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『小松左京の怖いはなし』配信開始
日本を代表するSF作家の一人、小松左京のホラー作品を集めた電子書籍コミック『小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集』が2020年8月1日(土)より、配信を開始した。同作はKADOKAWAより配信されており、AmazonのKindleでも購入できる。
『小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集』は、小松左京の代表的ホラー作品5編を未浩、御茶漬海苔、呪みちる、稲垣みさお、児嶋都の5名のホラー漫画家がコミカライズした作品集。小松左京のホラー名作を、人気漫画家たちがよみがえらせている。
『小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集』収録作品紹介
「すぐそこ」/未浩
1969年に「週刊朝日」に掲載された短編小説。知らない土地で迷子になってしまった主人公は、道を訊ねた人から目的地は「すぐそこ」と教えられるが……。何気ない出来事が逃げ場のない迷宮につながっていくリアルなホラー作品。
「骨」/呪みちる
1972年に「小説新潮」に掲載された短編小説。裏庭で井戸を作ろうとした穴から、次々と掘り起こされる骨。取り憑かれたように掘り進むうちに、恐るべき真実にたどり着く。「遥かな時の流れ」をテーマにした小松左京ならではのホラー短編。
「まめつま」/御茶漬海苔
1970 年に「小説新潮」に掲載された短編小説。小松左京自身が母から聞かされていたという妖怪“まつまめ”を題材にしたホラー小説。作中に登場する夜泣きする赤ん坊に米をまく風習は、小松左京の実家でも行われていたおまじないだという。
「霧が晴れた時」/稲垣みさお
1971 年「別冊小説新潮」に掲載された短編小説。霧が立ち込める山道、楽しいはずの家族旅行に恐怖が迫りくる。マリーセレスト号事件をモチーフに、小松左京が住んでいた大阪北部のある街をモデルにした場所が舞台になっている。
「くだんのはは」/児嶋都
1968 年に「話の特集」で発表。戦後の恐怖小説を代表する、小松左京の中でも最も恐ろしいホラー作品と言われる作品。今回の漫画化は、石ノ森章太郎 、萩原玲二に続き、三度目の漫画化となる。戦争末期、旧制中学の生徒として辛い日々を過ごす主人公は、小松左京の分身のような存在だ。超自然的な存在である「くだん」にまつわる、恐怖の物語が展開される。
なお、くだん (件) は疫病の流行を予言し、その姿を書いた絵を見れば疫病を退散させるという存在で、コロナ禍で注目を集めた妖怪アマビエと共に、今再び注目を集めている。兵庫県立歴史博物館では、特別展「驚異と怪異-モンスターたちは告げる」(8月16日(日)まで開催) では、くだんの新発見資料も展示されている。『小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集』には、人気イラストレーター・イマムラセイヤが描いた「くだんちゃん」も掲載される。
『小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集』では、解説付きで小松左京の世界観を堪能できる。この夏は、ホラー漫画界の人気作家たちが復活させた小松左京のホラー名作を楽しもう。
『小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集』は2020年8月1日(土)より、KADOKAWAより電子書籍で配信中。
また、角川文庫からは、『小松左京の怖 いはなし ホラーコミック短編集』の原作5編を含む、小松左京のホラー短編15編を収録した『霧が晴れた時』が発売されている。
KADOKAWAからは、小松左京のショートショート27編を収録した『小松左京アニメ劇場 原作集』も配信されている。
情報提供
小松左京ライブラリ