ネタバレ解説『リバー、流れないでよ』キャスト&登場人物まとめ 主人公を演じたのは? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『リバー、流れないでよ』キャスト&登場人物まとめ 主人公を演じたのは?

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『リバー、流れないでよ』公開

ヨーロッパ企画によるSF映画『リバー、流れないでよ』が2023年6月23日(金)に公開。2分間のループから抜け出せなくなった大人たちのドタバタ劇を描く本作は、公開直後から大きな注目を集め、公開館が次々と拡大されている。チケットが完売する劇場もあり、夏休みに向けて更なるヒットが見込まれている。

『リバー、流れないでよ』の監督を務めたのは、ヨーロッパ企画の山口淳太。原案・脚本はヨーロッパ企画旗揚げメンバーの上田誠で、ヨーロッパ企画によるオリジナル長編映画の前作『ドロステのはてで僕ら』と同じタッグで制作されている。

今回は、すでに『リバー、流れないでよ』を観た方のために、登場人物と演じたキャストを紹介していこう。個性的な面々と設定をおさらいして何度も劇場に足を運んでいただきたい。なお、以下の内容は『リバー、流れないでよ』の重大なネタバレを含むので、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『リバー、流れないでよ』の内容に関するネタバレを含みます。

映画『リバー、流れないでよ』登場人物&キャストまとめ

ミコト役 藤谷理子

主人公のミコトは舞台となった京都の旅館で働く仲居。ループ中の出来事は全てミコトの視点で描かれることになる。タクと交際していたが、タクがフランスに行こうとしていることを知り、貴船川に「流れないでよ」と祈ったことから時間がループし始めたと思い込むようになる。

実際にはループが始まった原因はミコトではなかったが、一時的に“時を操る存在”と自身を認識したことから奔放な行動に出るようになる。“お客様”を第一に考える仲居としての姿から、自分を解放した姿をミコトが見せる展開は『リバー、流れないでよ』の見どころの一つ。

ミコトを演じた藤谷理子は1995年生まれ、2021年からヨーロッパ企画に所属。『リバー、流れないでよ』が映画初主演作となる。京都生まれの京都育ちで、本作の舞台となった旅館の“貴船ふじや”は藤谷理子の実家である。ヨーロッパ企画の舞台にも数多く出演している他、押井守原案の映画『ビューティフルドリーマー』(2020) ではリコ役、『ドロステのはてで僕ら』(2020) ではアヤ役で出演している。

タク役 鳥越裕貴

料理人見習いのタクは、中盤からストーリーにエッセンスを加える重要なキャラクターだ。フレンチの修行のためにフランスに行きたいと考えており、序盤は休憩中にフランス語のリスニングに取り組んでいたためループに気づくことができなかった。自分の夢を追いかける意思の強さを見せるが、ミコトには振り回される様子を見せる。「〜のよ」という語尾が特徴。

タクを演じたのは1991年生まれの鳥越裕貴。ミュージカル『刀剣乱舞』の大和守安定役や、舞台『文豪ストレイドッグス』の主人公・中島敦役などを演じ、舞台俳優として数多くの作品に出演している。『映画 文豪ストレイドッグス BEAST』(2022) にも中島敦役で出演し、『桃源郷ラビリンス』(2019) では吉備桃太郎役で主演を務めている。

キミ役 本上まなみ

女将のキミは、ループ状態にあっても周囲に気を配っている。ミコトらが客の対応をしている間に近隣を回って状況を確認してくれており、情報収集面でも大きな役割を果たしている。

キミを演じたのは本上まなみ。大阪出身で映画公開時点では京都在住。ドラマ『探偵ロマンス』(2023) でも下宿の女将を演じている。NHK教育のトーク番組『トップランナー』の司会、アニメ映画『すみっコぐらし』シリーズのナレーションや、アニメ「おでんくん」シリーズの主人公おでんくん役の声優でも知られる。

番頭 役 永野宗典

序盤ではミコトと共に客の対応に翻弄する番頭は、編集者のスギヤマを押さえ込もうとするなど頼もしい存在だ。娘に彼氏を紹介される予定で、内心では時が止まって欲しいと思っていた。ミコトが追われる身になると手強い相手になるが、それでも貴船の地域の人々との交友は深いようで、猟師を助けるために電話で連絡を取るなど好プレーを見せる。

