ドラマ『アコライト』アイツに注目
「スター・ウォーズ」最新作となるドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は2024年6月より配信を開始した作品で、映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) の100年前が舞台。ジェダイ黄金期の時代に起きた殺人事件からストーリーは拡大していく。
ドラマ『アコライト』で注目を集めているキャラクターの一人がバジルだ。「スター・ウォーズ」シリーズには様々な生き物が登場するが、バジルは『アコライト』の貴重な“癒し枠”として注目を集めている。一方で今後の展開で重大な役割を担う可能性もあり、バジルからは目が離せない。
今回は、「スター・ウォーズ」公式によるバジルの情報と、劇中での活躍を合わせてバジルというキャラクターについて迫ってみよう。以下の内容はドラマ『アコライト』第5話までのネタバレを含むので注意していただきたい。
以下の内容は、ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』第5話の内容に関するネタバレを含みます。
『アコライト』に登場したバジルとは
ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は『エピソード1』の100年前を舞台にしていることもあり、これまでに見たことのない生き物やドロイドが次々と登場する。第4話ではオーシャとソルらが惑星コーファーに向かう途中、その船の中でバジルというキャラクターが初登場を果たしている。
「スター・ウォーズ」公式サイトによると、バジルはティンナンと呼ばれる種族のキャラクターだという。ティンナンはレジェンズ=非正史にあたる小説『Han Solo’s Revenge』(1979) で初めて登場した。非正史の設定ではあるが、フォース・センシティブのティンナンもおり、体長は1.4mほどとされていた。公式のプロフィールでは、バジルの身長は1.17mとなっている。
バジルがキーキャラクターに?
『アコライト』第4話の初登場時には、バジルはオーシャの手のひらサイズのドロイド、ピップに興味津々。鼻をフシフシさせて、ピップに威嚇するように声を出す。レジェンズではティンナンは視力が弱いという設定もあり、バジルは情報の判別を嗅覚に頼っているところがあるのかもしれない。
威嚇されたピップはバジルに水をかけるのだが、バジルは怒ることもなくただただびっくりして液体の匂いを嗅ごうとしている。どこか憎めないキャラクターだ。その後、オーシャはジェキに「あの子もチームの一員なの?」と聞くが、英語ではバジルがノンバイナリーである可能性も考慮して「Is he, or they, with us?」と言っている。欧米ではノンバイナリーの人物に「They」を三人称単数として使うことが一般化しているが、「スター・ウォーズ」の実写作品では初めて三人称単数のTheyが使われたことで話題になった。なお、バジルの代名詞は「He」となっている。
コーファーに着いたジェダイ一行は、バジルに布を嗅がせて森の中で隠居しているウーキーのジェダイ・ケルナッカの居場所を突き止める。バジルは「追跡者(tracker)」と呼ばれており、ジェダイの協力者として活躍していたことが示されている。第4話でバジルはきちんと一行をケルナッカの家まで導いており、その実力は確かなようだ。
バジルとのコミュニケーションはジェダイナイトのヨードが担当している。オーシャとヨードの会話によると、ヨードはパダワンの頃にバジルの言葉(おそらくティンナン語)を勉強したという。ヨードは「ニュアンスに富む言語だ」と発言しており、バジルとコミュニケーションを取れる人物はあまり多くなさそう。もしかするとそれがポイントになるかもしれない。
“マスター”が登場する『アコライト』第5話では、バジルは船に避難するヨードとオーシャを先導する役を担っている。この布陣はソルの指示によるものだが、やはりここでもバジルはコミュニケーションが取れるヨードと行動を共にしているように見える。
色々あってジェダイが全滅すると、バジルはオーシャが残したピップの頭を見つけて拾う。初登場時にピップの匂いを確認していたことで、落ちていたピップを見つけることができたのだろう。今回の旅で船に戻ったのはソルとオーシャになりすましているメイ、そしてバジルとピップだけ。バジルはメイの匂いを嗅ぎ分けられるかもしれないが、バジルの言葉が理解できるヨードはいないのが難点だ。
ソルがティンナンの言葉を理解できなければ、バジルの主張は伝わらないだろう。あとはバジルが連れ帰ったピップが復活できれば、ピップもオーシャがいないことに気づくことができるかもしれないが、果たして……。
バジルのデザインに注目
『アコライト』でバジルを演じているのは、ハッサン・タージ。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019) でR2-D2を演じた人物だ。『アコライト』のクリーチャー&ドロイドFXクリエイティブ・スーパーバイザーであるニール・スカンランは、「本当に効果的なデザインというのは、ガレージを開けてそこにそのドロイドがいたとしてもそれほど驚かないようデザインです」とコメントしている。
バジルの愛くるしい姿は意図して作られたものだそうで、ニール・スカンランは以下のようにも話している。
キュートで愛らしいだけでなく、キャラクターの特徴を示せるようなメイクにすることを心がけました。そういうキャラの方がより魅力的になるんです。(幅広い年齢層のファンが)共感できる要素は何なのか。抱きしめたくなるとか、フレンドリーだとか、そういう要素が必要ですよね。「スター・ウォーズ」の世界ではそれが大事なんです。
バジルの大きな鼻はキャラクターに特徴をもたらすためにデザインされたものだったのだ。また、バジルのゴーグルは、透過性のない鉄の板のようになっているが、これも機能性を重視した理由があるという。
バジルは非常に敏感で、目で見るよりも匂いを嗅いだり、音を聞いたりする方が得意なのでしょう。ゴーグルをつけることで、彼は自分の世界に入り込んで追跡者になることができるのです。
ゴーグルは視界を遮断することで、嗅覚や聴覚を研ぎ澄ませるためのもので、いわばアイマスクだったのだ。
バジルを『アコライト』に登場させるにあたっては、映画『ヤング・フランケンシュタイン』(1974) でマーティ・フェルドマンが演じたアイゴールを参考にしたという。背が低いように見えるが大きな存在感があるキャラクターを目指したということで、スカンランはバジルについて、「小柄ですが、彼の存在感は周りの人たちよりも威厳があるとまではいかないまでも、対等に感じられるように演出しました」と語っている。
ジェダイと並んでも対等な存在感を示しているバジル。今後のストーリーでどんな活躍を見せてくれるのだろうか。『アコライト』の展開に加え、バジルからも目が離せない。
ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』はディズニープラスで独占配信中。
『エピソード1』の200年前を舞台にした正史小説「ハイ・リパブリック」シリーズは講談社より発売中。
Source
StarWars.com
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