ネタバレ!『室井慎次 生き続ける者』ラストについて製作陣が明かす 「踊る大捜査線」の今後は? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ!『室井慎次 生き続ける者』ラストについて製作陣が明かす 「踊る大捜査線」の今後は?

©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

『室井慎次 生き続ける者』シナリオ・ガイドブックが発売

映画『室井慎次 生き続ける者』が2024年11月に公開され、10月公開の前作『室井慎次 敗れざる者』と共にヒットを記録している。『生き続ける者』はそのラストについても話題になっており、「踊る大捜査線」が今後も続いていくのかどうか、注目が集まっている。

「室井慎次」二部作からは、『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者 シナリオ・ガイドブック』が2024年11月29日(金) に発売され、シナリオ全文や年表、製作陣&キャストのインタビューと共にその裏側が明らかになっている。

その中で、製作陣が『室井慎次 生き続ける者』のラストについて注目の発言をしている。以下の内容は結末部分の重要なネタバレを含むので、必ず劇場で二部作を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『室井慎次 生き続ける者』の内容に関するネタバレを含みます。

『室井慎次 生き続ける者』ラストに込めた意味は?

衝撃のラスト

映画『室井慎次 生き続ける者』のラストでは、室井慎次は吹雪の中、犬のシンペイを捜しに出かけて行方不明に。捜索が行われ、無線通話を通して発見されたことが分かり、生死は曖昧なままだったが、室井家に人々が弔いに訪れるシーンで室井の死が確定する演出になっていた。

秋田県警本部長の新城賢太郎は室井が愛用していた椅子に、献花がわりに「事件捜査における室井モデル草案」と記された資料を置く。新城が警察の礼服を着ていることからも室井の死が強調される演出になっているが、同時に新城が室井と青島の約束を引き継いでいくことを改めて示すシーンにもなっている。

そして、エンドロール後には青島俊作が登場。室井家に向かうがその途中で電話を受け、踵を返して戻っていくというラストが待っていた。その後に「Odoru Legend Still Continues」という文字が現れたため、ファンの間では実質的な続編の予告であるという受け止めが広がっていた。

製作陣の意図は?

本広監督が語る

『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者 シナリオ・ガイドブック』によると、本広克行監督は、「室井慎次」二部作に青島を登場させることについてはシナリオ制作の段階では全く想定していなかったと明かしている。青島の登場は撮影を進めていく中での判断だったという。

織田裕二演じる青島俊作をラストに登場させた意図については、「映画を見た人たちが落ち込まないようなクロージング」を目指したと話している。また、ラストでの青島の登場は「新しい希望」という意味合いがあったという。

また、本広監督は、『敗れざる者』で青島と室井の約束について聞いていた「ムロイズムを持った子供たち」について「これからどうなっていくのか楽しみ」とも語っている。室井モデルを担うことになった新城の存在についても触れ、今後の展開に期待を寄せた。

亀山プロデューサーのヒント

プロデューサーの亀山千広は、青島が室井の家に辿り着けず、手を合わせることがなかったという演出の意図について明かしている。曰く、織田裕二演じる青島が室井に向かって手を合わせるということは、室井の死を認めたことになるため、青島の胸の中で生き続けるという受け取り方ができるようにという演出だったのだという。

また、『敗れざる者』の時点で室井の家には携帯の電波が届かないとされていたにも拘らず、青島が室井の家の近くで携帯を使えていることから、時期の予測が立つことも指摘している。確かに青島はいつもの緑のコートを着ているものの雪は既に溶けており、季節の変化から室井の死からは少し時間が経っていることが分かる。

この二つの条件から、『室井慎次 生き続ける者』のポストクレジットシーンは、雪が溶け、室井家に電波が届く電波塔が建った後の時系列だと予想できる。もしかすると、青島が室井の家に向かったのは室井に手を合わせるためではなく、杏に会いに行ったり、秋田県で起きた事件の捜査といった目的があったのではないだろうか。であれば今後、警視庁所属の青島と秋田県警本部長・新城のタッグが見られるかもしれない。

君塚良一が語った今後

そして、これまで長年「踊る大捜査線」の脚本を手がけ、『容疑者 室井慎次』(2005) では監督も務めた君塚良一は、「そして、今後の「踊る」がどうなるのかに関しても、僕は今の時点では、なんとも言いようがないです」と語っている。室井の死というラストについて、ファンの心理を考えると「本当に複雑」としつつも、「踊る大捜査線」の今後については考えていなかったということを明言している。

一方で、本広監督は『生き続ける者』のラストの展開について若手のプロデューサー陣にも相談していたことも明かしている。もしかすると、「踊る大捜査線」は室井の退場と共に次世代の製作陣へと引き継がれていくのかもしれない。

追記:2024年12月4日、「踊る」シリーズ最新作『踊る大捜査線 N.E.W.』が2026年に公開されることが発表された。詳しくはこちらから。

この他にも、『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者 シナリオ・ガイドブック』掲載のロングインタビューでは、室井慎次役の柳葉敏郎、新城賢太郎役の筧利夫、監督の本広克行、プロデューサーの亀山千広、脚本を手がけた君塚良一が撮影秘話やシナリオに込めた想い、織田裕二演じる青島俊作登場の背景などがたっぷり語られている。「室井」二部作と「踊る」ファンは、ぜひチェックしよう。

『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者 シナリオ・ガイドブック』はキネマ旬報社より発売中。

映画『室井慎次 生き続ける者』は全国の劇場で大ヒット公開中。11月30日(土) からは、スペシャルポストカードが入場者プレゼントとして配布される。

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『室井慎次 生き続ける者』ラストのネタバレ解説・考察・感想はこちらから。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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