番頭役を演じたのは永野宗典。ヨーロッパ企画の旗揚げメンバーの一人であり、映画版の『サマータイムマシン・ブルース』(2005) も含め、ヨーロッパ企画のほとんどの作品に出演している。そのほかにも数々のドラマや映画に出演する傍ら、脚本・監督を務めたペープサートアニメ映画の『タクシードライバー祗園太郎 THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐ』(2014) は、ソウル九老国際子ども映画祭の長編アニーメーション部門で最優秀賞を受賞するなど海外でも評価されている。

チノ役 早織

ミコトの同僚の仲居のチノは、ループに陥った状況に対してうまく順応できず、当初は熱燗を温めることに執着している。異常事態の中にあっても与えられた日常の業務を遂行しようとする人間の一面をうまく表現しているキャラクターだ。それでも終盤には姿を消すと、推しのアイドルのライブチケットを譲ってもらえないか片っ端から知り合いに連絡しており、ループをうまく活用していた。

チノ役を演じたのは早織。京都出身で様々なドラマ作品や舞台、『舞妓Haaaan!!!』(2007) などの映画に出演、『辻占恋慕』(2022) では主演を務めた。ヨーロッパ企画の舞台は『サマータイムマシン・ブルース/ワンスモア』(2018) などに出演し、藤谷理子とも共演している。

料理長 役 角田貴志

料理長はイマイチ状況が理解できておらず、「ループ」と「リープ」の違いを質問したりするうちに時間切れを起こしてしまう。おそらくあまりSFにあまり造詣が深くないのだろう。あっさりこのSFシチュエーションを受け入れている他の面々とはズレがあるが、最後にはタクのフランス修行を認める懐の深さを見せている。

料理長役を演じた角田貴志はヨーロッパ企画所属。『ドロステのはてで僕ら』ではフルヤ役で出演している。イラストやキャラクターデザイン、脚本も手掛けており、映画『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(2019) やNetflix『リラックマと遊園地』(2022) では脚本を担当している。

エイジ役 酒井善史

エイジは『リバー、流れないでよ』のキーパーソンになる板前。唯一の理系ということで今回のループ事件の原因を探ってくれる。起きていること・やってはいけないこと・これからすることを理論立てて説明してくれて、貴船の人々に指針を与えている。ミコトが原因ではないと分かるとすぐに真相究明にあたり、「極めて物理的な原因」を見つけ出した。

エイジを演じた酒井善史は京都市出身のヨーロッパ企画所属。第5回公演の『苦悩のピラミッダー』(2000) からほぼ全てのヨーロッパ企画作品に出演している。映画『ドロステのはてで僕ら』ではオザワ役を演じた。映画『俺たち賞金稼ぎ団』(2014) などでは脚本を担当している。

オバタ役 近藤芳正

作家のオバタは、ループによって原稿の締切から解放されたと分かると窓からパソコンを投げ捨てたり、障子に穴をあけたりと奔放に振る舞う。最上階の部屋に宿泊しているため、皆の初期位置から一番遠い位置にいるのも厄介な点だ。執筆している作品の中で主人公の妻を死なせてしまったことを後悔していたが、自分が一度死んでみることで「日常という檻からの解放」というヒントを得る。その後は妻の視点からの物語を書くことに決めたようである。

オバタを演じた近藤芳正は数々の大河ドラマにも出演した言わずと知れた人気俳優だが、2020年から京都を拠点にしている。ドラマ『GTO』(1998) の中丸浩司役、『真田丸』(2016) の平野長泰役など、数々の印象的なキャラクターを演じている。

スギヤマ役 中川晴樹

オバタの担当編集者であるスギヤマは、出版社の上司からの催促と小説が書けないオバタの板挟みになっている。お風呂が閉まっている時間にもかかわらず入浴した結果、ループの初期位置が洗髪中の風呂場になってしまう。半裸で人前に出てくるなどデリカシーに欠ける人物でもある。

スギヤマを演じた中川晴樹はヨーロッパ企画所属。第6回公演『衛星都市へのサウダージ』(2000) 以降、ほぼ全公演に出演している。映画『ドロステのはてで僕ら』ではナリタ役を演じた。
短編映画「恋する極道」(2015) では監督・脚本を務め、那須国際映画祭・那須アワード2015でグランプリを獲得した。

