためかヴィランたちは本名ではなくヴィラン名で呼ばれ、複数の人物が同名のヴィランとして活動しているキャラクターは何代目かを濁すなど、『異世界スーサイド・スクワッド』は新規ファンの導入作品になっていると考察できる。

誰がヴィランを逮捕したのか

ヒーローたちが登場していないため、ヴィランたちをどのように逮捕したのか疑問だったが、そこはアウトサイダーズやスーサイド・スクワッドなど様々な組織に所属し、善悪が曖昧なときもあるカタナにヒーローの代わりの役割を任せるというのはわかりやすい。銃や爆弾が飛び交う現代社会で、日本刀を使って戦うカタナは超人たちを超人が逮捕していることをわかりやすく表現してくれている。

他にもカタナやエンチャントレスなど、魔術系のキャラクターを登場させることでDCコミックスの世界と異世界を地続きのもとしているのもわかりやすい。これらの演出によって、今後展開されていくだろうジェームズ・ガン共同CEOが広げていく実写映画シリーズであるDCU(DCユニバース)の導入作品としても成立していると考察できる。今後の『異世界スーサイド・スクワッド』でどのようなヴィランたちが躍動していくのか期待だ。

『異世界スーサイド・スクワッド』★Episode1は2024年7月5日(金)25:00よりABEMAにて見逃し配信開始。2024年7月8日(月)より各種配信サイトにて配信開始。

『異世界スーサイド・スクワッド』公式サイト

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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