「特撮のDNA/東京タワーSOS ゴジラ・モスラ・東宝特撮展」開催!! 東京幻想インタビュー&リポート | VG+ (バゴプラ)

「特撮のDNA/東京タワーSOS ゴジラ・モスラ・東宝特撮展」開催!! 東京幻想インタビュー&リポート

手塚昌明監督(右)とイラストレーターの東京幻想/TM & © TOHO CO., LTD.

「特撮のDNA展」開催中

2022年7月16日(土)~8月7日(日)まで、東京タワーB1Fにて「特撮のDNA/東京タワーSOS ゴジラ・モスラ・東宝特撮展」が開催されている。会場でしか手に入らないグッズも用意されているので、特撮ファンは要チェックだ。

イベントでは2002年公開のゴジラシリーズ第26作目『ゴジラ×メカゴジラ』で初登場した「機龍(メカゴジラ)」誕生20周年を記念して、イラストレーター東京幻想とのコラボ作品『機龍(メカゴジラ)/品川幻想』のイラストも展示されている。

他、撮影で使用されたプロップの実物や撮影秘話が記されたボードなどファン垂涎の展示が目白押しなので、特撮ファン、怪獣ファンはぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

今回は、イベントに先駆けて開催されたメディア向け内覧会より、手塚監督と東京幻想のトークショーおよび東京幻想への独自インタビューとともに会場の様子をお届けしたい。

手塚昌明監督(右)とイラストレーターの東京幻想/TM & © TOHO CO., LTD.

手塚監督×東京幻想トークショー

Q.『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に東京タワーを出したのは監督の希望でしょうか。

手塚監督(以下、手塚):僕の希望で出しました。アングルを変えて3回破壊シーンを撮影しても壊れないくらい頑丈だった(※1)。ゴジラが東京タワーを壊したのは意外にもこれが初めてだったんですね。東京タワーもただ壊すということではなく、ゴジラを迎え撃つ際の「監視」の役割を与えるなど芝居に絡ませることにもこだわりました。

※1 東京タワーのプロップは鉄製で、折れる部分に蝶番のようなパーツが仕掛けられていて何度も撮影可能だった。

Q.今回ジオラマの機龍と並んでみていかがですか?

手塚:機龍が今回はワイヤーで吊るされているから自重で沈み込まなくてカッコいい。今までは重くて沈みがちだったけど。皆さんに見てもらえるのが嬉しいです。

Q.お二人は初対面ですか?

東京幻想(以下、東京):手塚監督とは初対面です。今回自分の大スターであるゴジラと共演させていただけて大変光栄です。

手塚:今回の企画の発端は東宝から「機龍を復活させましょう」と言われて。東京幻想さんの名前も挙がっていて、イラストを見てお願いしました。

Q.『機龍(メカゴジラ)/品川幻想』のイラストで一番こだわった部分はどこでしょうか。

東京:夕陽に浮かぶ楽園のような脚本のEDシーンは非常にイメージし易かったです。世界観的には自分に近いものを感じました。とは言えゴジラ、メカゴジラ、モスラの存在が大き過ぎて、ディテールなども「間違ってはいけない」というプレッシャーがあったけれど何とか描き上げました。一番こだわったのはモスラですね。脚がどこから生えているのか、羽の模様だって個体ごとに違う。ゴジラの表情も2002年版を意識して描くのが難しかったですね。

手塚:夕陽に浮かぶ情景がまさに幻想的。人間の心に郷愁を呼びますね。

Q.お互いの仕事で刺激を受けたことはありますか?

東京:特撮を手作りで作っていて、自分もアニメに居たけど昔は絵具で描いていました。そういう職人の苦労に刺激されました。

手塚:やっぱり「手作り」は良いですよね。CGも良いんですけど。手作りの質感というのは絵/画面に籠ると思います。

会場に展示されている機龍の特大ジオラマ(筆者撮影)/TM & © TOHO CO., LTD.

1974年『ゴジラ対メカゴジラ』公開時のポスター/TM & © TOHO CO., LTD.

会場にお忍びで来ていた左から若狭新一(造形師)、浅田英一(特技監督)、手塚昌明(監督)、西川伸司(キャラクターデザイン)/TM & © TOHO CO., LTD.

