ドラマ『クロエマ』最終回第5話配信開始
海野つなみの人気漫画をAmazonのプライムビデオで実写化したドラマ『クロエマ』が2025年6月より配信開始。杉咲花がエマ、多部未華子がクロエを演じた本作は、3週にわたって全5話が配信されている。
2026年6月26日(金) には、最終回となる第5話が配信された。今回はドラマ『クロエマ』最終回の第5話について、ネタバレありで解説し、感想を記していこう。以下の内容はドラマの結末までのネタバレを含むため、必ずプライムビデオで本編を視聴してから読んでいただきたい。なお、以下の内容には性犯罪に関する内容を含むためご注意を。
以下の内容は、ドラマ『クロエマ』最終回第5話の内容に関するネタバレを含みます。
ドラマ『クロエマ』最終回第5話ネタバレ解説
帰ってきたアイツ
ドラマ『クロエマ』最終回第5話では、第4話で登場した田中奏大が再登場。第4話では電車に乗ったクロエの隣の席に座り、性犯罪者の再犯率についてクロエと話をしていた。田中に惹かれている様子のクロエだが、その田中がクロエの占い屋を訪れる。『クロエマ』で田中を演じるのは、『仮面ライダーW』(2009-2010) の左翔太郎役で、菅田将暉とW主演を務めた桐山漣だ。
田中は、マップアプリに書き込まれたモーリーの口コミを読んでやってきたと言う。第3話に登場したモーリーは、かつてネット上で嫌がらせに近い書き込みをしていたが、改心した今は、占いで人生が変わったと、ポジティブな書き込みを行なっている。
田中が占いを依頼したのは、「ずっと探しているものがあるが、見つかるか」という問いについて。占い結果では、田中にとって望ましい状態となっていること、人生がゲーム感覚であること、基本は純粋で、「実行」や「色気」というキーワードが出ていること、そして、未来には最も恐れているものがやって来ることが告げられる。
どこか主導権を握られているようなクロエは、最後に田中が話した、美術館で見たレンブラントの女性の絵の話が記憶に残る。一方で、エマは立ち去る田中を見送り首を傾げる(これはドラマオリジナルの演出)と、田中を「なんか怪しい」と疑う。田中奏大(たなか・かなた)という名前が回文になっており、しかも漢字が左右対称だと指摘するのだ。
魅力と魔力
そんなエマの直感に拘らず、クロエは田中のSNSアカウントを得意のリサーチで特定すると、最新の美術に関する投稿が、縦読みで「明日1時に駅の橋にいます」となっていることに気が付く。田中はクロエが自分のことが気になってこのアカウントに辿り着くと予測していたのだ。
なかなか怖いやり口ではあるが、クロエもこのように主導権を握られることに慣れていないが故に魅力を感じているのだろう。だがエマは、「魅力」と「魔力」はどう違うのだろうと、やはり懸念を抱いていた。そんな中、喫茶パリの常連である長州が「魅力にも魔力にも鬼が潜んでいる」と、両方の漢字の中にある「鬼」の存在を指摘し、エマの不安はさらに大きくなっていくのだった。
田中は、他人に好きになってもらうまでの過程が好きだが、「その先」が見つからないとクロエに話す。それに対し、クロエは「こう振る舞うべき」というものに従わなくていいのでは、と助言。クロエはかつて付き合っていた相手に、世間を模倣して「女子の取るべき振る舞い」を押し付け、自分の中のズレと向き合わなかったと吐露する。
自分は自分の求めるものを相手に与えて欲しいと思うが、自分は勝手に求められていると思うものを押し付けてしまう——そんなすれ違いがここでは描かれている。だからクロエは、田中に「その先」の答えはあなたの中にあるのでは、と告げるのだ。結婚したり添い遂げたりといった「その先」は、誰かが作った基準でしかないということである。
そんな中、パリでエマが倒れると、クロエが田中に自分の名前を教える前に、シモンからエマが倒れたと連絡が入る。田中からクロエへは連絡ができない状態のまま、二人は別れることになったのだった。
奥多摩の事件
クロエが家に帰ると、意外とケロッとしているエマ。エマはクロエが田中と会っていたのではないかと気にしている。クロエのことが心配なのだ。
エマは、魅力には意思がなく、魔力には人をどうにかしたいという思いがあると説明。自然と発しているものか、意図を持って相手を支配しようとしているかの違いということだ。ちなみにクロエが「水炊きが美味しい」と言うのはオリジナルシーンで、若干このシーンの空気が柔らかいものになっている。
