第6話ネタバレ感想&解説『ガンダム ジークアクス』揺れるマチュとニャアン【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】 | VG+ (バゴプラ)

第6話ネタバレ感想&解説『ガンダム ジークアクス』揺れるマチュとニャアン【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】

© 創通・サンライズ

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』放送中

「ガンダム」シリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が2025年4月9日よりテレビ放送およびオンライン配信を開始した。シリーズ構成・榎戸洋司、監督・鶴巻和哉を中心に製作された本作は、1月に公開された劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が興行収入30億円超のヒットを記録したことでも話題を呼んだ。

今回は、早くも話題を呼ぶアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(以下、「ガンダム・ジークアクス」)の第6話について、ネタバレありで解説し、感想を記していこう。以下の内容はネタバレを含むため、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の内容に関するネタバレを含みます。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム・ジークアクス)』第6話ネタバレ解説

エグザベの目的

コモリによれば、シャリア・ブルは元はギレン派でサイド6もギレン寄りらしい。エグザベに情報を流す謎の男曰く、シャリア・ブルはキシリアに仇なすためにギレンに送り込まれた可能性もあるとのこと。そして、エグザベこそシャリア・ブルの監視の任務を与えられていたと明かされる。

だが、それにしてはエグザベはお人好し過ぎる印象だ。赤いガンダムとの戦闘において見せたパイロットとしてのMS操縦技術は本物なのだろうが、人を騙すような真似ができるとは思えない。何故わざわざエグザベが監視役に選ばれたのだろうか。あるいは、監視役とは名ばかりの体のいい捨て駒なのだろうか……。

エグザベ自身は今のところ命令に沿って動いているだけで、主体性らしい主体性を発揮してはいないように見受けられる。強いて言うなら奪われたジークアクスの奪還には熱意を見せているようだが、それも軍法会議で自分が裁かれないようにという外的な要因に突き動かされているだろうし、本人の欲望が描かれているとは思えない。

果たして、エグザベは何故パイロットになったのだろうか。ザビ家の政争についてはどう思っているのだろうか。高給目当てに軍に入っただけならば、実際の戦争など真っ平だと思っているのだろうか。シャリア・ブルに対しては今のところ反感も尊敬も強く抱いている様子は窺えないが、今後どのような関係を築くのかに注目したい。

シャリア・ブルとアンキーの邂逅

シャリア・ブルはジークアクス回収の為に「ポメラニアンズ」と連絡を取った。アンキーは一人でシャリア・ブルとの面会に臨むが、ここで語られたことによるとアンキーはかつてジオン国籍だったらしい。

それが今は「ジオンもサイド6も信じない」と言い放つ世捨て人となっているようだ。どことなく『機動戦士ガンダム 0083』に登場したシーマ・ガラハウを彷彿とさせる雰囲気だ。果たして、アンキーの過去に何があったのだろうか。

腹の底の見えない二人が遂に出会った訳だが、舞台がいよいよ「戦争」へと移るとなると「クランバトル」だけでマチュと繋がっていた「ポメラニアンズ」も解散だろうか。バトルで共闘するというようなエピソードもなく、ポメラニアンズは単にマチュに舞台を提供し、マチュを戦力として利用しただけであり特に関係性が深まる描写がなかったのが惜しい。

ニャアンの夢、マチュの望み

マチュとニャアンは対照的だ。ニャアンはどちらかと言えば引っ込み思案で人と積極的に交わるタイプではないが、部屋に大学の赤本が置いてあったことからも恐らく自分の中に確固たる夢や目標がありその為に努力を惜しまないタイプなのだろう。

一方で、マチュは一見自ら積極的に行動していくが、しかしそれはその場の衝動に任せたものであり「その先」に何か目的を見据えてのものではない。教育熱心な母親と画面に一度も映らない父親という、2025年の視点ではいささか古臭く感じられる家族関係に抑圧を感じていることは確かだが、だからと言ってそこから抜け出す為の努力を何かしている様子はない。

そこまで日常に鬱屈していて、そこで偶然とは言えジークアクスという巨大な力を手に入れたのなら、それを使って何かしようとは思わないのだろうか。どうしても地球に行きたいのであれば、クランバトルで地道に賞金を稼ぐよりも自らジークアクスに乗って直接地球を目指せばいいし、大気圏に突入できないと言うならそれこそジークアクスを使って手頃な船を奪うなりすればいいのではないだろうか。

