ネタバレ解説&感想『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』S2第9話 コングの前日譚として髑髏島を考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&感想『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』S2第9話 コングの前日譚として髑髏島を考察

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物語は“コングvsタイタンX”へ

『GODZILLA ゴジラ』(2014)から1年後の世界を舞台にした『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』。そのシーズン2第9話「地の果て」では、そこから更に世界観を広げていき、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)へとつながる前日譚となった。

さらには、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)の後日談の要素も兼ね備えるなど、モンスターヴァース全体をまとめていくドラマになる『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』。最終回にむけて、今後、どのような展開になるのだろうか。

本記事は『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」について解説と考察、感想を述べていこう。なお、以下の内容は『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」の内容に関するネタバレを含みます。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」ネタバレ解説&考察

ゴジラと古典モンスターのレガシー

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」はこれまでのモンスターヴァース映画の要素を一気に回収し、それぞれの前日譚を描くエピソードとなっている。そのため、ゴジラの出番が少ないように感じる視聴者も多いかもしれない。

制作陣の目的は円谷英二や本多猪四郎などの偉人たちが生み出した『ゴジラ』(1954)のレガシーをもとに、ユニバースを広げていくことだと思われる。事実、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の監督であるマイケル・ドハティは東宝怪獣映画とユニバーサルの古典モンスター映画は“ユニバースを共有する映画の先駆け”の一つだとしている。

そして、アメコミヒーローたちよりも遥か昔に、怪獣・古典モンスターたちが踏み均した道を、モンスターヴァースは歩んでいくことになると考察できる。それを象徴するのが今回の「タイタンXが本来の生息地である髑髏島に上陸する」という展開だろう。

タイタンX、髑髏島上陸

卵を追って髑髏島に向かうタイタンXと、“彼女”を追うゴジラ。リー・ショウ大佐はゴジラによってタイタンXを殲滅しようとしたが、ゴジラは何かを悟ったように引き返す。その真意に気付いたのはケイコ・ミウラだ。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で語られたが、ゴジラは怪獣の王である。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(吹替版)

その目的は地上の怪獣の監視と、大自然のバランスを保つこととされている。ギドラという宇宙から来た偽の王の存在を察知した際には迎撃に動くなど戦ったが、その後、他の怪獣たちが好き勝手をしないように監視するようになり、あまり暴れなくなったとされる。

『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024)ではゴジラはスキュラというタカアシガニのような身体を持つ頭足類の怪獣と交戦しているが、これはスキュラが放射性物質への飢えからゴジラの縄張りを荒らしはじめたことが原因とされている。

同作ではゴジラが強化のために一方的に龍のような怪獣のティアマトを倒しているように見えるが、一応設定上では縄張り意識が強すぎるため、ゴジラやコングなど怪獣の王に害を及ぼしたとされる。つまり、ケイコの考察通り、ゴジラは無益な殺生は好まず、あくまでも必要なときに暴れる荒っぽい王なのだ。

つまり、ゴジラはタイタンXが卵を取り返したら本来の生息地である世界軸〈アクシス・ムンディ〉に帰ると悟り、深追いしなかったのだ。だが、問題はゴジラが去っても『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」でタイタンXがゴジラほど成熟していない王、コングの縄張りである髑髏島に上陸しまうことだ。

タイムマシンの設計

ケイトとケンタロウを連れて髑髏島の施設に向かうイザベル・シモンズ。彼女のチームによる独自の研究の正体とは、髑髏島の亀裂を利用してタイムマシンの開発することだったのだ。

イザベルは、世界軸を介することで人間を未来に送れるという自らの考察を解説する。ケイトもそれは体験したことであり、なおかつリーに至っては過去の自分との交信にも成功している。

そのようなイザベルに送りたい言葉がある。それはSF小説家マイケル・クラントンが書いた『ジュラシック・パーク』(1990)に登場する数学者イアン・マルコムの言葉の「“できるかどうか”ってことに心を奪われて、“すべきかどうか”は考えなかった。」だ。

確かに理論上ではタイムトラベルは可能だ。しかし、それには髑髏島を切り拓き、大自然の秩序を破壊する必要がある。自然が無ければ人間も生きてはいけない。イザベルのプーケットの森林保護はパフォーマンスでしかなかったのだろうか。

イザベルは卵を利用して世界軸の移動装置を制作し、ケンタロウには父親・ヒロシの死を無くせる希望をちらつかせるのだ。だが、そのためにはコングを駆除しようとするなど、彼女の制作しているものも含め、計画の実像は父親・ウォルター・シモンズと同じだった。

ヴァインストラングラーとスフラン

髑髏島に上陸し、ケイトとケンタロウを追うティムやメイを襲うのが絞め殺す蔓を意味する怪獣ヴァインストラングラーだ。一見すると植物に見えるが実際は植物に擬態した原始的なキリギリスの近い昆虫である。

ジャングルで蔓に襲われるのはモンスターパニック映画の定番だが、怪獣のレガシーを重要視する本作では、このことは簡単に避けて通れないだろう。その理由は日本の特撮怪獣文化を支えてきた『ウルトラマン』(1966)には、怪奇植物スフランという一種の怪獣が登場するからだ。

