トランプ大統領の訪英に抗議の声
イギリス時間の7月8日、ロンドンで開催された集会に、『ダンケルク』(2017)、『レディ・プレイヤー1』(2018)等で知られる俳優のマーク・ライランスが登場し、今週金曜日に迫ったドナルド・トランプ米国大統領のイギリス訪問への抗議運動実施を呼びかけた。ライランスが登壇したのは、彼が長年サポートしている反戦団体・Stop the War Coalitionが主催した「Just Say No – Artists Against Trump & War(ノーと言おう – トランプと戦争に反対するアーティスト達)」だ。
Mark Rylance delivering Harold Pinter’s 2005 Nobel Prize acceptance speech as the final act of Artists Against Trump.#TogetherAgainstTrump pic.twitter.com/aqtgr18IZC
— Stop the War (@STWuk) July 8, 2018
女性蔑視、入国禁止政策…怒るイギリス
イギリスでは、エリザベス女王との面会も予定されているトランプ大統領の訪問について、女性蔑視発言やイスラム圏からの入国禁止政策などを理由に、活発な反対運動が展開されてきた。昨年2月には訪問反対の嘆願書に180万筆の署名が集まり、イスラム教徒であるロンドン市長のサディク・カーン市長もトランプ大統領の英訪問に反対の立場を表明していた。更に、Trump Baby Projectという巨大な「赤ちゃんトランプ風船」をロンドンの上空に打ち上げるプロジェクトが進められ、クラウドファンディングで2万4,000ドル(約264万円)が集まった。
Wow! Tremendous win for #TrumpBaby supporters! This is BIG news that nobody saw happening – I am going on a World Tour! Wherever little Donald goes, I will be close behind. There is so much good to do, the world needs #TrumpBaby! https://t.co/aZXE1uREl0? pic.twitter.com/3rkd21GMhL
— Trump Baby (@TrumpBabyUK) June 27, 2018
映画界でも根強い「反トランプ」の声
米国では、6月10日にニューヨークで行われたトニー賞の授賞式にて、俳優のロバート・デ・ニーロがトランプ大統領を批判するスピーチを行ったばかり。今回ロンドンで開催された集会には、アカデミー賞やゴールデングローブ賞を含む数々の受賞歴を持つ、ベテラン女優のヴァネッサ・レッドグレイヴも参加した。レッドグレイヴは、過去に英国労働者革命党を立ち上げた筋金入りの活動家俳優だ。
マーク・ライランスは同集会にて、イギリス市民に対してこう呼びかけた。
アメリカにいる多くの友人が、今回の訪問を注視しています。仮に抗議が起きないとすれば、ひどい結果を招くことになるでしょう。(中略)我々が立ち上がり、「トランプさん、結構です。他に歩むべき道があります、希望と共に歩む道が。」と主張することの影響力を、甘く見るべきではありません。
by マーク・ライランス
映画の役柄だけではない、ライランスのリーダーシップ
ライランスは今年公開された『レディ・プレイヤー1』に出演。夢のVRワールド「オアシス」の創設者で、その「夢の世界」を未来に託すジェームズ・ハリデーを演じた。昨年公開のクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』では、第二次世界大戦の「ダイナモ作戦」において、民間船でイギリス兵の救助に向かう勇敢な船乗り、ミスター・ドーソンを演じている。いずれも若者に手を差し伸べ、道標となる役所だ。ライランスが現実社会の政治世界においても、リーダーシップを発揮している。イギリス市民は、そして政府は、この呼びかけにどう応えるのだろうか。
To paraphrase James Halliday… Thanks for playing our game. 🙂 Goodnight everybody! #VuduViewingParty pic.twitter.com/PtMa56F8Di
— Vudu – Movies & TV (@VuduFans) July 7, 2018
Source
The Hollywood Reporter