ネタバレ解説&考察『ドゥームズデイ』の舞台はアース828?『ファンタスティック4』との繋がりをケヴィン・ファイギが明かす | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&考察『ドゥームズデイ』の舞台はアース828?『ファンタスティック4』との繋がりをケヴィン・ファイギが明かす

©︎MARVEL

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』公開

MCU映画の第37弾『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が2025年7月25日(金) より全国の劇場で公開され、話題を呼んでいる。MCU作品としてフェーズ6の第1作目にあたり、MCU映画としては2026年に控える『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』と『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の公開に向けて再度大きな盛り上がりを見せる機会となっている。

同時に2025年に公開される最後のMCU映画となった『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』。本作が映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』にどのように繋がっていくのかについて、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが語っている。今回は両作の繋がりをネタバレありで解説&考察していこう。なお、以下の内容は『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の結末に関するネタバレを含むので、本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の結末に関するネタバレを含みます。

『ファンタスティック4』は『ドゥームズデイ』にどう繋がる?

ポストクレジットで起きたこと

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のラストでは、ファンタスティック・フォーはシルバーサーファーの手も借りつつギャラクタスを地球から追い出すことに成功。その代償としてインビジブル・ウーマンことスー・ストームが息を引き取るが、スーとリード・リチャーズの息子であるフランクリン・リチャーズが能力を発揮してスーは復活を遂げる。

ギャラクタスは地球の身代わりとしてフランクリンを渡すことを要求しており、フランクリンは重要な力を持つ人物であることが示唆されている。さらにミッドクレジットシーンではドクター・ドゥームが登場。4歳になったフランクリンに近づくドゥームの姿が捉えられて『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は幕を閉じた。

この時、フランクリンはドゥームの顔に向けて左手を伸ばし、ドクター・ドゥームは左手にマスクを持ちフランクリンに顔を見せているように見える。余談だがマスクを手に持っているということは、ドクター・ドゥームのマスクは晩年のアイアンマンのようなナノテクノロジーを用いたものではないということが分かる。

そして、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のエンドロールの最後には、ファンタスティック・フォーは『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』で帰ってくるということが予告された。映画『サンダーボルツ*』(2025) のポストクレジットシーンでは、別の次元からファンタスティック・フォーの宇宙船が現れてもいる。

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』と『サンダーボルツ*』のストーリーは、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に繋がる見込みだが、作品を観るだけでは各作品がどのように繋がるのかは不明のままだ。アース616を舞台としたこれまでの作品と、アース828を舞台にした『ファンタスティック4』はどのように繋がるのだろうか。

ケヴィン・ファイギが語ったヒント

再びアース828が舞台に?

マーベル公式では、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の封切り後にマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギのインタビューが公開された。『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』でファンタスティック・フォーとアベンジャーズ、そしてX-MENがどのように絡んでいくのかという質問に対し、ケヴィン・ファイギはこう答えている。

それは常に楽しい話題ですね。「アベンジャーズ」映画の醍醐味は異なる個性を持つキャラクター同士がいかに共存できるかを見ることです。世界が文字通り衝突する脅威を描く映画である場合、彼女ら/彼らがお互いのホームを訪れる様子を見るのは楽しいものです。

例えば、ファンタスティック・フォーの映画では、バクスター・ビルのセットには最大で4人か5人しかいませんでした。それが(『ドゥームズデイ』では)大幅に人数が増えます。その交流を見るのはワクワクしますね。25年間この業界にいる私にとっては、現実とは思えません。

バクスター・ビルとは、ファンタスティック・フォーが拠点としている建物のことだ。『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』では、ファンタスティック・フォーの4人とロボットのハービー、フランクリン、そしてドクター・ドゥームしかこの建物内のセットには登場していない。

だが、ケヴィン・ファイギは『アベンジャーズ/ドゥーズムデイ』でバクスター・ビルに多くの人物が登場することになると予告している。それはつまり、『ドゥームズデイ』でも(少なくとも一部のシーンでは)アース828が舞台になるということを意味している。

『サンダーボルツ*』のラストで異次元から現れた宇宙船に乗っているのがファンタスティック・フォーであるとすれば、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のラストから『サンダーボルツ*』までの間を埋めるストーリーは、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』で描かれることになりそうだ。

