ネタバレ解説&考察『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像の意味は? 『ドゥームズデイ』にどう繋がる? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&考察『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像の意味は? 『ドゥームズデイ』にどう繋がる?

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『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』公開

2019年に公開され、一時は全世界興行収入歴代一位の座に輝いた映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』から7年、「アベンジャーズ」最新作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が2026年12月18日(金) より日米同時公開を迎える。これに先駆け、同年9月23日(水・祝) に『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』が上映を開始した。

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』は単なる再上映ではなく、追加映像ありの上映となっている。今回は、指定された劇場のみで上映されるINFINITY VISIONバージョンで観た追加映像をもとに、ネタバレありで解説し、考察していこう。以下の内容は、『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』INFINITY VISIONバージョンの追加映像のネタバレを含むので、必ず劇場で映像を観てから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』INFINITY VISIONバージョンの追加映像の内容に関するネタバレを含みます。

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像以外の変更点

まず、『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』の本編開始前には、初代キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースを演じたクリス・エヴァンスと、アイアンマンことトニー・スタークを演じたロバート・ダウニー・Jr.が登場。『エンドゲーム:アンコール』の鑑賞に訪れた観客へのメッセージを送ってくれる。

また、日本語字幕版に限ったことだが、2019年の劇場公開時に議論があった二つの字幕が修正されている。一つは、序盤の「5年後」の字幕表記。以前は、英語で「5 YEARS LATER」と1ワードずつ表示される演出にもかかわらず、字幕の「5年後」が先に出ていたので、「5」の後が「日」や「ヶ月」なのか、「5 YEARS」の後が「AGO(前)」なのか「LATER(後)」なのか、と想像するワクワク感が削がれているという指摘があった。『エンドゲーム:アンコール』では、「5 YEARS LATER」の文字が出きってから日本語字幕の「5年後」が表示される演出に変更されている。

二つ目は、終盤のサノス戦でファルコンことサム・ウィルソンが登場する際、スティーブに言う「On your left.」というセリフの字幕が「左を見ろ」になっていた点。『エンドゲーム:アンコール』では、ランニングをしているサム・ウィルソンが、いつもスティーブから追い抜かれる時に「左から失礼(On your left.)」と言われていたことを踏まえて、日本語字幕が「左から失礼」に修正されている。

これ以外は『アベンジャーズ/エンドゲーム』と変わらない映像が展開されていく。とはいえ、MCUのその後の展開を踏まえると、後にリーダーになっていくサムやシュリの勇姿、この先にさらなる困難が待ち受けるピーター・パーカーの姿は、観ていると以前とは違う感情が芽生える。これだけでも、『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』は今上映された価値があったと言える。

だが重要なのは、ラストに待っていた四つの追加シーンだ。以下は『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』ラストの四つの追加シーンについて解説していくが、ドラマ『ロキ』(2021-)、映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(2026)、『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) のネタバレを含むので、注意してほしい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』(2021-)、映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(2026)、『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) の内容に関するネタバレを含みます。

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像①ネタバレ解説&考察

あのシーンから繋がる映像

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』の一つ目の追加映像は、意外にも元のエンディングからシームレスに繋がるものだった。オリジナル版では、インフィニティ・ストーンを元の世界に戻しに行ったスティーブ・ロジャースが、過去のペギー・カーターとダンスを踊り、口付けを交わすシーンで幕を閉じる。

『エンドゲーム:アンコール』では、スティーブがペギーと口付けを交わすと何者かが家のドアを叩き二人は玄関へと向かう。そもそも銃社会のアメリカではアポイントメントのない急な来訪は、強盗などの可能性があるため警戒対象なのだが、今回の来訪者はドアの叩き方からして焦っているようでもある。

元軍人カップルらしく、二人は警戒しながらドアを開けるのだが、そこに現れたのはロキだった。ペギーはもちろんロキのことを知らない。スティーブは『エンドゲーム』で描かれた通り、映画『アベンジャーズ』(2012) で戦った後、“タイム泥棒作戦”の最中にスペース・ストーンの入ったテッセラクトを使って逃げられている。

オリジナルのロキは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) の冒頭でサノスに殺されてしまったが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で逃げた2012年のロキは、ドラマ『ロキ』でTVA(時間変異取締局)に拘束され、時間軸の分岐を取り締まるTVA職員として働くことになった。

結局、『ロキ』では今まで“剪定”されていた時間軸の分岐は解放されることになり、時間軸が分岐した複数の世界、つまりマルチバース(多元宇宙)が存在できるようになった。『ロキ』シーズン2ではマルチバースに崩壊の危機が迫ったが、ロキが自ら人柱となることでマルチバースが救われると共に、ロキはマルチバースを繋ぐ神となった。

何をしに来た?