ノミヤ役 諏訪雅

ノミヤはクスミと共に貴船ふじやを訪れていた客。クスミに会社の借金の相談をしようとしていたが楽しくなって言い出せなくなってしまう。だが、クスミが「大変な時に助けてくれなかった」ことを根に持っており、ループから抜け出せなくなった中で、クスミと喧嘩しつつも正直な思いをぶつけるようになる。ループが終わると聞くとシメの雑炊を一気食いする姿も見せている。

ノミヤを演じたのは諏訪雅。ヨーロッパ企画の旗揚げメンバーの一人で、制作や舞台演出も務めながらほぼ全ての作品に出演している。映画『サマータイムマシン・ブルース』では2030年のSF研メンバーを演じた。ドラマ『日本沈没 -希望の人-』(2021) では、国交省の官僚・正岡春樹を演じている。

クスミ役 石田剛太

クスミはノミヤに誘われて貴船に来たが、ループ事件に巻き込まれてしまう。クスミはかつてノミヤと共に働いていたが、その後独立。順風満帆なように見えて会社でも家でも悩みを抱えており、ノミヤに本音をぶつけるようになっていく。スギヤマ対策ではノミヤと共に仲居たちをヘルプする活躍も見せている。

クスミ役を演じた石田剛太は第2回公演『翼よごらんあれが恋の灯だ』(1999) からヨーロッパ企画に参加している。『ドロステのはてで僕ら』ではコミヤ役を演じた。数々のテレビドラマや映画に出演する傍ら、KBS京都のバラエティ『ヨーロッパ企画の暗い旅』(2011-) ではMCを務めている。

猟師 役 土佐和成

物語の中盤で登場する猟師は、山の中にいたためイマイチ状況を理解できていない。天狗に化かされたと思っており、ミコトが天狗だと嘯いたことで精神的に追い詰められ、一度は猟銃で命を落としてしまう。普段から番頭との交友があったことで電話で事情を聞き、最後にはタイムマシンを起動するエネルギーとして銃を活用した。

猟師役を演じた土佐和成はヨーロッパ企画所属。多数の舞台やドラマに出演しており、ヨーロッパ企画初のオリジナル長編映画『ドロステのはてで僕ら』では主人公カトウを演じた。2023年3月公開の竹中直人監督映画『零落』では近藤役を演じている。

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ヒサメ役 久保史緒里(乃木坂46)

『リバー、流れないでよ』のループ事件の原因となったヒサメは、サミットで見つかった不審物を確認しに未来からタイムパトロールにやって来た。貴船神社の結社(ゆいのやしろ)に縁結びのお参りをしている間にタイムマシンのエンジンが凍結してしまった。このマシンには、同じ時代に長居しているとタイムパラドックスを防ぐために2分巻き戻される機能が備わっており、今回のループ事件を起こしてしまった。

ヒサメが縁結びのお参りをしていた理由は、彼氏が月にいて遠距離恋愛を成就させるためだった。月と地球で遠距離恋愛をしているという話は、タクがフランスに行ってしまうという状況に直面しているミコトにとっては励みになったのだろう。二人はこの後にお参りをして、ミコトはタクに修行が終わったら貴船に戻ってくるよう告げている。また、ヒサメは未来の貴船は繁栄していることも明かしている。

ヒサメ役を演じた久保史緒里は乃木坂46のメンバー。『リバー、流れないでよ』の原案・脚本を手がけたヨーロッパ企画旗揚げメンバーの上田誠が脚本・演出を担当した舞台『夜は短し歩けよ乙女』(2021) では黒髪の乙女を演じている。『左様なら今晩は』(2022) で映画初出演・初主演、大河ドラマ『どうするい家康』(2023) には五徳役で出演している。

以上が、『リバー、流れないでよ』に登場した主な面々だ。2分間のループという特殊な状況で個性を光らせるキャストの姿を何度でも見直してその目に焼き付けよう。

映画『リバー、流れないでよ』は2023年6月23日(金)より公開。7月21日(金) からは全国38館で順次拡大公開される。上映館は公式サイトで。

『リバー、流れないでよ』公式サイト

 

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