小松左京のSF狂言『狐と宇宙人』がイタリアで初上演 | VG+ (バゴプラ)

小松左京のSF狂言『狐と宇宙人』がイタリアで初上演

©哉ヰ涼

小松左京のSF狂言『狐と宇宙人』がイタリアに!

小松左京が手がけたSF狂言『狐と宇宙人』が、2019年10月19日(土)にイタリアで上演される。イタリアのチヴィタベッキア石巻の友人会とイタリアで活動する「伊太郎狂言プロジェクト」が主催し、日伊親善を目的として上演される。「伊太郎狂言プロジェクト」の団長で研究者・俳優としての顔を持つモレッティ・ルーカが中心となり、日本のSFクラシックに新たな命が吹き込まれる。

稽古風景 ©伊太郎狂言プロジェクト

稽古風景 ©伊太郎狂言プロジェクト

初のイタリア上演

SF狂言『狐と宇宙人』は、大蔵流狂言の茂山あきらの依頼で小松左京が小説「キツネと宇宙人」を狂言用の台本として書き直したもの。1979年に初演され、2003年、2012年と再演されてきた。そして初演から40年が経過した2019年、小松左京とも所縁が深いイタリアの地でイタリア人により上演されることになった。

小松左京はダンテの『神曲』に影響を受け、京都大学でイタリア文学を学んでいる。また、イタリアの作家ルイジ・ビランデルロの舞台「作者を探す六人の登場人物」に影響を受けてSF作家を志しており、イタリアは小松左京にとって創作の原点とも言える場所だ。

原作登場から55

『狐と宇宙人』の原作小説「きつね」が発表されたのは1964年。サンケイスポーツに掲載にされた後、翌65年には「キツネと宇宙人」として子ども向けに書き直され、朝日新聞に掲載された。1974年に講談社の子ども向けアンソロジー「宇宙人のしゅくだい」に収録され、1981年からは講談社青い鳥文庫から新装版で発売、版数は100版を越えており、世代を超えて多くの子ども達に読み継がれてきた。

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『日本沈没』アニメ化、小松左京展も開催

小松左京の作品では、1973年に刊行された『日本沈没』がNetflixオリジナルアニメ『日本沈没 2020』としてアニメ化されることが、先日発表された。2019年10月からは世田谷文学館で「小松左京展」が実施されている。

今回は、原作の発表から55年の時を経て、『狐と宇宙人』がイタリアで上演されることになった。時代を超えて、海を越えて、小松左京作品は人々に愛され続けている。

SF狂言『狐と宇宙人』のイタリア上演についての詳細は、小松左京ライブラリのウェブサイトから。

小松左京ライブラリ

『狐と宇宙人』公演概要

団体・企画: 伊太郎狂言プロジェクト
公演: 「伊妖狐狂言」
番組: 尾牙(キツきば)・狐と宇宙人
日付: 2019年10月19日(土)、21時30分開演
会場: 日本文化フェスティバル内
*「モリコーネホール」(イタリア・ラツィオ州ローマ県チヴィタヴェッキア)

主催: 石巻の友人会、伊太郎狂言プロジェクト 協力: チヴィタヴェッキア文化局
後援: 日本大使館、日本文化会館
演出: ルーカ・モレッティ (Luca Moretti)

VG+編集部

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