『エンドゲーム:アンコール』の追加映像で現れたロキは、ドラマ『ロキ』後の2012年のロキだと考えられる。『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の予告編では、ロキの顔写真付きのTVAのカードの映像が登場したが、その手を持つ左手には薬指に金の指輪が見えた。そして、別の予告ではスティーブが同じ指輪を薬指に付けていたため、ロキのカードを持っているのはスティーブだと言う考察が主流となっていた。

『エンドゲーム:アンコール』の一つ目の追加映像を見るに、ロキは“悪戯の神”時代の自分しか知らないスティーブに、TVAのカード(名刺)を渡して、改めて今の仕事について説明するのだろう。

さらに『エンドゲーム:アンコール』の追加映像では、ロキは「助けになるために来た」「二人ともだ」と声をかける。『ドゥームズデイ』の予告では、スティーブが赤ちゃんを抱く映像もあったが、ここでのロキは「二人とも(Both of you)」と言っている。子どもを含むなら「みんなを(All of you)」と言うはずだ。

後でも考察するが、ロキが敢えて「Both of you」と言ったのは、このスティーブとペギーが、元は異なるユニバースに所属していたからではないだろうか。ロキの言葉には、「二人の宇宙を救う」という意味が含まれていたのかもしれない。

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像②ネタバレ解説&考察

あの映画のその後?

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』での二つ目の追加映像は、メインキャストのクレジットが終わった後、つまりミッドクレジットとして流される。ここで登場するのはハルクことブルース・バナーだ。

ビデオログを撮っているブルースは、10年間制御してきたハルクが暴走してしまい、今は軍の統合基地にいると話している。地下深くにある部屋にいるため、ハルクが暴走しても脱出できない環境だという。

ハルクは映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』に登場。ブルースは変身の制御装置を腕につけて生活していたが、精神に干渉できる能力を持つジーン・グレイの介入によって暴走。ピーター・パーカーがハルクとの対話を試みた結果、捕獲され、精神鑑定を受けていると報道されていた。

『エンドゲーム:アンコール』のブルースは、『ブランド・ニュー・デイ』後の姿と見られ、ガンマ線を抑制する研究に取り組んでいる。ブルースがデモンストレーションを行おうとした時、部屋に異変が起こる。緑の光と共にドクター・ドゥームが現れる。ドゥームの姿は見えないが、ブルースが消えた後、床には緑に光る魔法陣のような跡が残されている。

また、ドゥームと思われる声の主は、ブルースを「ドクター・バナー」ではなく「ミスター・バナー」と呼んでいる。英語圏では、博士号(ドクターの学位)を持つ人物は「ミス」や「ミスター」ではなく「ドクター」を付けて呼ばなければ失礼に当たる。

七つの博士号を持つことで知られるブルースを「ドクター」と呼ばなかったということは、ドゥームはブルースのことをよく知らない(少なくとも学歴までは知らない)ということが読み取れる。やはりドゥームは別のユニバースから来たものと考えられる(可能性は低いと思うが、ブルースの方が博士号を取っていない別ユニバースのブルースという線もなくはない)。

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像③ネタバレ解説&考察

あのドラマのその後

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』三つ目の追加映像は、エンドロールの途中で挿入される。映し出されるのは、ドラマ『ロキ』の舞台となり、映画『デッドプール&ウルヴァリン』にも登場したTVAだ。

TVAのマスコットキャラであるミス・ミニッツが、TVAの仕事を「剪定」としていないこと、「自分のユニバースにいてね」と呼びかけているところを見るに、マルチバースの存在が許されている『ロキ』シーズン2以降の時系列であることが分かる。そして登場したのは、TVAでのロキの相棒だったメビウスだ。

2012年のロキがTVAで大きな変化を経験できたのは、メビウスのおかげだ。ドラマ『ロキ』シーズン2のラストでは、ロキが神となった後、メビウスは外の世界に踏み出して行った。TVAを辞めて別の人生を生きることが示唆されていたが、メビウスはTVAに帰ってきたようだ。壁には「最高の職員」としてロキの写真が飾られていることから、やはりシーズン2でロキがマルチバースを救った後の出来事なのだろう。

TVAでは、アース10005とアース1127がインカージョンを起こしそうだと報告されている。インカージョンは、MCUでは映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で紹介された概念で、マルチバースのユニバース同士が衝突して崩壊する現象のことだ。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では、ドクター・ストレンジが“インカージョンを起こしがち”な人物であることが明かされた。ラストではシャーリーズ・セロン演じるクレアがドクター・ストレンジがインカージョンを引き起こしたことを指摘し、ストレンジをどこかへ連れて行った。

そして、アース10005は『デッドプール&ウルヴァリン』の舞台になったユニバースだ。MCUのメインユニバースはアース616で、アース10005はX-MENやウルヴァリン、そしてデッドプールが存在した世界である。同作ではデッドプールが“ワースト”と呼ばれるウルヴァリンを別のユニバースから引き抜き、最終的に二人はアース10005で幸せに暮らすことになった。

TVAでは、ユニバース同士が攻撃し合っていることを観測。さらに10005と1127以外の別のユニバース同士もインカージョンを起こしていることが次々と報告され、その数は100、300、3000と加速度的に増えていく。キー・ホイ・クァン演じるウロボロスが「マルチバースが崩壊する」と漏らし、三つ目の追加映像は幕を閉じる。

MCUの今後も示唆?

