映画『私たちが光と想うすべて』本予告公開
⼤都会ムンバイから海辺の村ラトナギリへ。仕事、恋、結婚──ままならない⼈⽣に揺れる⼥性たちの友情を描く、儚いけれど決して消えない光を放つ感動作、2025年7月25日(⾦)公開『私たちが光と想うすべて』の本予告が公開された。
インド映画史上初、第77回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞したほか、100を超える世界の映画祭・映画賞にノミネート、25以上の賞を獲得。“夜のムンバイを背景にした孤独なロマンスを、これほど美しくとらえた映画は初めてだ(Variety)” “⼼を奪われない⼈はいないはず(BBC)”“ 完璧な1作(Les Inrockuptibles)“と絶賛が続出し、初⻑編劇映画にして70ヶ国以上での公開が決定。監督は、5月13日(火)から始まる第78回カンヌ国際映画祭の審査員にも選ばれた、新鋭パヤル・カパーリヤーだ。
本予告は、同僚のルームメイトのプラバとアヌが住む部屋に“差出⼈のない”プレゼントが届くシーンから始まる。送り主は、ドイツで仕事を⾒つけたあと、全く⾳沙汰が無いプラバの夫のようだ。「最後に電話したのは︖」「一年以上前かしら」――プラバは<冷たい炊飯器>を⼀⼈の夜に黙って抱きしめることしかできない。
⼀⽅アヌも「⾒知らぬ⼈と結婚できるもの?」「私には無理」――奔放に恋愛を楽しみながらも、親から届くお⾒合い写真と周囲からの評判の間で葛藤。⽂化、宗教、階級、性別、数えきれない現実の壁に捕われてままならない⼈⽣。「運命から逃れられない」「幻想を信じないと気が変になる」そう呟きながらも、それでも必死に前を向き、ありのままに⽣きていこうとする⼆⼈。
インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。⼆⼈はルームメイトとして⼀緒に暮らしているが、職場と⾃宅を往復するだけの真⾯⽬なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し⼼の距離があった。プラバは親が決めた相⼿と結婚したが、ドイツで仕事を⾒つけた夫から、もうずっと⾳沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋⼈がいるが、親に知られたら⼤反対されることは分かっていた。そんな中、病院の⾷堂に勤めるパルヴァティが⾼層ビル建築のために⽴ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、⼀⼈で⽣きていくというパルヴァティを村まで⾒送る旅に出る。神秘的な森や洞窟のある別世界のような村で、⼆⼈はそれぞれの⼈⽣を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する──。
「⼈知れず私がどこかに消えても、誰も気づきやしない」「私たちがいるわ」―優しさに満ちた⾔葉と⼆⼈の⼼象を奏でるような⾳楽、多種多様に溢れる光と美しい⾊彩が捉えられた映像となっている。
予告編の冒頭には、本作がカンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した際の審査員でもある映画監督・是枝裕和からのコメントも。「カンヌ映画祭で出会い、本当は⾃分だけの宝物にしておきたいけど、こっそりお勧めします。傑作です」と称賛の声を寄せている。
解禁されたシーン写真は10点。どこか遠くを⾒つめるような眼差しで病院の受付に座るアヌ、それぞれが⼤切にする愛おしい⼈たちとの時間を捉えたカットのほか、勤務する病院で同僚と映像を⾒るプラバの様⼦など、いずれも⼆⼈が⽣きる⽇常をそっとすくい上げるような優しい視点で切り取ったものとなっている。
インド映画として30年振りに第77回カンヌ国際映画祭のコンペティション部⾨⼊りを果たした『私たちが光と想うすべて』。グレタ・ガーウィグ監督を審査員⻑に、⽇本から審査員として参加した是枝裕和監督も。本作を絶賛。パルム・ドールを受賞し、その後アカデミー賞作品賞を受賞した『ANORA アノーラ』ほか、『エミリア・ペレス』『サブスタンス』など、その年の注⽬作品となる強豪作品が多数出品された中、インド映画史上初のグランプリを獲得したほかゴールデン・グローブ賞など100以上の映画祭・映画賞にノミネートされ25 以上の賞を受賞。オバマ元⼤統領の2024年のベスト10に選ばれ、70ヶ国以上での上映が決定するなど世界中から⾼評価を獲得した。
なお、本作の監督を務めたムンバイ⽣まれの新鋭カパーリヤーが、最初にその稀有なる感性を世界に⾒つけられたのは、初の⻑編ドキュメンタリー映画『何も知らない夜』。2021年のカンヌ国際映画祭監督週間でベスト・ドキュメンタリー賞に当たるゴールデンアイ賞、2023年の⼭形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部⾨でロバート&フランシス・フラハティ賞(⼤賞)を受賞した。
鋭く政治的でありながら美しく詩的なハイブリッド作品と⾼評価を受け、ドキュメンタリーというジャンルの可能性を広げ、初の⻑編劇映画となった本作で⾒事カンヌ国際映画祭グランプリを獲得。光に満ちたやさしく淡い映像美、洗練されたサウンド、そして夢のように詩的で幻想的な世界観を紡ぎ出し、これまでのインド映画のイメージを⼀新している。
「ウォン・カーウァイを彷彿とさせる」と評判を呼び、シャーロット・ウェルズ監督(『aftersun/アフターサン』)、セリーヌ・ソン監督(『パスト ライブス/再会』)など、30代の若⼿⼥性監督たちの作品が世界の映画祭で脚光を浴びる中、現在39歳のパヤル・カパーリヤー監督もまた、世界中から新たな才能として注⽬を集めている。
タイトルが⽰す通り、全編にわたって多種多様な光がスクリーンからこぼれ落ちる本作。繫華街のネオン、スマートフォンのライト、朝の太陽と⼣陽、海の⽔⾯、そして彼⼥たちの瞳の輝きと⼼に灯された希望──世界中に光を届ける新たな傑作が、この夏、⽇本を照らし出す。
映画『私たちが光と想うすべて』は2025年7月25日(⾦)よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー。
【CAST&STAFF】
監督・脚本:パヤル・カパーリヤー
出演:カニ・クスルティ、ディヴィヤ・プラバ、チャヤ・カダム
原題:All We Imagine as Light/2024年
製作国:フランス、インド、オランダ、ルクセンブルク
原語:マラヤーラム語、ヒンディー語
時間:118分
字幕:藤井美佳
配給:セテラ・インターナショナル PG12
(C) PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS – BALDR FILM – LES FILMS FAUVES – ARTE FRANCE CINÉMA – 2024
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