『ミッキー17』にはジブリ作品の影響も
『パラサイト 半地下の家庭』(2019) でアカデミー賞®️作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞したポン・ジュノ監督の最新作『ミッキー17』が2025年3月28日(金)より日本の劇場で公開される。韓国では公開からわずか4日間で観客動員数が100万人を突破、3月7日(金)からは全米でも公開され、オープニング1位を記録している。
ロバート・パティンソンが主演を務める『ミッキー17』では、主人公のミッキーが“何度でも生まれ変われる”という宇宙での仕事に就くが、それは命じられた業務で死んでは生き返る過酷な仕事だった。宇宙で搾取される日々を送るミッキーはある日、自らのコピーと出会い、権力者への反撃に出る。
今回、『ミッキー17』より新たな本編映像が解禁。落下事故に遭ったミッキーが謎の生物“クリーパー”に引きずられ、絶体絶命に陥る衝撃の本編映像となっている。
今回初解禁された本編映像では、ロバート・パティンソンが演じるミッキーが、“謎のモンスター”=“クリーパー”に引きずられている。「ここはどこだ? 何が起きた? なぜ俺を食べない? 気絶してたのに……」と戸惑うミッキーは、自分を引きずる大きなクリーパーの背中を見つめる。「そうか、子どもに食べさせる気だな。優しいママだ」とクリーパーの心中を読もうとするミッキーに小さなクリーパー近寄ってくる。顔中をなめられ、手袋をくわえら、観念したかのように目をつむると「早いとこ終わらせてくれ、ほらガブリとかじれよ」と覚悟を決める。
だが、クリーパーは一向に食らいつくそぶりを見せずにどんどん進んで行く。「どこに連れて行くんだ?」と困惑するミッキーを、大クリーパーが尻尾を巧みに使って引き上げると、中小のクリーパーが総かがりで雪原に押し出す。ミッキーは「リプリントされた肉はまずいか? おい、俺はおいしいぞ、新鮮な肉だ、味は保証する」と叫ぶ。すると、大中小と3種類の大きさの異なるクリーパーがそろってミッキーを見つめ……。
そして、本日3月17日(月)は公開まで残すところあとわずかの、「ミッキー”17”の日」ということで、“謎のモンスター”が登場する本編映像の初解禁に合わせて、ポン・ジュノ監督が日本だけの取材に応じた特別コメントが到着した。
『ミッキー17』の劇中で“クリーパー”と呼ばれる謎のモンスターは、その見た目から『風の谷のナウシカ』(1984)に登場する“王蟲(オ-ム)”を彷彿させる。宮崎駿監督からの影響をポン・ジュノ監督に直撃すると、「『Okja/オクジャ』(2017)のときも、主人公のミジャがオクジャのお腹の上で昼寝をするシーンがありましたが、あれはまさに『となりのトトロ』(1988)からインスピレーションを受けたシーンでした」と前置きし、「クリーパーはもう少し複雑で、様々なインスピレーションが混在しています。デザインそのものは、クロワッサンから着想を得たもので、パンが出発点です。動きに関しては、様々なアイディアが組み合わさっています」と続ける。
「クリーパーは三種類ですが、ジュニアクリーパー、ベイビークリーパー、そして女王蜂のように一匹だけのママクリーパーがいます」と、大中小3種類存在すると説明する。「ジュニアクリーパーがボールのように丸まっていく動きが登場します。それはアルマジロを参考にしています。出来上がったものを見て、ダンゴムシのようだと言う方もいましたが……」と微笑むと、宮崎駿監督作の「『風の谷のナウシカ』で王蟲が群れになって突進するシーンも、インスピレーションの源だったと言えます」と告白。
さらに、「クリーパーが群れになって絡み合う姿は、アラスカのトナカイの動きのパターンがモチーフとなっています。動物ドキュメンタリーを見ると出てきます。サークルの中心部分に子供のトナカイを置いて、群れが時計の反対周りにらせん状を描いていく荘厳でスペクタクルな映像があります」と、クリーパーが宮崎駿監督作品のみならず、食べ物から、動物まで、ありとあらゆるものからインスピレーションを受けて完成したキャラクターだと語った。
そして「宮崎駿監督はいつも生態系や自然、環境に対するテーマを描かれていますが、私も大きな関心を持っているテーマですので、動物やクリーチャーを表現する際には、宮崎駿監督の作品は尽きないインスピレーションの源になっていると思います」と、宮崎監督の表現には常に影響を受け続けていると語っている。