東京幻想インタビュー(インタビュアー:腐ってもみかん)

――東京幻想さんの絵では、元来「人間が主役」である筈の都市空間から敢えて人間が排除されています。廃墟としての都市というのは怪獣映画の破壊のカタルシスとも通じるかと思いますが、そのような「滅びの美学」というようなものをモチーフとするきっかけとは何だったのでしょうか。

東京:これはいつもインタビューで答えてるんですが、最初に絵を描き始めたきっかけがアンコールワットだったり東南アジアの遺跡だったんですね。学生の時に初めて見て単純にカッコいいと思って。それを自分の住んでる所に持ってきたいなと。東京のつまんない風景って言ったらあれですけど(笑)、そういう所に持ってきたら面白いだろうなっていうのが最初のきっかけですね。そこから暫くしてアニメの世界で働きながら、技術も修得しつつ具体的に作品として東京を舞台に描き始めました。

――アンコールワットがきっかけだったんですね。私も学生時代バックパッカーで東南アジアを周ったことがあるので共感できます。単純に破壊されてクレーターになっているとかではなく、何故そこに植物が生えているのか、緑のイメージはどこから来ているのかというのが腑に落ちました。最初にアンコールワットに行こうと思ったきっかけは何でしょう。

東京:学生時代、2000年代前半くらいにバックパッカーで行こうと思ったんですけど、当時はまだそんなに行ってる人が居なかったんですね。タイから陸路で入っていくとか行き難くて。『地球の歩き方』握りしめて(笑)。まだ地雷が少し埋まってるというような状況で。

――それはもう本当にハードな。スマホもないですしね。

東京:ちょっとハードでしたね。でも行ってみると結構商売っ気のある人たちも居て(笑)。

――アンコールワットは東京のようなコンクリートに覆われる「近代」の都市とは異なり伝統や歴史を強く感じさせます。そうした風景から触発されたイメージが東京にもたらされ緑色に染まっていくというのはまさに「東京幻想」の名の通りに幻想的ですね。

東京:最近だとコロナで東京から一瞬人が消えたりしたじゃないですか。大学の構内が緑で覆われたとか、ヴェネツィアの水が綺麗になったとか。そういうニュースを聞いてまた共感してくれる人も増えたのかなと思います。

――幻想的な絵ですが、現実にもそうなったというような部分はありますね。

東京:あながち「ない訳ではないぞ」と。

――「ありそうでなさそうで」という現実と虚構のバランスも非常に魅力的だと思います。本日はありがとうございました。

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■プロフィール
手塚昌明
1955年1月24日生まれ。1977年、日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業後、フリーの助監督として『復活の日』(1983)、『あ・うん』(1989)、『ゴジラVSメカゴジラ』(1993)などに参加。師と仰ぐ市川崑監督のもと、『古都』(1981)に始まり、『ビルマの竪琴』(1985)、『四十七人の刺客』(1994)、『八つ墓村』(1996)など14本の現場で演出を学ぶ。1994年、少年時代からの夢であった“ゴジラの監督になること”を実現すべく、東宝映画に入社。満を持して『ゴジラ×メガギラスG消滅作戦』(2000)で監督デビュー。次いで『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS』(2003)で、ゴジラ・シリーズ史上初めての続編(2話完結構成)に挑んだ。ゴジラ・シリーズ以外の監督作では、『戦国自衛隊1549』(2005)、『空へ -救いの翼RESCUEWINGS-』(2008)など。

 

東京幻想
イラストレーター。東京の風景を自然に埋もれた廃墟として描くことで人気を集める。ゲームやアニメの背景の作画、などで幅広く活躍中。2008年5月活動開始。2009年4月~11年3月月刊「リベラルタイム」表紙担当(毎月)。2010年6月米映画「ザ・ウォーカー」国内ポスターメインビジュアル制作(角川映画)。2011年9月堂珍嘉邦(CHEMISTRY)主演舞台「醒めながら見る夢」背景イラスト制作。2012年1月~フリーペーパー「R25」誌上にて「辻仁成×東京幻想」コラボ不定期連載。2014年11月『東京幻想ARTBOOK』発売(宝島社)。2020年1月「東京幻想VR」(全4タイトル)発売(VirtualArts)。2020年5月「東京幻想作品集」(芸術新聞社)発売。2020年11月「東京幻想ジグソーパズル」(全6種)発売(エンスカイ)。その他、国内外の雑誌、メディア等、掲載多数。現在は主にゲーム背景制作を中心に活動中。

「特撮のDNA 東京タワーSOS ゴジラ・モスラ・東宝特撮展」は東京タワー地下1階「タワーホール」で2022年8月7日(日)まで開催中。

「特撮のDNA 東京タワーSOS ゴジラ・モスラ・東宝特撮展」
会期:2022年7月16日(土)~2022年8月7日(日)
会場:東京タワー地下1階「タワーホール」(フットタウン内)
営業時間:11:00-19:00/金曜日のみ 11:00-21:00 ※最終入場は、閉場30分前まで
主催:特撮のDNA製作委員会
特別展示協力:西村祐次(M1号)/若狭新一(MONSTERS INC.)
協力:東宝株式会社/株式会社TOKYO TOWER ほか
お問い合わせ先:https://www.tokusatsu-dna.com/forms/support
公式サイトURL:https://www.tokusatsu-dna.com/

「特撮のDNA」公式サイト

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腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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