考察:誰がアース828に行くのか

ここで気になるのは、映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』でバクスター・ビルを訪れる人々は誰なのかということだ。そもそも映画『ファンタスティック4』のアース828では、ファンタスティック・フォーが唯一のヒーローであり、アベンジャーズやX-MENは存在していない。ケヴィン・ファイギの「お互いのホームを訪れる」という発言からも、誰かがアース828を訪れるという展開が描かれることが予想できる。

映画『サンダーボルツ*』では、エレーナ・ベロワとバッキー・バーンズが率いるニュー・アベンジャーズが誕生。サム・ウィルソンの元祖アベンジャーズも活動を続けていることが示唆された。そしてラストでファンタスティック・フォーの宇宙船が異次元から現れたのである。

ということは、考えられる展開は二つだ。一つ目は『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』でアース828のバクスター・ビルを訪れるのはアベンジャーズではなくX-MENという展開。二つ目は、アース616に現れたファンタスティック・フォーがニュー・アベンジャーズをアース828に連れていくという展開である。

X-MENがアース828へ?

まず、映画『デッドプール&ウルヴァリン』(2024) では、デッドプールやウルヴァリン、X-MENが存在するアース10005が舞台になった。映画『マーベルズ』(2023) では、モニカ・ランボーが旧シリーズに続きケルシー・グラマーが演じるビーストが存在するアースへと飛んだ。

この二つのユニバースが同じアースである可能性もあるが、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』では、このどちらかのユニバースからX-MENがアース828を訪れることになるのではないだろうか。可能性が高いのはモニカがいて伏線が張られている後者のユニバースだろう。一方で、『デッドプール&ウルヴァリン』ではデッドプールには崇高な使命があると指摘されてもいる。

その場合、X-MENはファンタスティック・フォーと共に何らかの理由で宇宙船に乗ってアース616を訪れることになるだろう。そこはモニカの故郷であり、デッドプールが憧れたアベンジャーズのホームでもある……。

いずれにせよ、ケヴィン・ファイギは先のインタビューでも、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』でX-MENが登場することについて、「『デッドプール&ウルヴァリン』は入り口に過ぎません。次は『ドゥームズデイ』で本当に深く掘り下げていきます」と宣言している。X-MENが『ドゥームズデイ』で重要な役割を果たすことは間違いないだろう。

アベンジャーズがアース828へ?

(ニュー・)アベンジャーズがアース828を訪れる展開もあり得る。ドクター・ドゥームという強大な敵を前にしたファンタスティック・フォーがアース616を訪れてアベンジャーズの手を借りるためにアース828へ連れていくというストーリーもあり得るだろう。

時系列的には『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のミッドクレジット→『サンダーボルツ*』のポストクレジット→『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』という流れだ。そうすると『ドゥームズデイ』は、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) のようにアース616を離れて敵と戦うストーリーになるかもしれない。

現状、アース616には全世界に大量のヒーローとヴィランがおり、地球規模の戦いが生じた時に登場するキャラクターと登場しないキャラクターがいることの理屈づけが面倒になるという欠点がある。思い切って選抜メンバーを他のヒーローが存在しないアース828に連れていってしまうというのも制作側にとっては魅力的な策だと言える。

なお、ケヴィン・ファイギは『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』でドクター・ドゥームに挑む五つの勢力がアベンジャーズ、サンダーボルツ(ニュー・アベンジャーズ)、X-MEN、ワカンダ王国、ファンタスティック・フォーであることを明かしている。その舞台は一体どこになるのか、続報に注目しよう。

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は公開中。

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』公式

本記事の筆者が翻訳を担当した、マーベル・スタジオの歴史をアート部門トップのライアン・メイナーディングのアートと共に振り返る『マーベル・スタジオ:ジ・アート・オブ・ライアン・メイナーディング』は好評発売中。

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Source
Marvel.com

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ラストの解説&考察はこちらから。

ファンタスティック・フォーは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』に登場する5大勢力の一つとされている。詳しくはこちらの記事で。

【ネタバレ注意】映画『サンダーボルツ*』ラストの解説&考察はこちらから。

『サンダーボルツ*』までのMCUフェーズ5の時系列についての解説はこちらから。

【ネタバレ注意】ジェームズ・ガン監督版『スー パーマン』ラストの解説&考察はこちらから。

 

【ネタバレ注意】『アイアンハート』第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】『デアデビル:ボーン・アゲイン』シーズン1最終回のネタバレ解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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