ポストクレジットで明かされた2026年の劇場版『名探偵コナン』の舞台
2025年4月19日(金)に公開され、去年公開された前作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』のように興行収入1位の座を獲得した『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』。そのポストクレジットでは例年通り、来年の劇場版『名探偵コナン』の舞台が明らかにされた。
劇場版『名探偵コナン』はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画のように、ポストクレジットまで見逃せない映画だ。今年の『名探偵コナン 隻眼の残像』でも2026年の劇場版『名探偵コナン』の公開日がゴールデンウィークだと明らかにされた。
ゴールデンウィークということは4月29日から5月5日までの期間に公開されることが予想されるが、去年ゴールデンウィークに公開されると告知された『名探偵コナン 隻眼の残像』は4月19日に公開された。そのため、公開日に多少のズレがあることは考察できる。しかし、重要なのは2026年に公開される劇場版『名探偵コナン』の内容だ。
本記事では2026年のゴールデンウィークの劇場版『名探偵コナン』の内容について、考察と解説を述べていこう。なお、本記事は『名探偵コナン 隻眼の残像』のポストクレジットのネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。
以下の内容は、映画『名探偵コナン 隻眼の残像』の結末に関する重大なネタバレを含みます。
Contents
2026年の劇場版『名探偵コナン』は神奈川県警が主役?
『名探偵コナン 隻眼の残像』のポストクレジットでは、青空に白い羽根が舞い、蘭の「風の女神様」という言葉に神奈川県警の横溝重悟警部が「女海賊だよ」と返し、萩原千速警部補が「うるせぇよ」と言い返すものだった。そのため、2026年の劇場版『名探偵コナン』は神奈川県警、特に交通機動隊が主人公になると考察できる。
萩原千速は神奈川県警交通部・第三交通機動隊小隊長で、公道でストッピーとウィリーを行ない、犯人の顔にバイクのタイヤを当てるなど天才的な白バイ隊員として描かれている。また萩原という苗字からわかる通り、警察学校組のメンバーである萩原研二の姉でもある。
近年の劇場版『名探偵コナン』シリーズでは安室透たち警察学校組にスポットライトが当たることが多い。また、今回のポストクレジットでは神奈川県警の横溝重悟警部の声も登場していることから神奈川県警、特に萩原千速の所属している交通機動隊か、もしくは彼女の弟が所属しており、警察学校組のメンバーが所属していた爆弾処理班の誰かが主人公になる可能性が高いだろう。
神奈川県警、萩原千速の関連人物
横溝重悟
横溝重悟は神奈川県警の警部で、弟に顔がそっくりな静岡県警の横溝参悟がいる。毛利小五郎に心酔している横溝参悟と違い、毛利小五郎にあまり良い印象を抱いていないのが横溝重悟だ。正義感が強く、弱きを助け強きを挫く警察官らしい性格の持ち主。『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(2006)では子供たちを爆発から身を挺して守っている。
また、「中華街 雨のデジャビュ」編では高熱で倒れた毛利蘭をすぐに病院に連れて行くように手配するなど、多少口が悪いところはあるが優しさも併せ持つ。しかし、その正義感が仇となることもあり、「蘭も倒れたバスルーム」編では犯人に「頭がかゆい」という言い訳のもとで肘鉄を食らわせている。
横溝重悟は萩原千速に対して好意を抱いており、萩原千速も横溝重悟に多少なりとも好意を抱いている描写がある。萩原千速は「自分を顧みず他人を救おうとするバカ」に好意を抱くと語っている。2026年の劇場版『名探偵コナン』では横溝重悟と萩原千速との恋愛関係の進展に注目が集まる。
萩原研二
萩原研二は萩原千速の弟で、警視庁警備部機動隊の爆発物処理班に所属していた。「揺れる警視庁1200万人の人質」編の回想で爆弾の設置場所を探るため、爆発寸前の爆弾のもとに残ったことで殉職してしまう。萩原千速の言う「自分を顧みず他人を救おうとするバカ」の代表格とも言える人物だ。
警察学校組のメンバーでもあり、基本的に警察学校組は「自分を顧みず他人を救おうとするバカ」の集まりとも言える。彼自身は父親が自動車修理工場を営んでいたこともあってか車いじりが得意で、ドライビングテクニックは警察学校組の中でもピカイチ。萩原研二と萩原千速は姉弟そろって優れたドライビングテクニックの持ち主とも言える。
