アガサがウエストビューにいた理由とは『アガサ・オール・アロング』はアガサの魅力を描く | VG+ (バゴプラ)

アガサがウエストビューにいた理由とは『アガサ・オール・アロング』はアガサの魅力を描く

©2024 Marvel

『アガサ・オール・アロング』9月19日配信開始

MCUドラマ『アガサ・オール・アロング』が2024年9月19日(木) より、ディズニープラスで配信される。2021年に配信されたドラマ『ワンダヴィジョン』に登場したアガサ・ハークネスを主人公に据えた作品で、同作のその後が描かれる。

『アガサ・オール・アロング』の主人公アガサを演じるのはキャスリーン・ハーン。数多くのコメディ作品などで活躍し、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018) ではドクター・オクトパスの声優を務めている。『アガサ・オール・アロング』のショーランナーは、『ワンダヴィジョン』のショーランナーで、映画『ブラック・ウィドウ』(2021) で原案を担当したジャック・シェイファーが務める。

アガサの魅力とは

そのジャック・シェイファーが『アガサ・オール・アロング』で描かれるポイントについて、ディズニーの発行するD23誌の2024年秋号で言及している。『ワンダヴィジョン』のようにテレビドラマの歴史を追うようなスタイルにはせず、より幅広い作品から影響を取り入れるとした上で、本作の主人公であるアガサについてこう語っている。

私が『ワンダヴィジョン』でアガサに強く惹かれた理由は、アガサがワンダに対して共同体の意識、シスターフッドの意識を求めていたからです。彼女はただ悪行のためにウェストビューにいたわけではありません。彼女は自分のように強力な魔法を操れて、同時に魔法に対する好奇心や意欲を持った人を探していたんです。

『ワンダヴィジョン』では、ワンダがニュージャージー州の郊外にあるウエストビューの街をヘックスと呼ばれる結界で覆い、自分が理想とする世界を作り出した。魔女のアガサは他の住民のようにワンダの魔法にかけられたフリをしてウエストビューに入り込み、ワンダに近づいた。

アガサは最終的にはワンダの魔力を奪おうとしたが、当初は自分の魔法と知識を披露しながら、ワンダの現実改変能力を讃えていた。ワンダが無から物体を生み出せるスカーレット・ウィッチだと知った後には、力を持っているのにワンダが家族と過ごそうとしていることを批判している。

アガサ自身は1693年に母エヴァノラを含む魔女の集団から処刑されそうになったが、魔女たちの力を吸い取って生き延びた。仲間を失ったアガサが求めていたものは、コミュニティであり仲間だったのだろう。アガサは自分と同じ魔女の素質を持つワンダに惹かれてウエストビューに赴いたが、家族を優先するワンダを見て失望したのかもしれない。

単なるヴィランではないアガサの魅力について、ショーランナーのジャック・シェイファーはこう続けている。

とても人間的ですよね。彼女はヴィランに分類されますが、近くにいる魔法を使える人々に興味を持たずにはいられないんです。そのギャップが一番ワクワクしたところです。(アガサ役の)キャスリーンは凶暴な演技もできます。温かみのある演技も、キツめの演技もできる。そういう切り替えを見ているのが本当に楽しいんです。

アガサと、それを演じるキャスリーン・ハーンの魅力を語るジャック・シェイファー。『ワンダヴィジョン』ではワンダ役のエリザベス・オルセンとヴィジョン役のポール・ベタニーの長所を生かした脚本を作ったといい、今度は同じようにキャスリーン・ハーンとアガサにその情熱をぶつけたいと語っている。

ドラマ『アガサ・オール・アロング』では、アガサが魔女たちを集め、魔法を取り戻せる「魔女の道」を目指す。念願の仲間を得たアガサは、『ワンダヴィジョン』とは一味違った表情を見せてくれることだろう。

ドラマ『アガサ・オール・アロング』は2024年9月19日(木) よりディズニープラスで配信開始。

『アガサ・オール・アロング』視聴ページ

Source
D23 Fall 2024

『アガサ・オール・アロング』に続く『ワンダヴィジョン』のスピンオフドラマ『ヴィジョン・クエスト(仮題)』にはワンダも登場すると言われている。詳しくはこちらから。

『アガサ・オール・アロング』予告編に見るワンダの死についての考察はこちらから。

『アガサ・オール・アロング』におけるビリーについての考察はこちらの記事で。

2025年配信のドラマ『アイアンハート』の情報はこちらから。

『ワンダヴィジョン』最終話のネタバレ解説はこちらから。

ワンダ役のエリザベス・オルセンが語った『マルチバース・オブ・マッドネス』のラスト後のワンダについてはこちらの記事で。

【ネタバレ注意】映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストのネタバレ解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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