第10話ネタバレ感想&解説『ガンダム ジークアクス』イオマグヌッソ起動【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】 | VG+ (バゴプラ)

第10話ネタバレ感想&解説『ガンダム ジークアクス』イオマグヌッソ起動【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】

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『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』放送中

「ガンダム」シリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が2025年4月9日よりテレビ放送およびオンライン配信を開始した。シリーズ構成・榎戸洋司、監督・鶴巻和哉を中心に製作された本作は、1月に公開された劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が興行収入30億円超のヒットを記録したことでも話題を呼んだ。

今回は、早くも話題を呼ぶアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(以下、「ガンダム・ジークアクス」)の第10話について、ネタバレありで解説し、感想を記していこう。以下の内容はネタバレを含むため、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の内容に関するネタバレを含みます。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム・ジークアクス)』第10話ネタバレ解説

キシリアとギレンの会談

キシリアとギレンは父デギン・ソド・ザビの葬儀以来5年振りに顔を合わせる。キシリアの言によれば、「ガンダム・ジークアクス」においても原典である『機動戦士ガンダム』同様、デギンはギレンの手により暗殺されたようだ。

量産されたビグザムを複数配備した上で会談に臨んだギレンはキシリアからその臆病を見抜かれていたが、そもそもこの会談の目的は何だったのだろうか。

戦争で荒廃した地球を再生させるという名目で建造された巨大兵器「イオマグヌッソ」の所有権を巡って何らかの交渉が行われる予定だったのだろうか。

ギレンはこれまで名前しか出ておらず、第10話にして初めて画面に姿を見せたかと思えばあっさりキシリアに暗殺されてしまったので、キシリアとギレンが何を巡って対立していたのかが不明瞭だとの感想だ。

シャリア・ブルの過去

ニュータイプが平和に暮らせる世界の為にキシリアとギレンの同時討ちを目論むシャリア・ブルは、その為の戦力としてマチュにジークアクスを与え訓練を施す。

シャリア・ブルはかつて木星にヘリウム3という資源を採掘しに行った際、木星の宇宙線の影響により船が故障し地球への帰還が不可能となった経験について語る。

そこで当初抱いていた宇宙移民の独立の為の崇高な使命という責任感やあらゆる社会的な役割から解放されて真の自由を味わったとシャリア・ブルは語るが、そうだとすれば何故今「ニュータイプが人殺しに利用されない世界」の為に戦おうとするのだろうか。

シャリア・ブルの目的

プロローグにおいてはシャリア・ブルは「シャアに魅了された男」という風に描かれていた。だが、「ガンダム・ジークアクス」の本編が始まると、シャアの手掛かりである「赤いガンダム」を発見してさえその捕獲に積極的に動く様子は見られなかった

それどころか特にシャアの行方を積極的に探したり思い入れを語るような場面もなかったので、シャリア・ブルが何がしたいのかが不明なままここまで来てしまった。

そして、ようやく今回その内心が語られた訳だが、木星で「自由」を得ると同時に「空っぽ」になった言わば世捨て人であるシャリア・ブルが、それを自覚しながら「ニュータイプの為」に戦うというその使命感がどこから芽生えたのかはやはり不明だ。

そのきっかけはやはりシャアとの出会いなのではないのだろうか。そうであるならばシャアの行方をより積極的に探すなり何らかの能動的なアプローチを見せて欲しかったというのが正直な感想だ。

いずれにせよ、今のシャリア・ブルは自らの属する「ジオン」という枠組みを超えてより広い「ニュータイプ」の為に戦う覚悟を決めているようだ。

飽くまでもキシリアの為に戦うつもりらしいエグザベとの直接対決は避けられぬ様相だが、エグザベはキシリアの何に共鳴したのだろうか。そして、かつての上官と部下の対決の結末や如何に。

イオマグヌッソ起動

ニャアンはキシリアの命を受け、ジフレドでイオマグヌッソへと進入し、システムと接続することでイオマグヌッソの一撃を放つ。

だが、イオマグヌッソはこれまでのガンダムシリーズに登場した「コロニーレーザー」のように単純に絶大な威力を持つビーム砲ということではないようだ。

その中枢には地球で回収した「シャロンの薔薇」が組み込まれている。シャロンの薔薇とは、「ガンダム・ジークアクス」世界において「向こう側」と表現される世界、恐らくは『機動戦士ガンダム』劇中世界とを結び付ける異世界転移装置のようなものらしい。

放たれたイオマグヌッソの一撃の後には、ジオン軍の宇宙要塞である「ア・バオア・クー」が浮かび上がった。これは『機動戦士ガンダム』世界から召喚されたものなのだろうか?

