『イカゲーム』シーズン2大人気配信中
Netflixドラマ『イカゲーム』は2024年12月よりシーズン2の配信を開始し、非英語ドラマ作品のジャンルで92ヶ国で第1位を獲得した。2025年には早くもシーズン3が配信されることも発表されており、大きな注目を集めている。
『イカゲーム』シーズン2では、数々の新キャラが登場。中でも注目を集めているのがパク・ギュヨンが演じたカン・ノウルだ。パク・ギュヨンを演じたカン・ノウルは、『イカゲーム』以外にもドラマ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』(2020) や『セレブリティ』(2023) といったNetflix作品に出演している。『イカゲーム』シーズン2では、日本語吹き替えを『セレブリティ』と同じく織江珠生が担当している。
今までとは一味違った視点で『イカゲーム』の世界に登場したノウルは、一体どんな人物なのか、公式の解説と合わせてネタバレありで考察していこう。
以下の内容は、ドラマ『イカゲーム』シーズン2の内容に関するネタバレを含みます。
『イカゲーム2』ノウルは何者だったのか
脱北した過去
『イカゲーム』シーズン2では、新キャラとして北朝鮮から亡命してきた脱北者のカン・ノウルが登場した。遊園地で着ぐるみを着て働くノウルは、車中泊の生活を送っている。
一方で、北朝鮮に残してきた1歳の娘を連れ戻すため、ブローカーを頼って大金を積んでいる。しかし、ブローカーは金を出されても、恐らく死んでいるとしてこの依頼を断り、金では解決できないと突っぱねる。最後には子どものことは「忘れろ」と言われてしまうのだった。
「忘れる」という言葉はシーズン2第2話のキーワードになっている。ファン・ジュノは兄のことを忘れるよう言われ、ソン・ギフンはイカゲームで死んだ人々のことを忘れられるのかと問われる。『イカゲーム』シーズン2は、置いてきた人のことを忘れられない人間達の物語なのだ。
また、ブローカーはノウルの過去について「上官を銃で撃って一人で南に逃げた反動分子」と語っている。反動分子というのは北朝鮮における政治犯の呼び方だ。本当に政治犯かどうかは不明だが、ブローカーは、少なくとも残された子どもは反動分子の子どもとして扱われる、だからもう生きていないだろうと主張しているのだ。
ここまでで、ノウルは元軍人で上官を撃って韓国に亡命してきたことが明かされている。また、ノウルが見ていた家族写真では夫も軍服を着ており、夫婦揃って北朝鮮の軍人出会ったことも示されている。
意外なイカゲームの参加者
ノウルは着ぐるみの仕事をしていた時に絵を描いて持ってきてくれたナヨンに、落とした帽子を持っていく場面も。ナヨンは血液ガンを患っており、骨髄移植を必要としていた。父のパク・ギョンソクはナヨンの治療費のためにイカゲームに参加し、ノウルはその姿を目撃することになる。
シーズン1で脱北者のカン・セビョクがイカゲームに参加していたことから、ノウルも順当にイカゲームに参加するものと思われた。だが、意外にもノウルはイカゲームにピンクガード(運営スタッフ)としてイカゲームに参加することになる。
ノウルは「◯△□」の名刺を持っており、電話をかけると名前と生年月日を参照され、ピックアップ場所を指定されている。ノウルは指定されたトラックの中に設置された「011」の個室に入ると、ピンクガードのコスチュームを着て視聴者を驚かせた。
「011」はノウルに割り振られたスタッフ番号であり、イカゲームの宿舎にも「011」が割り振られている。名前と生年月日を参照することができ、番号があらかじめ割り振られていることから、ノウルは過去にもイカゲームに兵士として参加していたと予想できる。
ちなみにピンクガードのマスクの記号は階級によって割り振られており、「◯」は作業員、「□」は管理者、そして「△」は兵士である。ノウルは「△」をつけており、兵士としてイカゲームの運営に携わっていることが分かる。
シーズン2第1話では、コン・ユ演じる“メンコの男”ことヤン・ボクナムがかつてはゲームの作業員で、次に銃を与えられたことを明かしている。イカゲームのスタッフ側にもスポットライトを当てたことは、シーズン2の特徴だったと言える。
監督&キャストが語るノウル
では、『イカゲーム』を手がけるファン・ドンヒョク監督は、カン・ノウルというキャラクターについてどのように話しているのだろうか。ファン・ドンヒョク監督は、米Netflixが運営するメディアのTUDUMでノウルについてこう語っている。
ノウルは自分の子どもと再会を果たす以外に、人生に目的を持っていないんです。彼女は言葉では言い表せないような苦悩を抱えています。
一方でノウルは、兵士達がフロントマンに内緒で手を染めている臓器密売への協力を拒否。臓器を傷つけずに生殺し状態でプレイヤーを運ぶという他の兵士たちの目論見を阻止し、プレイヤーが即死できるようにスナイパーとして致命傷を与えている。
ノウルを演じたパク・ギュヨンは、ノウルという人物について以下のように話している。
ノウルは、絶望的な状況にある人々に苦痛を味合わせることなく安らかに死なせるという使命を負ってイカゲームで働き始めました。普通に生きていくことはできず、そうしなければならない人なんです。彼女は他人の痛みを取り除いて、自分と同じように苦しんでいる人達に安らぎを与えたいという思いでゲームに参加しています。
ノウルは自分が絶望的な状況にいるからこそ、その状態にある人達を痛みを伴わずに葬ることを目的にしているのだという。そうした使命を持っているからこそ、プレイヤーを最期まで苦しませ、私腹を肥やすピンクガードの行為が許せなかったのだろう。
ソン・ギフンの革命が鎮圧される中、ノウルのストーリーラインもシーズン3に持ち越されることになった。かつて上官を撃ち、体制に反旗を翻したノウルは、どこかでフロントマンや□マスクの上司に銃を向けることになるのだろうか。シーズン3でも、ノウルの動向に注目しよう。
ドラマ『イカゲーム』シーズン2は2024年12月26日(木) よりNetflixで独占配信中。
Source
TUDUM
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