『攻殻機動隊 SAC_2045』イリヤ・クブシノブがキャラデザを担当した経緯、原恵一がきっかけに。どんなイラストレーター?【Netflix】

©Shirow Masamune, Production I.G/KODANSHA/GITS2045

今までとは違うキャラクターデザイン

2018年12月に『攻殻機動隊 SAC_2045』のビジュアルが発表された。そこに描かれていたのは少しハニかんだような表情を浮かべる明るいビジュアルの草薙素子だった。攻殻機動隊といえば、薄暗くハードコアなイメージが強い作品だが、このビジュアルは今まで見たことのない全く新しい攻殻機動隊のビジュアルだ。
当初SNS上では、「このイラストはイリヤ・クブシノブが描いたモノでは?」と考察されていた。2019年6月に公式なアナウンスがあり、『攻殻機動隊 SAC_2045』のキャラクターデザインがイリヤ・クブシノブによるものと明かされた。

イラストレーター イリヤ・クブシノブってどんな人?

イリヤ・クブシノブはロシア出身、日本在住、ツイッターのフォロワーは30万超え、インスタは170万超えとSNSで人気を集めているイラストレーターだ。最近では、原恵一監督のアニメーション映画『バースデー・ワンダーランド』(2019)のキャラクターデザインやメカニックデザイン、プロップデザインなどを担当した。

 

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『攻殻機動隊 SAC_2045』のキャラクターデザインを担当する経緯、原恵一がきっかけに

イリヤ・クブシノブは、どのようにして『攻殻機動隊 SAC_2045』のプロジェクトに参加したのだろうか。
その経緯をBefore The Clock Strikes 12インタビューで語っている。

ええと…、『バースデイ・ワンダーランド』の仕事を始めた時、監督(原恵一)が私に「攻殻機動隊の新シリーズが始まるみたいなんだけど、この仕事に興味はある?」と聞かれたんです。私は「はい」と答え、「どうすれば、そのプロジェクトに参加できますか?」と監督に聞き返しました。すると彼は私にProduction I.G.のCEO(石川光久)にメールを送るよう言ったんです。私は「そんなに簡単なことでいいの?」って言いましたよ。
そこで私は草薙素子の絵を描いてProduction I.G.のCEOに送りました。これがプロジェクトに参加した経緯です。

意外にも、きっかけは原恵一監督だったというのだ。どうやら、その腕前も含めイリヤ・クブシノブはとても信頼されているようだ。

原体験は押井守の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』

『攻殻機動隊 SAC_2045』のキャラクターデザインを担当することになったイリヤ・クブシノブだが、偶然にも日本のアニメや漫画に興味を持ったきっかけは、押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)だったと答えている。
EWWのインタビューでは「アートに興味を持ったきっかけ」を聞かれ、両親とのエピソードと合わせて「攻殻機動隊」との出会いについて話している。

私は、4歳からたくさんの絵を描いています。私の両親は芸大を卒業していて、そのせいもあって私が描いたただの落書きでも両親は褒めてくれました。そして6歳の頃、押井守の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に出会いました。その時は怖かったですが、同時に魅了されました。

小さな頃から絵を描くことが好きでありながら、「攻殻機動隊」に魅了されてしまった少年は、後に「攻殻機動隊」のキャラクターデザインを担当することになる。

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イリヤ・クブシノブの過去と経歴

SNSで人気を集め、日本のアニメ業界で活躍するイリヤ・クブシノブとはどんな人物だろうか。もう少し掘り下げてみよう。

一番最初に学んだのは建築、イリヤ・クブシノブの独特で意外な経歴

イリヤ・クブシノブは今では女性のイラストを中心に描くことで知られているが、作風からは想像できない独特な経歴を持っている。
イリヤ・クブシノブが最初に学んだアートは、なんと建築だった。11歳から17歳まで建築学校に通い、その後1年間アニメーションを専門学校に通ってから、再び建築を学ぶために大学の建築学科に進学している。建築を学んでいた理由についてPICTURESのインタビューでこう語っている。

私が建築を学ぶことに決めた理由は、実は母です。私が子どもの頃によくレゴで建物を作っていたのを見て、将来は建築家になるのがいいと思ったそうです(笑)。

母親の意向もあり、最初に学んだアートは意外にも建築だったようだ。

 

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『ペルソナ』シリーズが好きすぎるあまりゲーム会社で働く

大学時代はで建築を学ぶ一方で、ゲームにハマりだした。中でもお気に入りだったのは『ペルソナ3』『ペルソナ4』だったそうだ。ゲームが好きすぎるあまり、大学に通いながらゲーム会社で働き始める。ゲーム会社では、小物のデザインやチームの制作フローを学んだそうだ。しかし、どうしてもストーリーに関わる仕事をしたかったそうで、建築とゲームの制作の道を離れ、モーションコミック(音声や動きがついたコミック)を制作する会社に転職する。

 

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絵の腕をあげるためにがむしゃらだったモーションコミック時代

モーションコミックの制作会社では、コンセプトアーティストから監督まで幅広いポジションを経験をしている。モーションコミックの監督を役を務めた時は、ストーリーのある作品に関われる嬉しさがあった反面、初めての経験が多かった監督というポジションに苦労したそうだ。
モーションコミック時代の苦労をKAI-YOUのインタビューでこう語っている。

その経験(モーションコミックの監督)以来、インターネットでプロの演出家の動画を見たり、絵コンテの通信講座を受けるなど、絵コンテを描くための勉強をするようになりました。絵ももっと上手くなりたかったので、解剖学の本も読むようになって、学校で習わなかった色についての勉強もはじめました。

さらにこれに加え、毎日2時間の絵の練習と、2時間の作品作りに取り組んでいたそうだ。イリヤ・クブシノブは天才と言われるが、その裏には寝る間も惜しむほどの尋常ではない努力があったのだ。

この経験を経てロシアから日本に活動拠点を移すのだが、その先の話は各インタビュー記事を読んでもらいたい。

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ゲームの仕事がしたい、今後の展望はいかに

日本のアニメ業界で活躍を見せるイリヤ・クブシノブは、ゲーム業界にも目を向けているようだ。昨年(2019年)には、『デス・ストランディング 』(2019)の小島秀夫監督とのコンタクトを果たしている。

また、EWWのインタビューで一緒に仕事したいゲームクリエイターを聞かれると、横尾太郎と小島秀夫の名前を挙げている。もし、どっちらかのコラボレーションが実現されれば、とんでもなく面白い作品ができそうだ。
今後どんなクリエーターたちとのコラボレーションを見ることができるのか、ファンをワクワクさせるクリエイターだ。

『攻殻機動隊 SAC_2045』はNetflixで2020年4月に配信される。ビジュアルが一新された公安9課のメンバーたちを見るのが楽しみだ。

『攻殻機動隊 SAC_2045』公式サイト

Source
Before The Clock Strikes 12, EWW, KAI-YOU, PICTURES

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