イオマグヌッソが単純な「破壊」をもたらす兵器でないのだとしたら、果たしてその性能は如何なるもので、キシリアはそれを用いて何をしようとしているのだろうか。

イオマグヌッソ使用の目的

ギレンを倒した後のキシリアの目的が不明かつゼクノヴァやイオマグヌッソの能力や機能も明かされていないので、キシリアが何故イオマグヌッソをニャアンに撃たせようとしたのかもマチュが何故それを止めようとしたのかも分からない。

ゼクノヴァがどういうものなのかが解析されているのだとしたら、そしてそれを前提にイオマグヌッソが建造されたのだとしたら、シャリア・ブルはシャロンの薔薇を見付けた時点でそれを自ら管理していれば良かったのではないだろうか。

キシリアを倒すつもりがあり、イオマグヌッソを起動させまいとしていてなおイオマグヌッソに不可欠なシャロンの薔薇をみすみすキシリアに献上しているのが腑に落ちないという感想だ。

シャロンの薔薇をキシリアに渡さなければイオマグヌッソはそもそも起動しなかったのであり、そこでキシリアを出し抜く程度の政治力すら発揮できないのであれば、どの道シャリア・ブルにキシリアを倒すことなど不可能だろう。

余談だが、そもそも地球連邦軍は何をしていたのだろうか。恒久的な和平条約を締結した訳でもなく事実上休戦中である敵国が復興支援と称して自らの頭上に謎の巨大兵器を建造することを許すのは余りにも不条理に思える。

どう考えても、サイコ・ガンダムを造れるならばそれはキシリア暗殺にではなくイオマグヌッソの破壊に使われるべきだったのではないだろうか……

マチュとニャアンの再会

イオマグヌッソの一撃の後、内部に進入したマチュはニャアンの乗るジフレドを発見する。だが、この時点ではニャアンはともかくジフレド自体を初めて目にしたマチュは相手がニャアンだとは気付いていない。

次回予告を見る限り、やはりジークアクスとジフレドは戦うようだが、ジークアクスの最終決戦の相手即ち「ラスボス」がジフレドになるのだろうか。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム・ジークアクス)』第10話ネタバレ感想

戦いの目的とは

それでは、改めてこれまでの「ガンダム・ジークアクス」の展開を振り返りつつ感想を述べていきたい。これまでと同様の感想になってしまうが、やはり登場人物それぞれが「何の為に戦うのか」という目的がよく分からない。

ニャアンは自分を見出してくれたキシリアに報いる為に戦うということらしいが、その一方でイオマグヌッソの一撃を放つ際には「向こう側へ行ったシュウちゃんに会う為」と、シュウジとの再会の為にイオマグヌッソを撃ったようだった。

だが、ニャアンはイオマグヌッソを撃てばどうなるのか、ゼクノヴァとは何なのか、シュウジはどこに行ったのかということについてどの程度の情報を得ていたのだろうか

それらについて正確な知識があれば、即ち「イオマグヌッソを撃てばシュウジに会える」とニャアンが考える根拠がこれまでの劇中描写からは感じられなかったので、ニャアンの行動はかなり唐突だとの感想を抱いた。

そもそもを言えばニャアンが何故シュウジにそれ程執心しているのかも腑に落ちない。たまたま運び屋という仕事をする中で知り合ったというだけで、特に赤いガンダムの活躍に魅せられたとか赤いガンダムに命を救われたというような具体的なエピソードは描かれていなかった

それはマチュにしても同様で、マチュが何故シュウジに惹かれるのかも分からなければ、ニャアンをどう思っているのかも分からない。設定としては「裕福であるが日常に倦む少女」であるマチュと「難民」として非合法な手段で生計を立てざるを得ないニャアンは対照的だ。

だが、そんな二人が「立場の違い」を越えて何か共通の目的を達成しようとしたり、その中で反発したり和解したりといった人間関係構築のドラマは描かれてこなかった。

マチュとニャアンは、これまでのところ単に「たまたま隣り合わせただけ」という薄い関わりでしかないので、ジークアクスとジフレドが戦うにせよ特に因縁の対決という風に盛り上がる気持ちになれないというのが正直な感想だ。

ニャアンが気付けばシュウジを「シュウちゃん」と呼んでいたり、マチュがコモリに対して「コモリン」と気安く呼び掛ける描写にしても、それは当然「親しみ」の表現であることは分かるが、肝心の「親しくなるまでのドラマ(きっかけ)」が描かれていないが故にそれをどう受け取っていいのか分からないという感想だ。

「ガンダム・ジークアクス」という作品は、全体を通して始点としてのきっかけや終点としての目的が明示されぬまま断片的な過程のみが描かれているが故に「これは何の話なのか」というメインストーリーが上手く伝わっていない印象だ。

それでもマチュはイオマグヌッソの破壊力を目の当たりにして「怒り」を感じたらしいので、その怒りがどこへ向かうのか、真に倒すべき敵は誰でどのように戦うのかというドラマを最終回に向けて期待したい。

アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は毎週火曜24時29分から日テレ系30局ネットで放送中。

アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』公式サイト

BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ) 機動戦士Gundam GQuuuuuuX HG GQuuuuuuX(読み:ジークアクス) 1/144スケール 色分け済みプラモデルは発売中。

赤いガンダムのAMASHII NATIONS METAL ROBOT魂 塗装済み可動フィギュアは6月30日発売で予約受付中。

第9話の感想&解説はこちらから。

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第3話の感想&解説はこちらから。

第2話の感想&解説はこちらから。

第1話の感想&解説はこちらから。

映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』のネタバレ感想&解説はこちらから。

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腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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