Kaguya Planet、2025年1月からの特集は「おじさん」 | VG+ (バゴプラ)

Kaguya Planet、2025年1月からの特集は「おじさん」

Kaguya Planetにて、特集「おじさん」開催

SFのウェブマガジン Kaguya Planet より、2025年1月〜3月の特集のテーマを発表します。1月〜3月の特集は「おじさん」です。〈いまこそ「おじさん」の話をしよう〉をテーマに、1月〜3月にかけて、毎月おじさんの出てくるSF短編小説を配信します。また2025年4月には、ウェブマガジンで配信したSF短編小説にくわえて、おじさんにまつわるブックレビューやコラムを収録したマガジンを刊行予定です。

Kaguya Planet

いまこそ「おじさん」の話をしよう

「おじさん」という言葉には、ネガティブなイメージがつきまといがちです。駅の構内で突撃してくるおじさん、飲み会の席で自分の知識や経験をひけらかしてくるおじさん、女性の活躍なんてスローガンを掲げながら意思決定をするポストは絶対に開け渡そうとしないおじさん、会議で反対意見を言われただけで馬鹿にされていると不機嫌になるおじさん、自分は女にモテると思い込んでいるおじさん……。「おじさん」という言葉から、そんな有害な振る舞いを連想する人も多いのではないでしょうか。

個人の振る舞いだけではありません。賃金ひとつとってみても男女の格差が埋まらない社会の中で、「おじさん」という言葉は、家父長制的な社会の仕組みを作ってきた存在の象徴でもあるように思います。

一方で、特定の属性(この場合はおじさん)と有害な振る舞いの結びつきが社会の中で前提とされてしまうと、個人が努力してそこから抜け出すことが困難になってしまうという作用ももたらします。

一人一人のおじさんに目を向けてみれば、家父長制的なシステムを解体しようとしている人や、上記のような有害な振る舞いを批判し「そうじゃないおじさん」であろうとつとめている人ももちろんいます。他者を抑圧しないためにどうしたらいいのか、そもそもどうして有害な振る舞いをしてしまうのか、家父長制的な価値観によって男性自身はどのように苦しめられているのか……。この社会の男らしさのあり方や、内面化しているミソジニーと向き合う人も増えてきているように感じます。

しかし「おじさん」について語ることは、ある種の語りにくさが伴います。そしてその語りにくさは、社会によって構築されているという側面もあります。例えば、家事や育児などの生活の面倒をみるケア労働が女性に偏り、軽んじられがちな社会において、男性の身体にもケアが必要であるということそのものが顧みられることはあまりなく、「更年期」というトピックひとつとってみても、女性に比べると男性の更年期にまつわる知識や知見はあまり蓄積されていません。極端な言い方をすれば「おじさんの身体とケアについて」というトピックそのものが社会から失われており、ひとりでそれを打開するのが困難な状況にあるのです。

Kaguya Planetでは、内省や「そうじゃないおじさん」像の模索を一人一人のおじさんの努力だけに委ねるのではなく、バックグラウンドの異なる人々がそれぞれの知見を持ち寄って「おじさん」の話をする場を作りたいと考え、特集「おじさん」を行います。フィクションを通じて、「そうじゃないおじさん」のロールモデルや可能性に思いを巡らせてみませんか。

Kaguya Planetとは

Kaguya Planetは、SF企業VGプラスの運営するウェブマガジンです。三ヶ月ごとにテーマを決めて、テーマに沿ったSF短編小説を毎月配信しています。また、掲載した作品は三ヶ月に一回、紙と電子のマガジン『Kaguya Planet』として刊行しています。これまでに「気候危機」「パレスチナ」などのテーマで特集を組んできました。

Kaguya Planetの会員になると、配信している短編小説を先行公開期間に読むことがでる、マガジン『Kaguya Planet』が無料で届く、イベントに割引価格で参加できる、といった様々な特典があります。会員登録&Kaguya Planetに応援をよろしくお願いいたします。

Kaguya Planetについて詳しく知る

特集「おじさん」の掲載作品を読むには

①Kaguya Planetの会員になる

Kaguya Planetの会員になると、1月、2月、3月に掲載される作品をいち早くウェブ上で読むことができます。また、会員のプランに応じて、マガジン『Kaguya Planet No.5 おじさん』も無料で送られてきます。Kaguya Planetの特典についてこちらに詳しく掲載しています。

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②マガジン『Kaguya Planet No.5 おじさん』を予約する

1月、2月、3月にウェブマガジンKaguya Planetに掲載した作品は、4月にマガジン『Kaguya Planet No.5 おじさん』として刊行します。マガジンには、掲載した短編小説の他、おじさんの出てくるSFに関連するコラムなどを掲載します。

マガジン『Kaguya Planet No.5 おじさん』
【概要】
今こそ、「おじさん」について語ろうをテーマに、SF短編小説を三編収録する他、テーマと関連したコラムやブックレビューを収録します。
刊行:2025年4月
サイズ:A5
ページ数:110ページ(予定)
価格:1500円(税込1650円)

マガジン『Kaguya Planet Np.5 おじさん』を予約する

マガジン『Kaguya Planet No.5 おじさん』の刊行に際して、ウェブマガジンKaguya Planetで配信したSF短編小説は、無料で公開する予定です。

プラネタリウム特集開催中!

1923年にドイツのイエナで試験公開され、1925年にドイツ博物館にて世界で初めて常設されたプラネタリウム。これら2つのできごとから100周年となる2023年・2025年のあいだに、世界では様々な記念事業が行われています。Kaguya Planetでも、「特集:プラネタリウム」を開催。プラネタリウムの出てくるSF短編小説とプラネタリウムが出てくる小説を紹介するブックガイドを掲載しています。

現在は小説家の早海獺さんによるSF短編小説「袋のなかはビッグバン」、南木義隆さんによるSF短編小説「星と巡り合う者たち」と、プラネタリウムの解説員でお笑い芸人の田畑祐一さんによるSF短編小説「マッチングアプリ」、そして天文機器メーカー社員の鬼嶋清美さんによるブックガイド「プラネタリウム小説いろいろ」をKaguya Planetの会員向けに先行公開中。

「袋のなかはビッグバン」は、平凡なプラネタリウムのちょっと変わったグッズショップが舞台の物語。納品を待ち望んでいた「スナック菓子」とは……?

「星と巡り合う者たち」は、荒廃した世界でアナログプラネタリウムが希望を繋いでいく物語。「プラネタリウム小説いろいろ」は、織田作之助から藤井太洋『オービタル・クラウド』まで日本のプラネタリウム史とSF史をリンクさせるブックガイドです。

「マッチングアプリ」は「探し求めてた人と100パーセントマッチする」という触れ込みのマッチングアプリとめぐる、少し切ない物語です。

 

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「特集:プラネタリウム」に掲載した作品やブックガイドは、2025年1月に紙と電子のマガジン『Kaguya Planet No.4 プラネタリウム』として刊行します。マガジンには、掲載した短編小説の他、特集テーマに関連した書評やコラムなどを掲載します。

マガジン『Kaguya Planet No.4 プラネタリウム』
⚫︎小説
田畑祐一「マッチングアプリ」
南木義隆「星と巡り合う者たち」
早海獺「袋のなかはビッグバン」
⚫︎ブックガイド
鬼嶋清美「プラネタリウム小説いろいろ」
⚫︎小特集
持続可能な同人誌作りを考える
その他、ブックレビューやコラム、インタビューも掲載予定です。
サイズ:A5
ページ数:145ページ(見込)
一般価格:1650円(税込)

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