更にロンドンで行われたワールドプレミアで主演のロバート・パティンンがアニメを参考にしてミッキーの役作りを進めたと語ったことについて、「ロバート・パティンソンはアニメをたくさん見ているようで、マニアックな性格ですね」と笑いながら、クリーパーのアクションについて教えてくれた。
先ほど3つのクリーパーについてお話しましたが、その中でアクションを担当しているのは、ダイナミックに飛び跳ねながらアルマジロのように群れになって動くジュニアクリーパーです。すべてのクリーパーが、ウルレーションと呼ばれる直立して鳴き声を発する姿を見ると、多くの脚があることが分かります。複数の脚を持つ生物は、走るときにとても不思議な動きをします。リズムが妙なんです。専門用語ではウォークサイクルといいますが、これを作るのが、クリーチャーを表現する上で最も重要な基本です。
ジュニアクリーパーが勢いよく走るとき、ウォークサイクルをどうするべきか。短い脚がいくつもあって、それらを走らせなければなりません。レファレンス先を探している中、CGチームのほうから『となりのトトロ』に出てくるネコバスのアイディアが出ました。あのネコは足が4本ではなく、何本もあるんです。『となりのトトロ』ではその足が絶妙なリズムで動く様子が見事に描写されています。
『ミッキー17』のCGチームは、全世界で愛される『となりのトトロ』を参考にクリーパーの造形、そしてその独特の動きを作り上げたと語っている。
これまで、予告映像にもその姿は映し出されていたものの、謎に包まれ続けていた謎のモンスター”クリーパー”、ミッキーの前に突如として現れるクリーパーの目的とは? スタジオジブリ作品にも影響を受けた、クリーパーの姿に注目するとともに、クリーパーがミッキーの逆襲にどのように関わってくるのか、注目しよう。
『ミッキー17』イントロダクション
人生失敗だらけのミッキー(ロバート・パティンソン)は、何度でも生まれ変われる夢の仕事を手に入れた、はずが……⁉ それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務、まさに究極の“死にゲー”だった 。
ストーリー
ブラック企業のどん底で、ありとあらゆる方法で搾取され、死んでは生き返らせ続けるミッキー。何度も死に続け、遂に17号となったミッキーの前に、ある日手違いで自分のコピーである18号が現れ、事態は一変、2人のミッキーは権力者たちへの逆襲を開始する。ターゲットは自分の得しか考えていない強欲なボス、マーシャルと現場に“死にゲー”任務を強いる、イルファ(トニ・コレット)だ。使い捨てワーカーvs強欲なブラック企業のトップ、逆襲エンターテイメントが開幕!
ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』は2025年3月28日(金)日本公開。
■タイトル:『ミッキー17』
■公開:3月28日(金)公開 4D/Dolby Cinema🄬/ScreenX/IMAX🄬 同時公開
■監督・脚本:ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)
■出演:ロバート・パティンソン(『TENET テネット』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』)、ナオミ・アッキー(『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』)、スティーブン・ユァン(『NOPE/ノープ』)、トニ・コレット(『ヘレディタリー/継承』(アカデミー賞R助演女優賞ノミネート))、マーク・ラファロ(『アベンジャーズ/エンドゲーム』)
■製作年:2025年 ■製作国:アメリカ ■映倫区分:G
■コピーライト表記:© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
■配給:ワーナー・ブラザース映画
エドワード・アシュトンの原作小説『ミッキー7』は大谷真弓の翻訳で発売中。
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