『モアナと伝説の海』実写版が2026年公開
2016年に公開されたディズニーのアニメ映画『モアナと伝説の海』は、実写版の製作が進められている。『モアナと伝説の海』は、古代ポリネシアをモデルとした世界を舞台に、ポリネシア神話をベースとした冒険譚が描かれる。主人公のモアナは酋長の娘で、12人目のディズニープリンセスに数えられている。
実写版『モアナと伝説の海』の製作が明らかになったのは2023年4月のこと。メインキャラクターの一人である半神半人のマウイの声を演じたドウェイン・ジョンソンがYouTubeで明らかにした。祖父にサモア人レスラーのハイ・チーフを持ち、ポリネシア文化にルーツを持つドウェイン・ジョンソンは、こう語っている。
この物語は私の文化であり、私たち民族の優美さと戦士としての強さを象徴しています。私はこのカルチャーと、マウイと再会できる一生に一度の機会を肌と魂に誇りを持って宿しています。
ドウェイン・ジョンソンがマウイ役で続投する一方、モアナ役の声を演じたアウリイ・クラヴァーリョは、実写版には製作総指揮として参加するという。ハワイ先住民の子孫であるアウリイ・クラヴァーリョは、2024年12月6日(金) 日本公開の続編『モアナと伝説の海2』で主演を務めている。
実写版のモアナを演じる俳優は2024年6月に発表されたばかり。オーストラリアのシドニー出身のキャサリン・ラガイアが演じることになっている。アニメ映画版の『モアナと伝説の海』では、モアナの年齢は16歳に設定されていたが、キャサリン・ラガイアは発表時点で17歳だという。キャサリン・ラガイアは実写版モアナを演じるにあたって、ディズニーの公式サイトでこうコメントしている。
私の祖父はサバイイ島パラウリのファアラ出身で、祖母はサモアのウポル島のレウルモエガ・トゥアイ出身です。サモアと太平洋諸島のすべての人々を祝福し、私と同じ見た目を持つ若い女性を表象できる機会を得られたことを誇りに思います。
マウイ役のドウェイン・ジョンソン、モアナ役のキャサリン・ラガイアの他には3人のキャストが発表されている。モアナの父トゥイ役には、トンガ系でニュージーランド出身の俳優ジョン・チュイが起用された。アメリカ版『特捜戦隊デカレンジャー』に当たる『パワーレンジャーS.P.D.』(2005) では“ボス”ことクルーガーの声を演じている。
モアナの母シーナの実写版はサモア系でニュージーランド出身のフランキー・アダムスが演じる。SFドラマ『エクスパンス -巨獣めざめる-』(2015-2022) ではロベルタ・ドレーパー役を演じている。モアナの祖母タラ役はマオリ系でニュージーランド出身のレナ・オーウェンが演じる。「スター・ウォーズ」シリーズでは、カミーノの首相補佐官トーン・ウィーの声を20年以上演じた。
現場の写真も公開
実写版『モアナと伝説の海』で監督を務めるのは、名作ミュージカル『ハミルトン』(2015) の演出を手がけたトーマス・ケイル。トーマス・ケイルはミュージカル舞台の映像を編集した映画版『ハミルトン』(2020) の監督を務めており、同作は劇場公開される予定だったがパンデミックの影響でディズニープラスでの配信に切り替えられた経緯がある。そのため、実写版『モアナと伝説の海』はトーマス・ケイルの映画館デビュー作ということになる。
撮影は2024年8月よりハワイとアトランタで始まっており、ディズニー幹部のアサド・アヤズは11月20日に自身のInstagramアカウントにオアフの撮影現場の写真を投稿している。そこには、モアナが乗る船と“神の釣り針”の実写版の姿が映し出されている。
ディズニーでは異例のスピードで実写化
モアナは冒険に出て爽快なアクションを演じる新しいディズニープリンセス。ディズニープリンセスの中でも異色のキャラクターだが、実写化までのスピードは異例中の異例だ。ディズニーは、2010年の『アリス・イン・ワンダーランド』を皮切りに、『アラジン』(2019) や『ライオン・キング』(2019)、『リトル・マーメイド』(2023) など、この15年の間に実写版を次々製作してきた。
クラシックな作品の実写化は、その内容や表象をアップデートする意味合いもあった。今後実写化が予定されている作品では、1996年公開の『ノートルダムの鐘』、1997年公開の『ヘラクレス』など、四半世紀以上前の作品が控えている。2025年5月にはハワイを舞台にした『リロ&スティッチ』(2002) の実写版の公開も予定されているが、こちらも原作公開から23年が経っての実写化となる。
『モアナと伝説の海』が原作公開から10年というスピードで劇場公開されるというのは異例中の異例だ。『モアナと伝説の海』の実写化が早々と決定したことについては、発表された2023年に迎えたウォルト・ディズニー社の創立100周年を祝う意味があったと、当時のディズニー幹部のショーン・ベイリーは語っている。
実写版『モアナと伝説の海』は2023年中に撮影を開始する予定だったが、ハリウッドの大型ストライキによって撮影開始時期が延期となっていた。最終的に2026年7月10日の米公開が決定し、原作公開から10周年というタイミングで公開されることになった。実写版『モアナと伝説の海』はどんな仕上がりになるのか、公開を楽しみに待とう。
実写版『モアナと伝説の海』は2026年7月10日(金) 米公開。映画『モアナと伝説の海2』は2024年12月6日(金) より日本公開。
『モアナと伝説の海』はMovieNEXが発売中。
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