スフランはジャングルの危険性を表現する便利な舞台装置として、多くの「ウルトラ」シリーズに登場し、後世の作品にも影響を残した。ヴァインストラングラーがスフランを参考にしたかどうかはわからない。しかし、特撮ファンとしては食いつく怪獣要素だろう。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」に登場するヴァインストラングラーは成熟しきっており、チームを分断させるほどの力を持つ怪獣となっている。この蔓の怪獣は、『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』を象徴する怪獣の一体だ。

ケイコとビルの結婚、そして別れ

1958年10月21日、土砂降りのパプア及びニューギア準州と呼ばれていた頃、ケイコとビルは挙式を行なった。亀裂を見つけ、怪獣ネットワークという仮説が証明されたことを祝し、結婚することを決めたのだ。

しかし、幸せは長く続かない。翌年の1959年のカザフスタンで小型の怪獣エンドスワーマーに襲われて、ケイコは世界軸に落ちる。さらに1962年には砂時計〈アワーグラス〉作戦で、親友であるリー・ショウ少佐もいなくなる。彼の失踪は、世界軸に落ちたケイコの死を決定づけるようなものだった。

そうして、3人で立ち上げたMONARCHは縮小していき、1973年にはほぼ形骸化していた。『キングコング:髑髏島の巨神』ではビル・ランダは自身の仮説を証明するためには他人を欺くこともいとわない性格で、承認欲求の強い人物だと語られていた。だが、実際には仮説を証明しなければ政府はケイコやリー探索をしてくれないからだったのだ。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」ラストネタバレ解説&考察

ケイコのいない世界

なぜビルは息子であるヒロシと距離をとってまで、研究に打ち込んだのか。それをよく知っていたのは隣で見ていたリーだ。カザフスタンでケイコを失ったことを受け入れられないビルに諦めるように言ったのはリー本人だったからだ。そういうリーも未来の自分との会話の中で、ケイコを救おうとしていたことが語られる。

その後、リーもいなくなったことで彼の心は完全に砕けてしまい、1968年のビルは大学の小さな講義室で教鞭を振るう日々を過ごしていた。その間も暇さえあれば世界各地の裂け目にカプセルを落しては、ケイコに届かないかと信じていた。

カプセルの手配をしていた鈴木博士も、ビルを見ていられず、諦めるように語る。鈴木博士は砂時計作戦以降、閑職に飛ばされたはずだが、それでもカプセルの手配を続けていたのはビルへの同情があったからだろう。しかし、彼を心配するからこそ、諦めるように言ったのだ。

ビルからの手紙

最愛の女性を守れなかっただけではなく、最愛の息子から母親を奪ってしまった罪悪感もあって家にまともに帰れなかったビル。彼が裂け目に落とし続けていたカプセルは、2017年にようやくケイコのもとに届いた。

そして、その中にはケイコが生きていることを信じ、彼女への愛を綴った手紙が入れられていた。変わり者で偏屈な地質学者ウィリアム・“ビル”・ランダの本当の姿は、ただ愛する女性に会おうとした人物だった。

晩年のビルは地底空洞説に固執するあまり、褒められないこともした。しかし、それはすべてケイコと会うためであり、失った時間を取り返すためだった。世界各地を巡って裂け目から手紙を届けようとする。その思いが積み重なってレガシーとなったのだ。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」ネタバレ感想

『キングコング:髑髏島の巨神』の見方が変わる

トム・ヒドルストン演じるジェームズ・コンラッドが、スカルクローラーと戦った墓場が登場するなど、『キングコング:髑髏島の巨神』に直接つながる『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」。

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『キングコング:髑髏島の巨神』でジョン・グッドマン演じるウィリアム・“ビル”・ランダは承認欲求が強く、地底空洞説を証明するためなら他人を欺いてまで研究をする人物として描かれていた。しかし、ドラマによる掘り下げで、その裏には一人の女性への深い愛があったことがわかった。

『GODZILLA ゴジラ』の続編としてはじまった『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』だが、シーズン2第9話「地の果て」では『キングコング:髑髏島の巨神』の前日譚の側面を見せた。また、ケイコのゴジラは怪獣の王であり監視者という発言は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にもつながり、映画の続編からその前日譚に切り替わったエピソードだったと言えるだろう。

最終回は怪獣大決戦へ

イザベルたちはエイペックス社のようにタイタンXを操ろうとするのではなく、シナプスを刺激することで闘争本能を活発化させ、凶暴な状態で怪獣同士を争わせることだった。そして『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」は最終回となる第10話でのコングとタイタンXという怪獣同士の死闘のはじまりとなった。

髑髏島を縄張りとする若き怪獣の王・コングと偉大なる海の神・タイタンX。空洞世界が地上に噴出し、怪獣たちの源流ともされる髑髏島の王として負けることが許されないコング。それに対して、タイタンXは母として卵を守らなければならない。

絶対に負けられない2体の怪獣がぶつかる最終回の第10話に向けて、これまでのモンスターヴァースの要素が集結していく『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』。シーズン2フィナーレが、『ゴジラxコング:スーパーノヴァ』につながるのかに期待が集まる。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第9話「地の果て」は2026年4月24日(金)よりApple TV+にて配信開始

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』配信ページ

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第1話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第2話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第3話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第4話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第7話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第8話のネタバレ解説&感想はこちらから。

モンスター・ヴァースの年表はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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