ネタバレ解説『クワイエット・プレイス:DAY1』クリーチャーは実は○○? 生態を考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『クワイエット・プレイス:DAY1』クリーチャーは実は○○? 生態を考察

©2024 PARAMOUNT PICTURES

マイケル・サルノスキ監督のインタビューからネタバレ考察

隕石と共に地球に飛来したクリーチャーによって、世界が静寂に包まれることになる様子を描いた「クワイエット・プレイス」シリーズ。その最新作にして、クリーチャーが飛来した最初の日のニューヨークを描く『クワイエット・プレイス:DAY1』が2024年6月28日(金)より全国劇場公開された。そこではこれまで明かされなかった最初の日の様子だけではなく、クリーチャーの生態についても深掘りされることとなる。

本記事では『クワイエット・プレイス:DAY1』で描かれるクリーチャーの生態についてマイケル・サルノスキ監督のインタビューをもとに解説と考察を述べていこう。なお、以下の内容は本作の設定に関する重大なネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『クワイエット・プレイス:DAY1』の内容に関するネタバレを含みます。

『クワイエット・プレイス:DAY1』のクリーチャーをネタバレ解説

実は肉食ではないクリーチャー?

『クワイエット・プレイス:DAY1』で明らかになった生態として、特に注目すべきものがクリーチャーの食性だろう。これまでクリーチャーは音を立てた人間を容赦なく襲うことから肉食であり、人間を食べているのだと思われていた。しかし、『クワイエット・プレイス:DAY1』ではそれを覆すような場面が描かれた。

エリックがサミラのために痛み止めの薬を探している際、サミラのもとから逃げ出した猫のフロドと遭遇する。フロドをエリックは追うが、フロドはキノコのようなものが生えている廃墟へと入っていく。エリックはフロドを捕まえてそこから逃げようとするが、その廃墟はクリーチャーたちの棲み処となっていた。

そのキノコのようなものはクリーチャーの卵かと思われたが、クリーチャーたちはキノコを割り、その場にいたクリーチャーすべてがそれを貪っていたのだ。そこで観客ははじめてクリーチャーたちの食糧が人間ではなく、キノコだと知ることになる。

ハキリアリと同じ生態のクリーチャー

メガホンを取ったマイケル・サルノスキ監督によれば、この場面は長年観客が抱いていた疑問に答える場面になるとのことだ。それはクリーチャーの食性であり、クリーチャーの食糧は人間ではなく、人間を苗床にしてキノコを栽培し、それを食べているのだった。この習性はハキリアリを思わせるもので、米Slash Filmのインタビューで詳しく語られている。

ピンク色のガラスのような液体が溜まっていて、よく見るとその中に死体があります。これまでの映画では、クリーチャーが人間をさらっていくのですが、そのクリーチャーが人間の死体で何をしているのかは語られません。ですから観客のほとんどは、「ああ、人間を食べているのだろう」と思っていたと思います。しかし、私はあのクリーチャーがハキリアリのような習性を持っていて、クリーチャーの食料源である有機物を栽培するために人間の死体を使っているというアイデアが好きなんです。

アボット一家と同じ農家という設定

一方でこの設定は『クワイエット・プレイス』と『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』を繋ぐものでもある。過去2作では、主人公は田舎町で農業を営むアボット一家だった。アボット一家はクリーチャーに支配された世界で、音を立てずに子供たちを育てることになる。

この農家という点に注目したい。実はクリーチャーたちもある意味ではキノコを育てる農家とも言えるのだ。そして廃墟の中にいるクリーチャーたちは、最初にキノコを割って食べ始めたクリーチャーとそれに追従するクリーチャーと家族構成のような絆がある。

実はクリーチャーたちもアボット一家と同じような家族構成の絆という生態を有していたのであった。これについてもマイケル・サルノスキ監督が詳しく語っている。それは敢えてアボット一家と同じような設定をクリーチャーに持たせることで、クリーチャーの設定を深掘りしたかったということだった。

ですから、結局のところ、クリーチャーも農業を営んでいるのであり、クリーチャーにもちょっとした家族の絆があることを示唆しています。

ジョン・クラシンスキー監督からマイケル・サルノスキ監督に渡されたバトン

これまで正体不明であり、隕石に乗ってきて地球に飛来したことだけが明らかになっていたクリーチャーだが、第1作『クワイエット・プレイス』と第2作『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』で監督を務めるだけではなくリー・アボットを演じたジョン・クラシンスキーからバトンを受け継いだマイケル・サルノスキ監督はその設定を深掘りしていった。それは、クリーチャーは泳げずに溺れ死ぬ設定に加えて、クリーチャーが肉食ではなくキノコを食べる食性を持っているという設定だった。

クリーチャーの設定が新たに明らかになった『クワイエット・プレイス:DAY1』。作中では猫のフロドがキノコを舐めていると思われる場面もあったが、クリーチャーと共に飛来したキノコは猫が食べても大丈夫なものだろうか。クリーチャーの生態は続編で詳しく語られていくのかもしれない。今後の「クワイエット・プレイス」シリーズの展開に注目だ。

『クワイエット・プレイス:DAY1』は2024年6月28日(金)より全国劇場公開。

『クワイエット・プレイス:DAY1』公式サイト

Source
Slash Film

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『クワイエット・プレイス:DAY1』のラストネタバレ解説&考察はこちらから。

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鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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