SFアンソロジー『新月』の表題作発表! | VG+ (バゴプラ)

SFアンソロジー『新月』の表題作発表!

SFアンソロジー『新月』の表題作発表

Kaguya Booksより、2022年8月に書き下ろし日本SFアンソロジー『新月』(New Moon) を刊行します。『新月』はSFメディアバゴプラが主催する“かぐやSFコンテスト”の受賞者と最終候補者を中心に編まれた書き下ろしSFアンソロジーです。ウェブから登場した新鋭のSFコンテストで注目を集めた書き手たちの、新作25編をお楽しみに。

『新月』の表題作は正井「朧木果樹園の軌跡」

この度、『新月』の表題作を正井「朧木果樹園の軌跡」に決定しました! 読み方は「おぼろきかじゅえんのきせき」です。

「朧木果樹園の軌跡」はさかなのふねに乗って、新しい星へと移住していく生き物を描いたSFです。漁で大きなさかなを捕まえたら、港で育てているふねと戦わせ、打ち勝った方が新たなふねになる。ひとがふねとともに経た年月の軌跡は、歌になって語り継がれていく…… 悠久の時の流れと滅びの独特の感覚が魅力的な作品です。

正井さんは、1400年前にどこかの清い王が作った短歌に、私の歌だ、と共鳴する主人公を描いた「よーほるの」で第1回かぐやSFコンテストの最終候補に選出されました。

また、オンラインSFKaguya Planetでは正井さんのSF短編小説を二編掲載しています。架空の土地を舞台にした人魚譚「宇比川」は、間違ったバスに乗り続けている女性を主人公に、読者を不思議な時間感覚に巻き込む時間SFでもあります。

ケアとジェンダーをテーマにした「優しい女」では、母親からの電話の対応を自分に似せたAIに任せた女性を主人公に、母娘の関係と父と弟の存在、それを取り巻く社会状況を描き出しました。

正井さんは短編集『沈黙のために』を刊行している他、とにかく美味しい母さんのご飯を癒しにしている非常勤の先生の物語「大食い女」『フード性悪説アンソロジー 燦々たる食卓』に、島民が島の記憶を持っているという不思議な島を描いた「私が島であった頃」を犬と街灯主催の島アンソロジー『貝楼諸島へ/貝楼諸島より』に寄稿するなど、多くの同人誌に小説や短歌や俳句を寄稿しています。

『新月』の進捗はInstagramでチェック

『新月』の進捗は、Kaguya BooksのInstagramで報告しています。これまでにも検討中の目次を公開したり、筆者紹介の話をしたりしています。フォロー&チェック、よろしくお願いします。

ここで公開されている目次から更に検討を重ね、「時を超えていく」「日常の向こう側」「どこまでも加速する」「物語ることをやめない」という四つのパートに分けて作品を収録することが決まっています。いずれ公開する目次もお楽しみに!

今年は日本SFアンソロジーがあつい!

今年の夏は日本SFアンソロジーが盛り上がっています。日本SF作家クラブ編『2084年のSF』 (ハヤカワ文庫JA) 、伴名練編『新しい世界を生きるための14のSF』(ハヤカワ文庫JA) 、大森望編『ベストSF2022』 (竹書房文庫) 、『新月』(Kaguya Books)、 『Genesis 05』(東京創元社) と、各レーベルから5冊の日本SFアンソロジーが刊行されます。

SFメディアバゴプラでは、「日本SFアンソロジーの季節」と題して、各アンソロジーの魅力を紹介し、日本SFアンソロジーを盛り上げていく企画を実施します。企画を通して、出版社や組織の枠を越えた国内SFアンソロジーの魅力を読者の皆さんにお届けしたいと思います!詳細はこちら

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