【あらすじ】Netflix配信ドラマ『スノーピアサー』階級の列車を駆け上がれ——『パラサイト』のポン・ジュノ監督による映画をドラマ化【みどころ・トレーラー】 | VG+ (バゴプラ)

【あらすじ】Netflix配信ドラマ『スノーピアサー』階級の列車を駆け上がれ——『パラサイト』のポン・ジュノ監督による映画をドラマ化【みどころ・トレーラー】

©️TNT

SFドラマ『スノーピアサー』がNetflixで配信

『パラサイト 半地下の家族』(2019)で第92回アカデミー賞を作品賞を含む4冠を達成したポン・ジュノ監督。同監督が2013年にハリウッド進出を果たした映画『スノーピアサー』(2013)がドラマ化され、日本ではNetflixで配信される。配信開始は2020年5月25日(月)から。

5月14日には日本語版のトレーラーも公開されている。

ドラマ版『スノーピアサー』は、米TNTでは5月17日(日)に放送を開始している。『スノーピアサー』の設定は、氷河期を生き延びた人類が一つの列車の中で暮らし、そこで形成された階級社会を打ち壊すために主人公たちが立ち上がるというもの。大元の原作はジャック・ロブ、バンジャマン・ルグラン、ジャン=マルク・ロシェットによるフランスのグラフィックノベル『Le Transperceneige』(1984)だ。

ポン・ジュノ監督は、ドラマ版『スノーピアサー』にもプロデューサーとして参加。日本でもリメイクされたSFドラマ『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』(2013-2017)を手がけたグレーム・マンソンがショーランナーを務める。

ドラマ『スノーピアサー』は映画版からどのような進化を遂げるのか、今回はそのあらすじとみどころを見ていこう。

ドラマ『スノーピアサー』のあらすじ

ドラマ版『スノーピアサー』の舞台は2021年。映画版では2031年が舞台となっており、ドラマ版の時代設定は10年前倒しされている。2014年、人類は温暖化を食い止めるために地球を“冷やす”ための化学薬品CW-7を撒布、この影響で地上は雪に覆われ、生物は死に絶えた。唯一生き残ったのは、この事態を見据えたウィルフォードという人物が造った永久機関列車“スノーピアサー”に乗車した人々。

映画版のあらすじと異なるのはここからで、ドラマ版の列車の長さは1001車両にもおよぶという。そして“スノーピアサー”が出発する直前に、見捨てられそうになった人々は発砲を受けながらも無理やりこの列車に雪崩れ込んだという設定が加わっている。

なお、ドラマ版の前日譚は約1分間のアニメーションで公開されている。

最初から列車に乗ることを許されていた富裕層と、そうでなかった貧困層はこうして一つの列車の中で共存することになる。最も貧しい層は「テイル=尻尾」と呼ばれる最後尾の車両に押し込められ、劣悪な環境での生活を強いられる。前方の車両では裕福な人々が優雅な暮らしを謳歌しており、列車の頭から尻尾までが階級によって順序づけられているのが“スノーピアサー”の構造だ。

そんな中、ダヴィード・ディグス演じる主人公のレイトン・ウェルら、最後尾の人々の間で革命の火種がくすぶりはじめる。ジェニファー・コネリー演じるメラニー・カヴィルは列車の“声”を担当する人物。この列車に秩序をもたらすことを富裕層に宣言するが、同時にレイトン・ウェルに対して率直に語りかけるミステリアスな存在だ。

1001車両にも及ぶ長大な列車を舞台に、『スノーピアサー』はどのように描き直されるのだろうか。

ドラマ『スノーピアサー』のみどころ

配役はどうなった?

映画版『スノーピアサー』では「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリス・エヴァンスが主演に据えられた。ドラマ版『スノーピアサー』のみどころの一つは、映画版と比較した配役……と言いたいところだが、ドラマ版では登場人物の名前は大きく変更されており、ウィルフォード以外の人物は新たなキャラクターが設定されている。

注目はメラニー・カヴィルを演じるジェニファー・コネリーで、『ビューティフル・マインド』(2001)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したオスカー俳優の起用は大きな話題になっている。

主演俳優はラッパー

また、レイトン・ウェルを演じるダヴィード・ディグスは、舞台・映画・ドラマ・音楽シーンで活躍するマルチな才能の持ち主。ヒップホップグループ・クリッピングのメンバーとしても知られ、数々のSF音楽作品を発表している。2017年と2018年にSF最高賞の一つであるヒューゴー賞にもノミネートされた。詳細は以下の記事に詳しい。

テーマ設定は?

ドラマ『スノーピアサー』の英語版ポスターでは、明確に「階級闘争」という言葉がコピーとして使用されている。ポン・ジュノ監督は映画版『スノーピアサー』において、『パラサイト 半地下の家族』と同様、物理的な構造を用いて社会構造を描き出すという手法を原作コミックからそのまま採用した。

ドラマ版でも、やはり経済格差がメインテーマに据えられることは間違いないだろう。一方で、映画版では階級に関係なく全ての人類が影響を受ける外的要因 (雪崩などの自然現象) も描写されていた。また、全人類が影響を受けた天変地異の後に、人類がまた階級社会を作り直してしまうという点など、コロナ禍にある現在の人類にとっては、よりリアルに受け止められる描写もあるだろう。

そして映画版は衝撃のラストを迎えたが、ドラマ版にはどのような“解決”が用意されているのだろうか。

なお、ティザー予告編では映画版でも見られた“腕を凍らせる刑”や“プロテイン”も見られる。

気になるペース配分

ドラマ版の大きな特徴は、列車の車両数が1001車両に設定されている点だ。細かな設定も時間をとって詳細に描けるのがテレビドラマであり、映画で描写されなかった設定が明らかになることにも期待したい。

そして、ドラマ『スノーピアサー』はどこまでシリーズを拡大していくのかという点も、みどころの一つだ。なお、『スノーピアサー』シーズン1は全9話を予定している。

SFドラマ『スノーピアサー』は、米国・中国を除く地域では2020年5月25日(月)よりNetflixで配信開始。

ドラマ『スノーピアサー』(Netflix)

ポン・ジュノ監督が手がけた映画版はNetflixで視聴できる。

映画『スノーピアサー』(Netflix)

VG+編集部

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