まず重要なのは、アース10005が崩壊の危機に面しているということ。あのユニバースにはローラ/X-23もいるし、ユキオやコロッサスらミュータントの面々もいる。ミサイルを撃ち合っているようなユニバース同士の戦争がどのように行われているのかは不明だが、スーパーヒューマンがいるユニバース同士で潰し合いが起きれば、双方無事では終わらないだろう。

また、『デッドプール&ウルヴァリン』ではデッドプールがTVAのモニターで観た映像の中に、傷ついたデッドプールを腕に抱いたソーが涙を流しているというものがあった。TVAのミスター・パラドックスは、このシーンを「遠い未来の話」と説明している。

アース10005がインカージョンを起こすにあたって、デッドプールやウルヴァリンはアース10005を脱出することになるのかもしれない。そして、アース616のアベンジャーズと合流して挑んだドクター・ドゥームとの戦いで、デッドプールは瀕死の傷を負うのだとしたら……それでなぜソーが泣くのかは不明だが。

さらに、さまざまなユニバース同士でインカージョンが発生しているのだとすれば、『エンドゲーム:アンコール』の一つ目の追加映像で、ロキがスティーブとペギーの二人ともを助けに来たと言ったことの意味も変わってくる。スティーブがいたアース616とペギーのユニバースもインカージョンを起こそうとしていて、ロキは二人の両方のアースを助けようとしているのではないだろうか。

『エンドゲーム:アンコール』の三つ目の追加映像は、『ドゥームズデイ』のみならず、その先のMCUの展開を示唆する内容でもあった。『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の翌年に公開を予定している『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』は、原作の展開から、異なるユニバースのヒーローやヴィランたちが戦いを繰り広げる内容になると予想されている。「マルチバースが崩壊する」というウロボロスの予測は、〈マルチバース・サーガ〉の終わりを予告するものなのかもしれない。

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像④ネタバレ解説&考察

あの音の意味が変わる…

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』の四つ目の追加映像は、オリジナルのポストクレジット演出に手を加えたものになっている。元は、MCU第1作目の映画『アイアンマン』(2008) でトニー・スタークが最初のアイアンスーツを作るために金槌で鉄を叩いていた音を、『エンドゲーム』の最後に流すという演出だった。劇中で亡くなったトニー・スタークへのトリビュートだ。

しかし、『エンドゲーム:アンコール』のラストでは、この金槌の音が聞こえてきたと思いきや、ドクター・ドゥームのマスクが映し出される。無骨で特徴的なあのマスクが、金槌で打たれて成形されていることを示す演出だ。

映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』では、トニー・スタークを演じてきたロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥーム役を演じることが発表されている。アイアンマンを作り出した音が、ドクター・ドゥームを作り出す音に変わる——『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』のラストでは痺れる追加映像が用意されていた。

以上が、『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』で追加された四つの映像の解説&考察だ。ロキ、ハルク、TVA、ドクター・ドゥームと、盛りだくさんの追加要素が提示された。まずは2026年10月14日(水) 配信開始のドラマ『ヴィジョンクエスト』を楽しみに待ちつつ、12月18日(金) 日米公開予定の映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に備えよう。

映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は2026年12月18日(金) 日米同時公開。

『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』公式

MCUの多数のコンセプトアートが収録されている『マーベル・スタジオ:ジ・アート・オブ・ライアン・メイナーディング』はKADOKAWAより発売中。

デッドプールの30年の歴史を振り返る『デッドプール 30th Anniversary Book』も発売中。

10月14日配信開始、MCUドラマ『ヴィジョンクエスト』の情報はこちらから。

ケヴィン・ファイギが明かした『ドゥームズデイ』に登場する5大勢力の解説はこちらから。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』で流れた曲のまとめ&解説はこちらの記事で。

 

 

映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』ラストの解説&考察はこちらから。

ドラマ『ロキ』シーズン2最終回の解説&考察はこちらの記事で。

映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストの解説&考察はこちらから。

映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』ラストの解説&考察はこちらから。

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ラストの解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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