見どころは? 4月11日公開『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』 | VG+ (バゴプラ)

見どころは? 4月11日公開『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』

©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』4月11日公開

『第一章 黒の侵略』『第二章 赤日の出撃』と回を重ねるごとに盛り上がりを見せてきた『ヤマトよ永遠に REBEL3199』。ファン待望の『第三章 群青のアステロイド』は4月11日(金)、満を持して公開される。前章の振り返りをしながら、第三章の見どころを紹介しよう。

宇宙戦艦ヤマト、人類の命運をかけて銀河系中心部へ!

『第二章 赤日の出撃』でイカルス天文台から発進した、新生・宇宙戦艦ヤマト。オリジナル作品の要素を各所にちりばめながらも、新たな要素を盛り込んだ『REBEL3199』の旅の全容は計り知れない。宇宙戦艦ヤマトと『REBEL3199』の行く末はいかに……?

第二章のあらすじ

未来の地球人だというデザリアム人が地球に降り立った。聖総統スカルダートが語った1000年にわたる彼らの歴史は、地球人の見知った歴史から、凄惨な未来につながっていた。デザリアムは、敵対するのではなく、自らの破滅に向かう未来を作り直すために、2207年の地球に時空結節点を越えてやってきたという。

そのころ、旧ヤマトクルーを乗せ地球を脱出した補給母艦アスカは、イカルス天文台に到着。山南指令真田志郎、そして、スターシャと古代守の忘れ形見サーシャらに迎えられる。古代進は、サーシャにのばした自らの手に、森雪を救えなかった瞬間を重ねてしまう。そんな古代に、イカルスで航空隊に合流した揚羽武は幻滅を隠し切れない。

イカルス天文台に隠され、整備されていた宇宙戦艦ヤマトを奪取すべく、ゴルバが迫る。山南はヤマトの発進を決断した。新生ヤマトは、波動カートリッジ弾一発でゴルバを殲滅した。山南は、デザリアムの正体を確かめるために時空結節点のある銀河中心部に針路を取る、と告げる。雪を失った痛手から回復できずにいる古代は、ヤマト艦長の任を解かれた。土門竜介の怒りを含んだ説得にも、そして「おじちゃま」と呼び掛けるサーシャにも心を閉ざし、ヤマトを降り、古代は地球へ帰還するアスカに向かう。

地球では、デザリアム人の入植が粛々と進められていた。時を同じくして、無限ベータ砲を装備する戦艦グロデーズに情報将校のアルフォンが乗り込み、「イスカンダルの欠片」を奪うため、ヤマトに強襲をかけた。引き返したアスカからコスモタイガーIIで発進した古代が加勢する。しかし、ヤマトに侵入したアルフォンは、古代の目の前でサーシャと新見薫を奪って立ち去った。

愛する雪のみならず、唯一の肉親であるサーシャまで失った古代には、ヤマトの中でも居場所がない。傷ついた心を抱えた古代を乗せたまま、ヤマトは銀河系中心部に向かって旅立っていく。

 

第三章の見どころは?

銀河中心部に向かう宇宙戦艦ヤマト

銀河中心部を目指すヤマトに、サーシャと新見を奪ったグロデーズが再び戦いを挑む。グロデーズは「位相変換装甲」でステルス化が可能だ。第11番惑星軌道で一定の成果を上げたグロデーズ対策の甲斐もなく、サーシャと新見は奪われてしまった。ヤマトは待ち伏せるグロデーズとどう戦うのか。サーシャと新見の奪還を果たすことができるのだろうか。

デザリアムの入植を許した地球に、同盟を結んでいたガミラスは不信感を持っている。ガミラスと銀河を二分するボラー連邦も、地球にとっては敵である。この敵対する二大勢力は、ヤマトが銀河中心部に進むにつれ、不確定要素として存在感を増してくると考えられる。

艦内に目を向けると、気になる人間模様がいくつか。宇宙防衛大学で同期、しかも親友と呼べるほどの仲だったという土門と揚羽には、なにやら確執があるらしい。イカルス天文台での思わぬ再会以降、なにかと二人はぶつかる。周りも二人の姿を気にしている。防大同期が結束して力を発揮するためには、避けては通れない道が二人の前にある。

