インタラクティブSF映画『The Complex』
観る側の選択肢によって結末が変わるインタラクティブSFスリラー映画『The Complex』が2020年3月31日(火)に発売された。手がけるのはウェールズのゲーム開発会社 Wales Interactiveで、PS4、Xbox One、Nintendo Switch、PCで購入できる。
現在公開されている予告編がこちらだ。
予告編には「誰を死なせ、誰を生かす?」と衝撃的なコピーが踊る。『コンプレックス』の舞台は生物兵器による攻撃を受けた後のロンドン。ある秘密を持つ研究室に閉じ込められたナノサイエンティストのエイミー・テナント博士を軸に、視聴者の選択次第で異なる展開を見せるストーリーが描かれる。
エンディングは8種類用意されており、視聴者の選択は“パーソナリティ・スコア”と呼ばれる数値に影響を与え、物語の最後にその結果が明らかになるという。視聴者は物語を通して自分の人間性を知ることになる。『コンプレックス』の脚本を手がけたのは、Huluドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(2017-) にも携わっているリン・ルネ・マクシー。
台頭するインタラクティブ・コンテンツ
近年、NetflixやAmazonプライムビデオなどの動画ストリーミング配信サービスが台頭したことによって、選択肢によって物語の展開が変わるインタラクティブ・コンテンツに注目が集まっている。SF最高賞の一つであるネビュラ賞は、小説4部門に加えて、2019年よりゲームライティング部門を新設。Netflixオリジナルのインタラクティブ・コンテンツである『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』が同部門を受賞している。
ゲーム『デトロイト ビカム ヒューマン』(2018)は、プレイヤーが選んだ選択肢によってストーリーが膨大に分岐するSFゲームとして人気を集めた。
また、『デス・ストランディング』(2019)の小島秀夫監督は、映画とゲームの境界線は埋まっていき、「受け手がクリエイターになれる」と、今後はコンテンツの双方向性が高まっていくことを示唆している。
また、インタラクティブ・コンテンツには、「もしも」を通して人々の選択や思考を問うSF作品が多くなっていることも注目すべき要素だろう。最新インタラクティブSFスリラー映画『コンプレックス』が、また新たな波を起こすのだろうか。
『The Complex』はPC、PS4(海外)、Xbox One(海外)、ニンテンドースイッチ(海外)を対象に配信中。