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022)では萩原研二が幼少期の工藤新一と毛利蘭に会っていたことが明かされているため、もしかすると萩原千速ともコナンたちは幼少期に会っていたかもしれない。2026年の劇場版『名探偵コナン』で萩原千速とコナンたちの過去編の深掘りにも注目したいところだ。
松田陣平
松田陣平は萩原研二と同期の警察学校組のメンバーだ。「揺れる警視庁1200万人の人質」編で、萩原研二の仇を取るために彼と同じ行動を取り、殉職してしまった。松田陣平もまた「自分を顧みず他人を救おうとするバカ」だと言えるだろう。
松田陣平にとって萩原千速は初恋の人であり、彼女に何度も告白しては振られていることが原作者である青山剛昌の口から明かされている。萩原千速と横溝重悟の恋物語を描く場合、過去の恋敵として松田陣平が登場する可能性もあり得る。
萩原千速と松田陣平を含む警察学校組のメンバーたちの関係性がどこまで物語に関わってくるのだろうか。2026年の劇場版『名探偵コナン』で萩原千速の何が描かれるのかに注目が集まる。
萩原千速役の田中敦子の後任決定
2026年に公開される劇場版『名探偵コナン』で注目を集めたのは、萩原千速役の田中敦子の後任だろう。萩原千速がアニメで登場したのは初登場回である「風の女神・萩原千速」編の前後編だけだった。その後、萩原千速の声優を務めていた田中敦子が2024年8月20日に逝去したため、後任は未定となっていた。
同じく田中敦子が演じていたメアリー・世良は本田貴子が後任となることが明らかになっているが、それに対して誰が萩原千速を演じるかに注目が集まっていた。その萩原千速の後任が『名探偵コナン 隻眼の残像』のポストクレジットで明らかになった。
田中敦子の後任を務めるのは沢城みゆきだ。沢城みゆきは「名探偵コナン」シリーズの中でも名エピソードと名高い「ピアノソナタ『月光』殺人事件」編のリメイクや、それ以降の回想シーンで浅井成美を演じている。
コナンにとって浅井成美は犯人を推理で追い詰め、死に追いやることは殺人者と変わらないという信念を生んだ人物だ。コナンは度々、浅井成美のことを思い出しており、服部平次にコナンは「犯人を推理で追い詰めてみすみす自殺させちまう探偵は……殺人者とかわんねーよ」と語っている。
重要な人物である浅井成美を演じた沢城みゆきだが、田中敦子がメアリー・世良と萩原千速の二役を演じたように、「名探偵コナン」シリーズでは重要な複数のキャラクターを兼任することは珍しくない。
また、『名探偵コナン 隻眼の残像』ではエンドクレジットに2023年に亡くなったジョディ・スターリング役の一城みゆ希へのメッセージも流れた。「名探偵コナン」シリーズでは亡くなったキャストへの想いを込めた上で、後任を決めるため2026年の劇場版『名探偵コナン』での沢城みゆきの演技に期待だ。
2026年の劇場版『名探偵コナン』でも警察学校組のメンバーが中心に?
『名探偵コナン 隻眼の残像』ではメインは長野県警の大和敢助と上原由衣、諸伏高明だったが、警察学校組のメンバーも活躍する内容になっていた。コナンに情報を提供して暗躍していた安室透、そして諸伏高明の幻覚の中に登場した諸伏景光が良い例だろう。
近年の劇場版『名探偵コナン』では、警察学校組のメンバーが活躍し、「名探偵コナン」シリーズの本編にまつわるストーリーが進む傾向にある。そのため、2026年の劇場版『名探偵コナン』でも、警察学校組のメンバーが登場する可能性は高いと考察できる。
2026年の劇場版『名探偵コナン』では萩原千速を中心に交通機動隊の活躍が描かれるのか、それとも彼女の弟の萩原研二に起きた爆弾事件もとに再び爆弾事件が起きるのか。すでに2026年の劇場版『名探偵コナン』の情報解禁が待ち遠しい。
映画『名探偵コナン 隻眼の残像』は2025年4月18日(金) より劇場公開。
『名探偵コナン 隻眼の残像』のサントラは発売中。
ノベライズ版『名探偵コナン 隻眼の残像』も発売中。
漫画『名探偵コナン』は最新刊107巻は4月18日発売。
『名探偵コナン 隻眼の残像』ラストの解説はこちらから。
高明と景光、安室/降谷の過去についての解説と、今後についての考察はこちらから。
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』ラストの解説はこちらから。
『100万ドルの五稜星』ラストを踏まえたコナンとキッドの関係についての解説&考察はこちらの記事で。
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』ラストのネタバレ解説はこちらから。
『名探偵コナン 紺青の拳』ラストのネタバレ解説はこちらから。
『名探偵コナン 水平線上の陰謀』ラストのネタバレ解説はこちらから。
『名探偵コナン 14番目の標的』ラストのネタバレ解説はこちらから。