『S-Fマガジン』2020年12月号は「中国SF特集」 2021年の中国SFラインナップも明らかに | VG+ (バゴプラ)

『S-Fマガジン』2020年12月号は「中国SF特集」 2021年の中国SFラインナップも明らかに

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SFマガジン「中国SF特集」号が発売

早川書房より隔月で発売されている『S-Fマガジン』の2020年12月号が、2020年10月24日(土)に発売された。今号は「中国SF特集 科幻世界×SFマガジン」と銘打ち、中国の人気SF作家の短編や中国SFの最新ブックガイドなどを収録。中国SFの“今”が分かる特集となっている。

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特集短編として掲載された小説は、王晋康の「生存実験」(大久保洋子 訳)査杉の「地下室の富豪」(及川茜 訳)宝樹の「我らの科幻世界」(阿井幸作 訳)の三作品。加えて読み切り作品として劉慈欣の短編小説「人生」が収録されている。宝樹の「我らの科幻世界」は、『S-Fマガジン』2020年12月号発売日に発表された中国のSF賞・銀河賞で最佳中篇小説賞を受賞した (なお、銀河賞賞では日本から上田早夕里が『夢みる葦笛』で最受欢迎的外国科幻作家賞を受賞している)。

また、巻頭では早川書房の2021年以降の中国SFラインナップが掲載されており、劉慈欣、郝景芳、宝樹の短編集、劉慈欣と郝景芳の長編などが発売されることが明らかになっている。2021年1月には郝景芳の短編集『人之彼岸』(立原透耶、浅田雅美 訳) が発売される予定で、同年初夏には遂に劉慈欣の「三体」シリーズの完結編『三体Ⅲ 死神永生(上・下)』(大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功 訳) が発売される予定となっている。

小説以外も充実の特集になっている。中国が誇るSF誌『科幻世界』を出版する科幻世界雑誌社の副主編・姚海軍による特別寄稿「〈SFマガジン〉中国SF特集号にあたって」(泊功 訳) では、科幻世界編集部のチョイスで選ばれた三人の短編収録作家の解説と、日本SFと中国SFのつながりについて、読者と作家をつなぐ編集者の目線から語られている。

大恵和実、菊池篤、下村思游による「中国SFブックガイド」では、日本で読める中国SFの書籍を広く紹介。また、「三田文学」や「中国現代文学」といった中国SFが掲載された日本の雑誌も紹介されている。

2020年7月にZoomで配信されたイベント「『特集座談会『三体2 黒暗森林』刊行記念 大森 望×陸 秋槎『集え日本の面壁者たちよ!』」も採録。

そして、『時のきざはし』を編んだ立原透耶による特集解説「〈科幻世界〉と中国SF」では、中国SFと『科幻世界』(旧『科学文芸』) が歩んできた道のりと現在の中国SFと市場の状況が詳細に語られ、今号に収録された三作品の解説も掲載されている。

その他にも、第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞した十三不塔 (受賞作『ヴィンダウス・エンジン』)と竹田人造 (受賞作『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』)の受賞コメントを掲載。最終選考委員による選評も掲載されている。

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中国SFの“これまで”と“今”がたっぷり詰まった『S-Fマガジン』2020年12月号は、2020年10月24日(土)に発売。

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VG+編集部

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