押し付けられるものを拒む一方で、与えられたものの使い方すら分からない。若さとはそういうものなのかも知れないが、それでは何故自分の代わりにジークアクスに乗り勝利を収めたニャアンに対して「そこは私の場所だろ!」とまで言い放ったのだろうか。

これまで「ガンダム・ジークアクス」を観てきた感想としては、マチュからは特にジークアクスに対する如何なる思い入れも感じ取れなかった。たまたま乗れる状況にあったから乗り、たまたま戦闘に勝てたので誘われるがままクランバトルに出場しただけで、そこには「乗りたい」という意志も「勝てて嬉しい」という喜びも特にないように見受けられる。

ジークアクスとは何か

そもそもジークアクスは何の目的で作られ、ソドンへの配備が叶ったのだろうか。「赤いガンダムを探す」ということが当初の目的であり、それには「赤いガンダムに匹敵する性能を持つMSが必要」だということなら、新人のエグザベではなくベテランNTパイロットを乗せて初手で赤いガンダムを鹵獲しておくべきだったのではないだろうか。

エグザベがサイド6の軍警に逮捕され、その釈放のためにソドンによる強制入港と政治交渉が描かれたリアリティに較べて、秘密兵器が簡単に戦場に持ち込まれ、それどころか民間人に奪われてさえ大した捜索活動も行われなければパイロットであるエグザベも裁かれず自由の身であることには違和感を抱いたという感想だ。

ジオン軍の秘密兵器であるジークアクスは、紆余曲折を経てマチュという一人の女子高生の手に渡ることとなったが、これは当然ジークアクスの開発者やザビ家が意図したものではないだろう。それを野放しにしていたのはシャリア・ブルだが、シャリア・ブルには何故そこまで強大な権力があるのだろうか。

ティターンズ結成?

サイド6に浮かぶソドンを双眼鏡で眺める金髪の少年は、何と『機動戦士Zガンダム』に登場したゲーツ・キャパだ。ゲーツは「Zガンダム」と同様、地球連邦軍のバスク・オムの命令を受けて動いている。バスクはキシリアを暗殺するつもりらしい。

その為に、「アマラカマラ商会」という偽装会社の名でサイド6内に大気修復の為の「空調機」を持ち込む。その正体こそは「Zガンダム」における悲劇のヒロイン、フォウ・ムラサメの乗機として有名な「サイコ・ガンダム」だ。だが、どうやらパイロットはフォウではなく、ドゥーという名の少女であるらしい。

ゲーツの台詞から、ドゥーもまたフォウと同様に「ムラサメ研」出身らしい。ということは、フランス語で「2」を意味するドゥーもまた「ドゥー・ムラサメ」であり、他に〈姉妹〉としてアン・ムラサメ、トロワ・ムラサメ、そして「フォウ」ではなく「カトル・ムラサメ」が存在するのだろうか。

ところで、気になるのはバスクやゲーツ、ドゥーの所属組織だ。「Zガンダム」世界では彼らは地球連邦軍内における、主にジオン軍の残党狩りを任務とする特殊部隊「ティターンズ」に所属していた。だが、「ガンダム・ジークアクス」世界においてはジオン軍が地球連邦軍に勝利しているので、ティターンズが結成されているかは不明だ。

そもそもその勝利というのもジオン軍が地球の支配権を得るような完全勝利ではなく、休戦協定ということだったので地球連邦軍の軍備や資源もそこまで摩耗している訳ではないのだろう。とは言え、ガンダムを奪われた上にサイコミュ技術はほぼジオンが独占しているという状況でたった数年で「サイコ・ガンダム」を作り上げられる程であるなら、表向きの降伏すら必要なかったように思えるが……。

キシリアの秘密会合参加

ジオニックやアナハイムといったMS製造企業に匹敵する造船企業連合「ワンナヴァル」。その前主席議長、現サイド6大統領ペルガミノとの非公式会合参加のため、キシリアがサイド6を訪れる。その護衛も兼ね、公式にサイコミュを搭載した「誰もが知る禁止条約兵器」であり、シャリア・ブルの愛機であるMAキケロガが緩衝空域に持ち込まれた。

