40周年記念作品『トランスフォーマー/ONE』
2024年に40周年を迎える変形玩具「トランスフォーマー」シリーズ。40周年という記念すべき年を彩る作品として、新時代リアルイメージCG映画作品の『トランスフォーマー/ONE』が2024年9月20日(金)に世界同時で劇場公開されることが決定した。
これまでの実写映画版「トランスフォーマー」シリーズの重厚感のある変形とは異なり、軽やかなアクションと変形に戸惑うトランスフォーマーたちが魅力的な『トランスフォーマー/ONE』だが、その吹替声優が2024年7月16日(火)の特別番組で発表された。
本記事では、『トランスフォーマー/ONE』の吹替声優について、解説と考察を述べていこう。なお、以下の内容は『トランスフォーマー/ONE』の公式から発表している情報をもとにしているが、何の情報も入れずに楽しみたいという方は注意していただきたい。
オプティマス・プライム/オライオン・パックス 演:中村悠一
オプティマス・プライムを演じるのはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースの吹替声優などを務める中村悠一だ。特別番組で中村悠一は最初こそ、自分がこれまで第1作『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』(1985-1986)など初期の作品群であるG1(ジェネレーション1)や実写映画版「トランスフォーマー」シリーズで玄田哲章が演じてきたオプティマス・プライム(コンボイ)を演じられるかどうかわからなかったこという。
しかし、脚本を読み込むことで後のオプティマス・プライムであるオライオン・パックスの若さや青臭さを感じることができ、中村悠一はオプティマス・プライムがオートボット総司令官になるまでを演じるヴィジョンが見えた旨を同じく特別番組で語っている。『トランスフォーマー/ONE』は若さゆえにやんちゃなオライオン・パックスが、冷静沈着なオートボット総司令官のオプティマス・プライムになるまでを丁寧に描いているとのことで、その描写にも注目だ。
メガトロン/D-16 演:木村昴
一方、オライオン・パックスの親友のD-16であり、後にオプティマス・プライム最大の宿敵となるメガトロンを演じるのは木村昴だ。木村昴と中村悠一はアニメでは『呪術廻戦』(2020-)、映画の吹替では『トップガン マーヴェリック』(2022)で共演している。木村昴はオプティマス・プライムと同じく、D-16がディセプティコン破壊大帝メガトロンへと変化していく過程に興奮したようだ。
また、メガトロンの2代目声優などではなく、これまで様々な声優が紡いできたディセプティコン破壊大帝メガトロンのイメージを守りながら、彼がメガトロンになる前の若い頃を演じることに苦労した旨を特別番組で語った。『トランスフォーマー/ONE』ではD-16は泥臭く、人間臭い人物として描かれるとのことで、オプティマス・プライムの成長と同じように何故D-16がメガトロンになるのかにも注目が集まる。
脇を固める豪華声優たち
脇を固める声優も豪華だ。一番若いトランスフォーマーで、後のバンブルビーであるB-127は木村良平が吹替声優を務める。木村良平は「トランスフォーマー」シリーズ30周年記念企画である『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』(2015)でバンブルビー役を務め、実写映画『バンブルビー』(2019)でもバンブルビーを務めるなど、数多くの「トランスフォーマー」シリーズ作品でバンブルビーを演じている。
『トランスフォーマー/ONE』では本国アメリカでも、長年オプティマス・プライムを演じてきたピーター・カレンからクリス・へムズワースに声優が変更されるなど、全体で声優の変更が行なわれている。それは日本語吹替版でも同じで、長年オプティマス・プライム(コンボイ)を演じてきた玄田哲章が若きトランスフォーマーを導く第1世代のトランスフォーマーのアルファ・トライオンを演じる。原語版でアルファ・トライオンはローレンス・フィッシュバーンが吹替を務めているが、玄田哲章は「マトリックス」シリーズでローレンス・フィッシュバーンが演じたモーフィアスの吹替声優を務めている。
オプティマス・プライムの恋人であり、同じオートボットの同志であるエリータ-1の声優は敢えて明らかにされていない。エリータ-1の吹替声優はシークレットキャストということで、今後の『トランスフォーマー/ONE』の情報発表にも注目だ。
音響監督、岩波美和の込めた想い
このような吹替声優のキャスティングに携わり、『トランスフォーマー/ONE』という作品の日本語吹替版音響監督を務めるのは岩波美和だ。岩波美和と言えば、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』(1997-1998)をはじめとする「ビーストウォーズ」シリーズの日本語吹替版音響監督を務め、アドリブが多い俗に言う声優無法地帯をつくった人物である。
「ビーストウォーズ」シリーズは「トランスフォーマー」シリーズの低迷期に新しい風を吹き込んだ作品であり、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』は「トランスフォーマー」シリーズの人気を支えた作品だ。岩波美和はその後も多くの「トランスフォーマー」シリーズに携わっており、実写映画版では『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023)の日本語吹替版音響監督を務めるなど、「トランスフォーマー」シリーズの歴史を語る上で外せない人物と言っても過言ではないだろう。
岩波美和曰く、今回の『トランスフォーマー/ONE』のキャスティングにはキャラクターの個性と演じる声優の個性の親和性が重要視されたとのことだ。それだけではなく、もう一つの注目ポイントとして、どこでオプティマス・プライムとメガトロンからリーダー性を感じさせるのかを中村悠一と木村昴、岩波美たちは注意して演じたことを特別番組で明かしている。
まだまだ情報解禁されていないことが多い『トランスフォーマー/ONE』。7月末にも新しい情報が発表されることが明らかにされるなど、『トランスフォーマー/ONE』から目が離せない展開が続く。今後も『トランスフォーマー/ONE』を要チェックだ。
『トランスフォーマー/ONE』は2024年9月20日(金)より日米同時公開予定。
『トランスフォーマー/ONE』のデラックスクラスの変形玩具は発売中。
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