2018年度 星雲賞発表! 長編部門大賞は『あとは野となれ大和撫子』、メディア部門に『けものフレンズ』—日本SF大会 | VG+ (バゴプラ)

2018年度 星雲賞発表! 長編部門大賞は『あとは野となれ大和撫子』、メディア部門に『けものフレンズ』—日本SF大会

第49回星雲賞受賞者発表!

長編大賞に『あとは野となれ大和撫子』

第57回日本SF大会「ジュラコン」が群馬県で開催され、初日の7月21日(土)、星雲賞の各賞受賞作品が発表された。日本長編部門の大賞を受賞したのは、宮内悠介の『あとは野となれ大和撫子』(2017)。同作は、旧ソ連圏の中央アジアに位置する架空の国家・アラルスタンを舞台にしたSF冒険小説。日本人少女のナツキらが、国を置いて逃げ出した男たちに代わって国家の中枢を担い、宗教対立や外交に奮闘する姿を描いている。
メディア部門には、たつき監督およびけものフレンズプロジェクトの『けものフレンズ』(2017)が選ばれた他、コミック部門に石黒正数『それでも町は廻っている』(2006-2017)、日本短編部門に柴田勝家『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』(2017)が選ばれている。

日本で最も歴史あるSF賞

星雲賞は今回で49回目となる、日本で最も歴史あるSF賞。日本SF大会に参加登録したSFファンの投票によって選ばれる国内最高賞の一つ。毎年夏に開催される日本SF大会で受賞者の発表が行われる。同じくSFファンの投票によって選出される、ヒューゴー賞をモチーフにして発足した賞だ。

誰もが認めるSF界の鬼才

宮内悠介は、昨年も『彼女がエスパーだったころ』(2016)、『スペース金融道』(2016)の二作が星雲賞にノミネートされている。近年は『カブールの園』(2017)で第30回三島由紀夫賞を受賞したほか、直木賞、芥川賞候補にも挙がっているが、星雲賞は初受賞。SFファンから選ばれる同賞の受賞で、誰もが認めるSF界の鬼才であることが、改めて証明された。

第49回星雲賞各賞の受賞作品および受賞者は以下の通り。

日本長編部門
宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』

日本短編部門
柴田勝家『雲南省スー族におけるVR技術の使用例』

海外長編部門
シルヴァン・ヌーヴェル『巨神計画』(上)(下)

海外短編部門
ハオ・ジンファン『折りたたみ北京』

メディア部門
たつき、けものフレンズプロジェクト『けものフレンズ』

コミック部門
石黒正数『それでも町は廻っている』

アート部門
永野のりこ

ノンフィクション部門
くられ、薬理凶室『アリエナクナイ科学ノ教科書〜空想設定を読み解く31講〜』

自由部門
『超人ロック』生誕50周年トリビュート企画

 

第57回日本SF大会ジュラコン公式サイト

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