『ロキ』4話の超展開をトムヒ・脚本家・監督が解説。動き出したのはアノ瞬間 ※ネタバレあり | VG+ (バゴプラ)

『ロキ』4話の超展開をトムヒ・脚本家・監督が解説。動き出したのはアノ瞬間 ※ネタバレあり

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ドラマ『ロキ』4話で超展開

MCUドラマ最新作『ロキ』は、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) で四次元キューブを拾った2012年のロキが脱走した後の物語を描く。MCUの根幹を揺るがす新設定やロキにまつわる新たな事実が次々と明らかになる中、第4話「分岐イベント」ではあっと驚く新展開が待っていた。今回は、『ロキ』第4話のアノ展開について、製作陣の言葉をチェックしてみよう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』第4話の内容に関するネタバレを含みます。

『ロキ』第4話の“ラブストーリー”

衝撃的な展開が続いた第4話の中でも話題になっているのは、ロキが“もう一人の自分”であるシルヴィを好きになるという展開だ。ファンの間でも大きな話題を呼ぶ展開だったが、『ロキ』脚本家のマイケル・ウォルドロンはマーベル公式サイトのMarvel.comに以下のように話している。

ラブストーリーになっていくということが、私の(『ロキ』脚本の)ピッチの中でも核心においていた要素の一つでした。私たちはロキが別バージョンの自分と恋に落ちることを本当に望んでいるか? クレイジー過ぎないか? 行ったり来たりしましたよ。しかし、私にとっては、この作品は究極的には自己愛と自省、そして自分自身を許すことがテーマなので、それがロキにとっての初めての真のラブストーリーになることは、正しいことだと感じました。

「ロキにとっての“初めての真のラブストーリー”」という言葉の通り、ロキは第3話の時点でこれまでのどの恋愛相手も本物だと感じなかったと吐露していた。人を愛せなかったロキが、自分を省みた末にもう一人の自分を好きになるという展開は、『ロキ』という作品の根幹にあるテーマに沿ったものだったのだ。

恋に落ちた瞬間は?

また、Marvel.comでは、ロキとシルヴィのラブストーリーが確かに第4話冒頭の危機的な場面から始まったと解説している。ラメンティスに終末が訪れる時、シルヴィはロキに「ロキは負ける運命なのか」と問いかける。ロキは「負けることはあっても死ぬことはない」と返答し、その上で一人でTVAを追い詰めたシルヴィを称賛する。マーベル公式はこの時のロキのシルヴィへの感情を「尊敬」と表現している。

このシーンについて、マイケル・ウォルドロンはこう解説する。

2人が視線を合わせている時、それは友情が開花しつつある瞬間でした。そして、初めて二人は、「ああ、これは他のものかもしれない。この感覚は何だろう」と感じるのです。純粋なカオスである2人が、同じ人間として恋に落ちるのです。これは真っ直ぐ繋がっていることであり、まさにTVAを恐怖に陥れることでした。

そして、シルヴィがロキの腕に手をかけた時に巨大な分岐イベントが起きる。メビウスが「純粋なカオス (pure chaos)」と表現する混沌が生まれた瞬間だ。公式の解説によると、ロキは、TVAに連行された後に少しずつシルヴィへの想いを理解していったようだ。それはそうである。人を本当に好きになるということは、ロキにとって初めてのことだったのだから。

また、シフと過ごす“時の牢獄”も、ロキが孤独を恐れ、自分と心を通わせる人と居たいと強く思い始めるきっかけになった。ロキは自分自身以外の誰かを愛することができると知り、ようやく欠点を含む自分自身の全てを受け入れることができるようなったのだという。

トムヒが解説

ロキを演じるトム・ヒドルストンは第4話のこの展開について、以下のように解説している。

ロキは自分自身との関係が、あまり健全ではなかったのだと思います。これまで向き合わずに避けてきた自分の中のある側面を受け入れようとすることは、実に興味深い展開だと思いました。同時に、シルヴィはロキではありません。シルヴィはシルヴィです。それもまた興味深い点ですね。皆さんがこの作品をどのように評価するのか、とても楽しみです。

トムヒはこう続けている。

ロキがシルヴィに出会った時、ロキは好奇心だけで行動していました。彼女と話をして彼女を理解し、二人の経験の何が似ていて、何が違うのかを見極めようとします。ロキは、自分の経験が彼女の経験でもあるのかどうかを確認したいがために質問を続けました。そして、ロキもシルヴィもお互いに同じようでいて同じではないことに気づいたのだと思います。

ロキのシルヴィに対する関心の始まりは、「自分と何が同じで何が違うのか」という興味だった。ロキは自分自身を通して、他者を好きになり理解していく。自分と似ているところ、自分とは全然違うところ……自分にとっての傷や弱い部分も含めて共有し、自分と他者を受け入れていくのだ。

監督はソフィア・ディ・マルティーノを称賛

注目すべきはロキだけではない。ソフィア・ディ・マルティーノが演じたシルヴィも大きな役割を果たした。『ロキ』の監督であるケイト・ヘロンは、「ロキにとって自分以上に相性の良い人間は誰か?」という問いを置いた上で、以下のように話している。

『ロキ』の番組全体がアイデンティティをテーマにしています。これはロキの物語で、ロキはこれまでと全く異なる道のりを歩んでいます。彼はシルヴィの中にあるものを見て、「あぁ、私も知ってる。どう感じているか分かるよ!」となるのですが、シルヴィは「うーん、私はそんなふうに感じたことはない」と言うんです。シルヴィはロキのようですが、実際にはロキではありません。二人の経験は全く異なっているからです。アイデンティティの観点からそれらを掘り下げていくのは楽しい作業でした。

そして、ケイト・ヘロン監督はシルヴィを演じたソフィア・ディ・マルティーノをこう称賛している。

ソフィアが見事に表現したのは、シルヴィが全く異なる次元にいるということでした。シルヴィはある意味で『マイティ・ソー』(2011) の時のロキのように、多くの痛みを抱えています。しかしその理由は明らかに違うものです。彼女がロキとは異なる頭脳を持っているということは、とても興味深いことでした。

これまで“愛すべきヴィラン”という立ち位置にいたロキが、ドラマ『ロキ』で次々と新しい道を切り拓いていく。残り2話でロキの旅路はどこへ行き着くのか、次の“超展開”に期待しよう。

第4話のポストクレジットシーンについての解説&考察はこちらの記事で。

ドラマ『ロキ』はDisney+で独占配信中。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

Source
Marvel.com

ドラマ『ロキ』第4話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第3話でロキが語った「愛とは…」というセリフのトム・ヒドルストンによる解説はこちらから。

第4話でキーパーソンになったラヴォナ・レクサス・レンスレイヤーの設定についてはこちらの記事で。

ロキのセクシャルアイデンティティに関するケイト・ヘロン監督の解説はこちらの記事で。

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