一方、雪とサーシャを失った古代。立ち直る姿は見ることができるのだろうか。地球で雪が生きていることも知らない。第二章では、古代は絶望の淵に立たされていた、という福井総監督の言葉を信じるならば、第三章では力強く復活する古代の姿を期待したい。

地球では

デザリアムの情報を得るため、自発的にアルフォン邸にとどまる雪は力強い。その雪に、「自分たちを理解してもらいたい。そして愛という感情を理解したい」とアルフォンは言う。アルフォンが精神だけをグロデーズに移していると知って、彼女は横たわるその身体に刃を向けるのかもしれないが──。雪とアルフォンの間に生まれた何かしらの絆に、今後の物語の行く末がかかっているかも。

もう一人のキーパーソンは、南部重工の御曹司、南部康雄だ。南部重工の社長である父が裏工作に与したことで、デザリアムのグランドリバースが地球上に降り立った。予告編では、父に銃口を向け、親殺しのパラドクスを口にする。また、美術館にあるゴッホの「星月夜」を燃やしたら──と、未来から来たというデザリアムの真相を追求するような言葉もある。ヤマトが時空結節点に赴くのと同時に、地球でも旧ヤマトクルーが真相究明を進めている。なお、オリジナルシリーズの『ヤマトよ永遠に』(1980、以下『永遠に』)では、徳川太助がロダン「考える人」の左右が異なることに気づき、デザリアムの正体を見破っている。

地球防衛軍の有志を中心にパルチザンが結成されていく一方、デザリアム人の子どもたちが地球の小学校で学び始める。地球人とデザリアム人の壁を取り払うための施策ということだが、オリジナル作品には見られないこの設定は、今後の作品の中でどのように発展していくのだろうか。

デスラーとサーシャ

アルフォンにヤマトから連れ去られたサーシャだが、予告編では、デスラー総統と思われる人物に並び、成長した姿が描かれている。『永遠に』では目にすることのなかった2歳の姿から、一足飛びに(何かがあって)成長してしまったのか、はたまた、サーシャは二人いるのか。いずれにしても、『永遠に』同様、サーシャは物語のカギを握る重要な人物である。サーシャの秘密とこれからの役割は、なにを置いても注目されるポイントだ。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(2021~22)で、ボラー連邦の資源惑星を奪い、ガルマン・ガミラスを建国しているデスラーもまた、注目すべき人物である。ヤマトと、デスラーの座乗艦デウスーラを旗艦にいただく艦隊との戦闘は、どのような意味を持つのであろうか。ベムラーゼ最高管理委員長率いるボラー連邦との勢力争いも、気になるところである。

重核子爆弾

第11番惑星軌道上で見つかったアンドロメダ級宇宙戦艦アルフェラッツは、地球に向けて太陽系に侵入してきたグランドリバースと最初に接触した。救出されたこの艦の乗組員は皆、脳に機能不全を抱えている。この状況から、真田はグランドリバースが重核子爆弾であると結論付けた。起動すれば、地球上の全人類の脳を初期化することが可能になるのだ。デザリアムが本当に未来の人類であるならば、こんなことをする必要があるのだろうか。『永遠に』では、その起爆装置をめぐって戦いが繰り広げられたが、本作ではどのような設定がなされているのだろう。

いくつものクエスチョンが飛び交うなか、ファンが待ちわびた『第三章 群青のアステロイド』の公開はまもなく。佳境を迎えるヤマトの航海から、目が離せない。

完成披露舞台挨拶レポート

映画『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』は2025年4月11日(金)より劇場上映開始。

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』公式

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『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第1章 黒の侵略』の見どころ解説はこちらから。

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第2章 赤日の出撃』の見どころ解説はこちらから。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』までの作品の振り返りはこちらから。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』の振り返りと『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』の見どころはこちらの記事で。

 

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揚羽はな

ゲンロン大森望SF創作講座出身。「Meteobacteria」にて第6回日経「星新一賞」優秀賞を受賞。Kaguya Planetに掲載された短編「また、来てね!」がきっかけとなり、2021年、日本SF作家クラブ入会。2022年、第26代事務局長に就任。「形態学としての病理診断の終わり」(『AIとSF』早川書房)など短編執筆のほか、『SF作家はこう考える 創作世界の最前線を訪ねて』(Kaguya Books)に対談で参加している。

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