キシリアはサイド6を自陣営に引き入れ、来るべき兄ギレンとの戦いに備えるつもりだろうか。だが、そこに地球連邦軍の横槍が入る。バスクは何故最初にキシリアを狙うのだろうか。キシリアとギレンの政争が予見できるのであれば、内輪揉めで消耗させて勝った方を叩く方が安上がりではないのか。

ともあれ、地球連邦軍としてはやはりまだジオンを叩くつもりであるらしい。シャア不在かつサイコ・ガンダムを持つ連邦軍に果たして今のジオンはどれ程対抗できるのだろう。そして、その戦いにマチュはどのように関わっていくのだろうか。

予告映像ではコロニー内でビームを放つサイコ・ガンダムの大暴れっぷりが垣間見えた。さすがにろくな武器も持たないジークアクス一機では太刀打ちできそうにないが、遂にシャリア・ブルがキケロガに搭乗し巨大MA同士の対決が見られるのだろうと期待したい。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム・ジークアクス)』第6話ネタバレ感想

「出会い」はどこへ向かうのか

これまでの「ガンダム・ジークアクス」の感想としては、「出会い」の唐突さが最も気になる。マチュは突然スマホに「Let’s beginning」という謎のメッセージを受信し、脳裏に閃いた「キラキラ」のイメージに導かれるようにシュウジに出会ったが、そこで初対面の戸惑いなどが描かれることはなかった。

同様に、第6話でシャリア・ブルとアンキーは初対面を果たすが、最初にシャリア・ブルが「ポメラニアンズ」に接触するシーンを描いて欲しかったとの感想だ。そうでなければ、シャリア・ブルは最初から何もかも知っていて誰に会うも会わないも自由にできる神の如きキャラクターに見えてしまう。

勿論、ジオンの設備やシャリア・ブルの能力を以てすればポメラニアンズの所在など簡単に掴めるのだろうが、そうであるならば何故ジークアクスをクランバトルに参加させたままにしておいたのだろうか。

表向き、「実戦データ収集の為」とシャリア・ブルは語っていたが、そんなのはジークアクスを回収してからエグザベや他のNTパイロットで試せばいいだろうし、そもそもクランバトルでジークアクスが破壊されてしまったら元も子もない。自分たちの管理できない状況で戦闘に参加させるのはあまりにもリスクが高過ぎるのではないか。

「ガンダム・ジークアクス」では様々なキャラクター同士の「出会い」が描かれてきた。だが、その出会いが次に何をもたらすのか、その出会いによってキャラクターはどこへ向かうのかというところはいまいち描かれてきていないというのが正直な感想だ。

遂に言い訳の余地のない大量破壊兵器である「サイコ・ガンダム」まで出てきてしまった。この「出会い」はマチュにどんな言い訳も許さないだろう。果たしてマチュは何を守る為に誰と戦うのか。ここから物語が大きく動き出すことを期待したい。

アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は毎週火曜24時29分から日テレ系30局ネットで放送中。

アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』公式サイト

BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ) 機動戦士Gundam GQuuuuuuX HG GQuuuuuuX(読み:ジークアクス) 1/144スケール 色分け済みプラモデルは発売中。

赤いガンダムのAMASHII NATIONS METAL ROBOT魂 塗装済み可動フィギュアは6月30日発売で予約受付中。

第7話の感想&解説はこちらから。

第5話の感想&解説はこちらから。

第4話の感想&解説はこちらから。

第3話の感想&解説はこちらから。

第2話の感想&解説はこちらから。

第1話の感想&解説はこちらから。

映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』のネタバレ感想&解説はこちらから。

【ネタバレ注意】『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』の感想&解説はこちらから。

【ネタバレ注意】『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2期最終回の解説&感想はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
お問い合わせ

関連記事

  1. ネタバレ解説『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』登場キャラとモデルになった音楽家たち 声優も紹介

  2. Netflix新作アニメ『GAMERA -Rebirth-(ガメラ リバース)』キャスト&スタッフ情報公開!

  3. 『ダンジョン飯』2024年1月4日(木)より放送開始! 緑黄色社会「Party!!」がEDに決定!

  4. ネタバレ解説&考察『魔女の宅急便』ラストの意味は? ニシンのパイとジジ、「飛ぶこと」に込められたメッセージとは