『サイバーパンク2077』の音楽に注目
2020年9月17日(木)の発売を予定している『サイバーパンク2077』。アンドレイ・サプコフスキのファンタジー小説をゲーム化した「ウィッチャー」シリーズで知られるポーランドのCD Projektによる最新作だ。『サイバーパンク2077』は、テーブルトークRPGの『サイバーパンク2.0.2.0.』(1993)をゲーム化した作品。“ナイトシティ”と呼ばれるディストピア感溢れる街が舞台のオープンワールドゲームとして製作が進められている。
そのサウンドトラックには、スウェーデンのRefusedやカナダのGrimes、アメリカのA$AP Rockyら、豪華な面々が集結。異なるジャンルのアーティストによって、どのような世界観が構築されるのか、注目が集まる。
一方で、多様な面々が集まっているのはサントラに参加したアーティストだけではない。『サイバーパンク2077』の全体の音楽を手がけた作曲家たちも同様だ。『サイバーパンク2077』の作曲を手がけたのは、「ウィッチャー」シリーズの音楽も手がけてきたポーランドのMarcin Przybyłowicz、CD Projektに所属する作曲家のP.T. Adamczyk、そして、Amazonプライムビデオで公開されたドラマ『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』(2020)の音楽を手がけたポール・レナード=モーガンの三人だ。
ポール・レナード=モーガンは『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』でも巨匠フィリップ・グラスと共に音楽を手がけているが、『サイバーパンク2077』では三人の作曲家で一つの作品を手がけることに。一体どのようにバランスを取ったのだろうか。その製作のプロセスについて、ポール・レナード=モーガンがNerd Reactorのインタビューで詳しく話している。
「スタイルは対照的」
ポール・レナード=モーガンは、共に『サイバーパンク2077』を手がけた二人を「ワルシャワの二人の偉大な作曲家」と称しつつ、「スタイルは本当に対照的でした」と述べている。
「どうやってやります? 三人もいて。みんなが自分のスタイルでやると、ごた混ぜになってしまいますよね」という感じだったんです。なので、ナイトシティを (三つに) 分けることにしたんです。それぞれの場所で物語が動いていて、ある部分は私が手がけ、ある部分はP.T.が手がけ、ある部分はMarcinが手がけている。
つまり、コラボレーションなんです。全員で同じ曲を作っているというより、『サイバーパンク2077』の世界でコラボレーションしている感覚です。街の様々な部分を切り取っては曲を作る。ジャンルは同じですが、それぞれに違いがあります。一方で、皆で (曲に使う) サンプル等を共有したりもしていますよ。
オープンワールドの特性を活かし、舞台となるナイトシティのそれぞれの場所をそれぞれの作曲家が手がけているのだという。対照的なスタイルを持つという三人がナイトシティをどのような音楽で彩ったのか、今から期待が高まる。
また、ポール・レナード=モーガン自身はゲームの音楽を手がけることについて「不思議な感じ」とも話している。既に映像があって音を付け足していく映画やドラマと違い、製作途中の映像には登場人物の顔や色がついていないこともある。ゲームでは、コンセプトアートを手掛かりにしつつ音楽を作っていかなければならないのだという。
様々なハードルを乗り越え、最良の音楽が提供された『サイバーパンク2077』、9月の発売を楽しみに待とう。
『サイバーパンク2077』は、2020年9月17日(木)発売予定。
『サイバーパンク2077』の音楽を手がけたポール・レナード=モーガンによる楽曲は、Amazonプライムビデオで配信されているドラマ『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』で楽しめる。
Source
Nerd Reactor