後日、第1話から触れられていた奥多摩の女性連続殺人事件の犯人が捕まり、そのうちの一人が田中奏大を名乗っていた人物であったことが明らかになる。クロエが野宿しようとしていたエマを泊めることにした背景には、この事件があり、第2話では寧山新月が犯人像を細身の猫背で30代の好青年と予想していた。
その予想は的中しており、田中の本名は神尾仁人(かみお・にひと)、「神」と「人」の間に「おに(鬼)」が入る名前であった。なお、原作漫画ではこの事件は「強姦殺人事件」と表現されている。故に、このオチで田中が電車で性犯罪者の再犯率は低い、前歴者への中傷やデマが広がっていると主張していたことの危うさが浮かび上がるという構成にもなっている。
ドラマ『クロエマ』最終回第5話では、シモンのパフェの概念を覆すスパイシーカフェが振る舞われる。クロエによると、田中の逮捕のきっかけは、第4話で電車で喋っていた大学生カップルの女性が後に田中と付き合うことになり、他の女性の影を疑って調べたところ、事件に繋がったからだという。
つまり田中は、あの電車で話をしたカップルの女性の方とクロエ、双方にアプローチしていたのだ。大学生の方とはかなりのスピードで接近したようだが、クロエに時間がかかったのは、エマのブレーキが効いていたからかもしれない。
そしてクロエは、田中が最低なヤバいやつであることは前提として、その言葉に共感したり惹かれたりした自分自身にゾッとしたと明かす。シモンはクロエを擁護するのだが、同時にクロエがそのようにしていつまでも田中のことを考えてしまっており、いつまでも囚われてしまうのが魔力だと結論づけている。相手を支配しようとした田中の思う壺なのだ。
ドラマオリジナルの演出は
そして、ドラマオリジナルの演出として、第1話で描かれなかったクロエによるエマの最初の占いシーンが挿入される。原作漫画では第1話で描かれていたシーンで、試練の現状、未来に影響し続ける過去の因縁、自由でいたいと思っている本来の自分、といった占い結果が出ている。
ドラマ版でクロエがこの占いを思い出すのは、二人の出会いを懐かしく感じたからだろうか。その夜にクロエを母屋の家事から救ったことと、今回クロエを田中のもとから帰宅させたことに思いを馳せ、助けられたのは2回目だと認めている。
だが、話題は結局、予言を的中させた寧山新月の方がすごいという話に落ち着く。寧山といえば、前回エマの下の名前である「宵」という人物を探すよう指示を出していた。寧山の予知能力と、エマの力には関係があるのだろうか。
そして、クロエは役に立たなくてもいてくれるだけで心強いとエマを評価した上で、独り立ちの資金はまだ溜まっていないのでまだパリを辞めさせないと宣言する。友人関係ではなく、妙な利害関係で一緒にいるクロエとエマだが、二人にとってはそれで居心地がいいのかもしれない。パフェを食べながら、顔を見合わせて笑顔になる二人と、それを見守るシモンの姿を映し出して、ドラマ『クロエマ』最終回第5話は幕を閉じている。
ドラマ『クロエマ』最終回第5話ネタバレ感想&考察
シーズン2はある?
ドラマ『クロエマ』最終回第5話は、ちょうど原作漫画の第2巻のラストまでを描いて幕を閉じた。漫画第2巻の巻末では、原作者の海野つなみがこのエピソードを「前半の区切りのエピソード」と表現している。ドラマでもここから折り返しに入るというところまで描かれたということになる。
ドラマ『クロエマ』は、最終回の第5話配信開始時点でシーズン2に関する発表や報道はない。シーズン1最終回の終わり方も、色々ありながらも二人が幸せに暮らしていくことを示唆する内容になっているとも言える。
一方で、ドラマ第4話では寧山新月とエマに何らかの関係があることが示唆されている。最終回では、クロエとエマが出会った直後の占いの内容が描かれたが、「未来に影響し続ける過去の因縁」について触れられた。もちろん漫画ではその先のストーリーが描かれているが、ドラマの方もシーズン2が制作されるなら、漫画の最終回まで描かれることになるだろう。
占いをベースにしたファンタジー色もある作品でありながら、身近な心のモヤモヤを扱う『クロエマ』。キャストの好演と演出の妙も相まって実写化は成功したと言える。願わくばもう少しクロエとエマとシモンのやり取りを観ていたい。シーズン2への更新を期待して待とう。
ドラマ『クロエマ』はAmazonのプライムビデオで世界独占配信中。
海野つなみによる原作漫画『クロエマ』は講談社より最新刊の第4巻まで発売中。ドラマ第5話の続きは第3巻から描かれる。
8月12日発売の漫画最終巻となる第5巻は予約受付中。
第3話&第4話の解説&感想はこちらから。
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