第45回日本SF大賞発表
日本SF作家クラブが主催する日本SF大賞の第45回受賞作品が発表された。大賞を受賞したのは、市川春子『宝石の国』(講談社)。また、宮西建礼 『銀河風帆走』(東京創元社)に特別賞が贈られた。功績賞は故・楳図かずお氏、故・住谷春也氏、故・山本弘氏の3名に贈られた。
第45回日本SF大賞は、2023年9月1日から2024年8月31日までに発表された作品や出来事が対象。以下の5作品が最終候補に選出され、池澤春菜、大森望、斜線堂有紀、立原透耶、林譲治からなる5名の選考委員によって選考が行われた。なお、池澤氏については、著作が最終候補に選出されたため、書面で選考に参加した。
授賞式は4月26日(土)に代官山 蔦屋書店にて開催されるイベント「SFカーニバル」内での開催が予定されている。
春暮康一 『一億年のテレスコープ』(早川書房)
荒巻義雄・巽孝之 編 『SF評論入門』(小鳥遊書房)
宮西建礼 『銀河風帆走』(東京創元社)
市川春子 漫画『宝石の国』(講談社)
池澤春菜 『わたしは孤独な星のように』(早川書房)
選考会での声
発表記者会見では、第22代日本SF作家クラブ会長の井上雅彦氏が選考会での意見を紹介。大賞を受賞した市川春子 漫画『宝石の国』(講談社)について、「刊行された後のSFが想像できないほどの、SFとしての新しさ、物語としての新しさがある。また、小説にはできない、コミックならではのことをしており、小説家として嫉妬してしまうほどである。SFであると意識せず読んでいる読者に『これもSFなんだよ』と紹介することができる」といった意見があったことを紹介した。詳しい内容は、選評の公開が待たれる。
また、特別賞の宮西建礼 『銀河風帆走』(東京創元社)は、「科学に対する理性を大切に、斬新な考え方が貫かれている。若い人にぜひ読んでほしい真正面のSFであり、青春群像劇である」と、大賞には至らなかったものの選考委員からの評価が非常に高かったという。
第45回日本SF大賞の結果
大賞
市川春子 漫画『宝石の国』(講談社)
特別賞
宮西建礼 『銀河風帆走』(東京創元社)
功績賞
楳図かずお
住谷春也
山本弘