映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』巡り議論に
米時間2025年2月4日(火)、マーベル・スタジオの映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の特報映像が公開され、大きな話題となっている。日本でも字幕版特報と邦題が発表され、2025年夏の全国公開が予告されている。
そんな中、特報と同時に公開された『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のポスターを巡る指摘が相次いでいる。米マーベル・スタジオは特報と共に4枚の公式ポスターを公開。1960年代を舞台にした特報映像と同じく独特の雰囲気を持つアートが公開された。
We have liftoff.
Marvel Studios’ #TheFantasticFour: First Steps lands in theaters July 25. pic.twitter.com/hJ98F6PHEj
— Marvel Studios (@MarvelStudios) February 4, 2025
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だが、これらのポスターが公開されるや、SNS上ではこれらのポスターに生成AIが使用されているのではないかという指摘が相次いだ。一枚目左の旗を持つ人物の指が4本に見えること、ザ・シングの人形を持つ子どもの指が長く見えることを指摘する内容が多くなっている。
これまで、生成AIは指や歯といった細かな表現が苦手とされており、生成AIで制作されたイラストは描写された人物の指の本数が間違えているケースが多く見られていた。また、「ファンタスティック4」の「4」というテーマに合わせて4つのポスターが一斉に公開されたことも、生成AIによる“大量生産”を疑う声があがった要因と見られる。
一方で、人間の指の数や形状というのは人それぞれだ。アーティストが意図的に今回の描写を選んだ可能性もある。また、指が4本に見えるのはアングルによるものという指摘もあり、議論は紛糾している。
マーベルはAI利用を否定
そんな中、マーベル・スタジオは米TheWrapの取材に答える形で、ポスターへのAIの使用を否定した。4枚の全てのポスターについて、AIは使用されていないという。
近年、映画業界では『ブルータリスト』でハンガリー語のセリフの発音修正や建築物の図面デザインなどにAIを利用していたことが明らかになり、話題となった。同作の編集を担当したダーヴィド・ヤンチョーは英RedShark Newsで、批判に対して「AIがどんな恩恵をもたらすかオープンに議論すべき」と、大スタジオのように予算や人員を豊富に確保できない立場から反論を行なっている。
マーベル・スタジオでは、2023年にドラマ『シークレット・インベージョン』のオープニングクレジットに生成AIを使用したことを明かして批判が起きた。スタジオ側は「AI利用によって雇用は失われていない」とコメントしたが、AI利用のルール決めを求めるWGA(全米脚本家組合)がストライキに入っている中で大きな議論となった。
その後、ハリウッドでは大規模ストライキを経て、WGAとSAG-AFTRA(米俳優組合)がAI利用については「合意ベース」で利用を進めることでスタジオ側と合意している。一方で、アートの分野での生成AI利用が問題になっているのは、その学習元のデータの権利者に許可を得ていない場合に著作物の権利侵害が行われており、そのデータから生成された成果物は「盗作」になるという前提からである。
『シークレット・インベージョン』ではAIの利用を認めたマーベル・スタジオだが、今回の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のポスターをめぐってはAI利用を否定した。世界で最も注目を集めるコンテンツの一つであるマーベル作品。今後も議論は続いていくことになりそうだ。
映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は2025年夏日本公開。
コミック『アベンジャーズ/ファンタスティック・フォー:エンパイヤ』は石川裕人による邦訳版が発売中。
20世紀フォックス版『ファンタスティック・フォー』は配信中。
映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の特報はこちらから。
ギャラクタスとリード・リチャーズの計画についての考察はこちらから。
MCUドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』は3月5日配信開始。予告編はこちらから。
2月14日公開の映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のヴィランについての情報はこちらから。
GW日本公開の映画『サンダーボルツ*』の特報についてはこちらの記事で。