見どころは? 7月19日公開『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第1章 黒の侵略』 | VG+ (バゴプラ)

見どころは? 7月19日公開『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第1章 黒の侵略』

(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第1章 黒の侵略』いよいよ公開

1974年にテレビ放送が開始された『宇宙戦艦ヤマト』は、今年で50周年。2012年にリメイク第1作の『宇宙戦艦ヤマト2199』(~2013)が公開されてからでも、すでに12年がたつ、息の長い作品だ。オリジナルシリーズからのファンのみならず、若い世代も取り込んで、リメイクシリーズは『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』(総集編、2014)、『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(2014)、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(2017~2019)、『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』(総集編、2021)、『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(2021~2022)と制作され続けてきた。

そして、7月19日(金)にはいよいよ『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第1章 黒の侵略』が公開される。福井晴敏総監督が「今作のシナリオは“俺史上最高傑作”」という力作には、期待しかない。

いままでの『宇宙戦艦ヤマト』リメイクシリーズ

『ヤマトよ永遠にREBEL3199』公開に先駆けて、公式からはこれまでのあらすじが公開されている。宇宙戦艦ヤマトを見たことがないという人にもわかりやすい20分弱の動画なので、ぜひご覧いただきたい。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』から『ヤマトよ永遠にREBEL3199』へ

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(以下『2205』)において描かれたガミラス星とイスカンダル星の消滅は、イスカンダル事変と呼ばれていた。安全保障条約を結ぶガミラスと、敵対する星間国家ボラー連邦との争いに巻き込まれたくない地球政府の意向に反して、ガミラス星が破壊されたことを知った宇宙戦艦ヤマトを含む第65護衛隊はイスカンダルに向かった。そこで、イスカンダルを手に入れようとする謎の勢力デザリアムと戦う。第65護衛隊とガミラスとの共闘により、イスカンダルを手に入れようとしていたデザリアム艦隊は退けられた。しかし、その戦いのさなか、敵戦艦ゴルバ内部にまだ建造されていない艦番号を持つアンドロメダ級が発見される。

『2205』の最後に提示された謎が暗い影を落としたまま、2年後の西暦2207年。地球はデザリアムの巨大移動要塞グランドリバースの攻撃を受ける。しかし、イスカンダル事変の責任を取って、古代進をはじめとする第65護衛隊の艦長たちは解任。クルーたちも配置転換されている──。

『ヤマトよ永遠にREBEL3199』のなにがオリジナルシリーズと違うのか

『2205』はオリジナルシリーズの『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』(1979、以下『新たなる旅立ち』)に『宇宙戦艦ヤマトIII』(1980~1981、以下『ヤマトIII』)の設定を盛り込んでいる。『2205』に続く『ヤマトよ永遠にREBEL3199』(以下、『REBEL 3199』)も同様に、オリジナルシリーズの『ヤマトよ永遠に』(1980、以下『永遠に』)をベースに『ヤマトIII』の要素を含み、再構成されている。

では、『REBEL 3199』はオリジナルシリーズの『ヤマトよ永遠に』と本編開始時点でなにが違うのか。そもそも『ヤマトよ永遠に』は劇場公開用の作品だった。それが『REBEL 3199』では7章構成(30分のテレビアニメに換算すると26話分)となっている。上述の通り、『2205』から盛り込まれた『ヤマトIII』のエピソードが、『REBEL 3199』でどのように展開するのか、視聴者としては楽しみなところだ。

キャラクター

まず、古代進森雪はまだ婚約中だ。これは不変。煮え切らない古代にいらいらしながらも、妙に安心する。離れ離れになって、アルフォンが雪の前に現れることも、オリジナル通り。

『ヤマトIII』のキャラクターのうち数名は、『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下『2199』)から登場している。たとえば、ヤマト機関科の山崎奨や生活班の平田一、ガミラスのフラーケンなど。『2205』では、『ヤマトIII』から土門竜介らがヤマトの新乗組員となり、彼らの成長が描かれた。『ヤマトIII』で土門竜介とともに準主人公であったが、『2205』で姿の見えなかった揚羽武はどのように登場するのか、また、その活躍も期待される。

さらに、『ヤマトIII』での敵、ボラー連邦の存在が『2205』ですでに明らかになっており、その艦隊が11番惑星周辺まで進出してきている(本編冒頭5分)ことから、『REBEL 3199』のストーリーに大きくかかわってくることは想像に難くない。『永遠に』では姿を現さなかったデスラー総統が登場するかどうかは定かではないが、おそらく7章構成とたっぷり時間はあるので、活躍してくれることと信じたい。

その他、公式サイトを見ると地球、デザリアム、ボラーにそれぞれ新たなキャラクターが設定されていて、どのようにストーリーに絡んでくるのか楽しみである。

一方、『新たなる旅立ち』で地球に生還した古代守は『2199』ですでに亡くなっている。古代守はサーシャ(真田澪)の父であり、『永遠に』では地球防衛軍司令長官を逃すために自爆した。司令長官逃亡エピソードの有無を含めて、古代守の不在がストーリーに影響を与えるのかどうかも興味のあるところ。

『永遠に』では1年で17歳まで成長した、古代守とスターシャの娘であるサーシャは、オリジナルから見守ってきたファンの最大の関心事ではないだろうか。いったい何歳になっているのか、『REBEL 3199』では生還するのか、考えただけでどきどきしてしまう。

ストーリー

『永遠に』は、簡単にいえば、「暗黒星団帝国(デザリアム)に地球が占領され、重核子爆弾により人類の存亡が脅かされる。その起爆を阻止するために敵の母星にヤマトは赴き、勝利を収める」という物語。基本的にその流れは変わらないのではと想像するのだが、『ヤマトIII』の構成要素がどのように影響するのか、とても興味のあるところだ。

『ヤマトIII』は、ガルマン帝国がボラー連邦との戦いを繰り広げている。その最中、流れ弾となったガルマン帝国の惑星破壊プロトンミサイルが太陽に命中。暴走した太陽のために灼熱となった地球で人類は滅亡の危機に瀕する、というところから話が始まる。おそらくは、『REBEL 3199』でそこまで話は膨らまないとは思うが、福井晴敏総監督が「今作のシナリオは“俺史上最高傑作”」といっているからには、想像以上のエピソードが盛り込まれることは間違いない。『永遠に』を膨らませながら、『ヤマトIII』の要素がどのように編み込まれていくのか、期待に胸を膨らませている。

なにはともあれ、7月19日(金)上映開始の『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第1章 黒の侵略』を楽しみに、想像の翼を私たちも広げよう。

映画『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第1章 黒の侵略』は2024年7月19日(金)より劇場上映開始。

映画『ヤマトよ永遠にREBEL3199 第1章 黒の侵略』公式サイト

『宇宙戦艦ヤマト2199』から『2205 愛の戦士たち』が一挙にわかる『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』、『宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』は特典付きセル版が発売中。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』までの作品の振り返りはこちらから。

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』の振り返りと『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』のみどころはこちらの記事で。

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揚羽はな

ゲンロン大森望SF創作講座出身。「Meteobacteria」にて第6回日経「星新一賞」優秀賞を受賞。Kaguya Planetに掲載された短編「また、来てね!」がきっかけとなり、2021年、日本SF作家クラブ入会。2022年、第26代事務局長に就任。「形態学としての病理診断の終わり」(『AIとSF』早川書房)など短編執筆のほか、『SF作家はこう考える 創作世界の最前線を訪ねて』(Kaguya Books)に対談で参加している。

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