『ロキ』ワニロキのモデルは？
2021年6月から7月にかけて全6話が配信されたMCUドラマ『ロキ』では、様々な新キャラクターが登場し、MCUファンを楽しませてくれた。中でも、第5話に登場した変異体のロキ達はそれぞれが人気キャラクターになり、今後のMCU作品への登場やスピンオフ製作にも期待が募る。
そんな中、7月21日(水) より配信を開始した『マーベル・スタジオ アッセンブル』の「ロキの裏側」で、ワニロキに関するエピソードが明らかになった。グッズも制作されるなど人気が沸騰したワニロキことアリゲーター・ロキは、リアルでありながらも愛らしい姿を見せてファンを虜にした。クラシック・ロキを演じたリチャード・E・グラントもワニロキの虜になった一人で、ワニロキとのスピンオフ製作を待望している。
“セラピーワニ”がモデルに
今回、「ロキの裏側」で明らかになったのはワニロキのモデルとなったワニだ。同番組の中で、監督のケイト・ヘロンは「視覚効果班に出した指示は“目の綺麗なハンサムなワニ”だった」と振り返る。だがそもそも現実に存在しないサイドキック的な存在のワニを作り上げるのは困難な作業だったようで、『ロキ』のVFXを担当したルーク・マクドナルドは、以下のように語っている。
ワニロキはとても個性的なキャラクターです。例えば抱き上げられたときのように、本物のワニではできないような動きをするんです。ワニが持ち上げられると背骨が曲がってしまうため、とても奇妙に見えるんです。そこで、共に制作をしていたILM（VFX制作会社）が最高の見本になるワニを見つけてきてくれました。
それは、ウォリーと呼ばれるワニで、彼は“サポート・ワニ”なんです。彼は本当に素晴らしいんですよ。それで（ウォリーの動きを）参考にしてワニロキを作り出しました。ウォリーの動きがベースになっているんです。
このドキュメンタリーを観られた方も、「人を心的サポートするワニ」という字幕の説明には引っ掛かったのではないだろうか。これは、うつ病やPTSD、あるいは外傷を抱える患者へのセラピーに動物を活用し、心理的に支えるアニマルセラピーを指している。ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』(2020) でもセラピー猫が登場するなど、数年前から注目を集めている。
このアニマルセラピー中でも、2019年ごろから米国で話題になっているのが“セラピーワニ”のウォリーだ。米ペンシルベニア州ヨークで活動するウォリーはハーネスを着けて犬のように散歩をし、人懐っこく、人間を攻撃しない。デイケアセンターに出張するウォリーは、子どもからお年寄りにまで可愛がられている。
そして、以下の米Inside Editionで公開された動画を見ていただくと分かる通り、ウォリーが人間に大人しく抱きかかえられるシーンは、まさに『ロキ』中のワニロキそのもの。キッド・ロキがワニロキを抱える場面は、ウォリーの映像が題材になっているということがよく分かる。
ワニのロキが存在するという突飛なアイデアに、“人と共に歩み、抱えられるワニ”というサンプルを提供したウォリー。ウォリーがいなければワニロキの存在もなかったかもしれない。ウォリーの功績に拍手を送ろう。
なお、『ロキ』のケイト・ヘロン監督は、当初のワニロキはリアルな見た目ではなかったという制作秘話を明らかにしている。詳しくはこちらの記事で。
マーベル・スタジオ アッセンブル』はDisney+で独占配信中。
ドラマ『ロキ』シーズン1は全6話がDisney+で独占配信中。
メイキングドキュメンタリーで明らかになった『ロキ』のベースになったSF作品についてはこちらにまとめている。
ミス・ミニッツの声優が語る最終回の秘話はこちらから。
クラシック・ロキ役のリチャード・E・グラントが語ったトムヒの撮影裏話はこちらから。
『ロキ』最終話のネタバレ解説はこちらから。
