『デス・ストランディング』で豪華俳優陣が起用された二つの理由とは 小島秀夫監督が語る | VG+ (バゴプラ)

『デス・ストランディング』で豪華俳優陣が起用された二つの理由とは 小島秀夫監督が語る

(C)Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.

ドイツで『デス・ストランディング』について語る

ドイツのベルリンで開催されたEGX Berlin 2019にゲームクリエイターの小島秀夫監督が登壇し、発売日が2019年11月8日(金)に迫った『DEATH STRANDING (デス・ストランディング)』について語った。

『デス・ストランディング』の特徴の一つは、その豪華なキャストだ。主人公のサムを演じたノーマン・リーダス、クリフ役のマッツ・ミケルセン、デッドマン役にはギレルモ・デル・トロ監督、ハートマン役にニコラス・ウィンディング・レフン監督が起用されるなど、ゲーム作品としては異例とも言える豪華な布陣で制作されている。

『デス・ストランディング』に登場する俳優の詳細については、以下の記事をご覧いただきたい。

キャスティングにも“繋がり”

EGX Berlinでは、『デス・ストランディング』において、なぜこの俳優陣を選んだのかと質問され、小島監督は以下のように答えた。

(理由は) 二つあります。これは何度も言っていますが、(独立して) ゼロからのスタートだったので、何もなかったんです。銀行はお金を貸してくれへんし、ビルも貸してくれないんですけど、銀行やビルのお偉いさんが僕のファンだったので借りられたんです。デル・トロさんもレフン監督も友達で、ノーマンもそうだったので、やっぱり自分が一番信頼している人たちとゲームを作りたい、(『デス・ストランディング』は) 世界をつなげていくゲームなので、繋がりをたどってゲームを作った、というのが (理由の) 一つです。

独立後、すべてがゼロからのスタートだったという話は、小島監督が自身のTwitterなどでも発信してきたことだ。そんな中にあって、『デス・ストランディング』という新たな船出は、ストランディング=繋がりによって支えられていたのだ。

「自然なムーブメント」

そして、小島秀夫監督が今回のキャストを選んだ二つ目の理由については、以下のように語っている。

今のフォトリアルのゲームは、あらゆるゲームがCGデザイナーがゼロから作っているわけではありません。誰かをキャプチャーしています。俳優さん、声優さん、モデルさん、自分、友達、それらをブレンドして作っているんです。そういう時代であれば、やはりより良いキャラクターを作るには良い俳優さんを使うべきだと思うんです。個性のある俳優さんを使うことで、よりドラマが活きてくるので、僕がやっているのはすごく自然なムーブメントだと思います。スケジュール調整などは大変ですが、これからは普通になると思います。俳優さんが映画に出る、ゲームにも出る、というのは新しくもないことになると思います。

単純に自身の繋がりの中からキャストを選んだというわけではなく、『デス・ストランディング』の内容に見合った個性的な面々が選ばれたということだ。小島監督は、ゲーム作品としては異例とも言える豪華キャストについても、「これからは普通になる」と予想した。

ゲームでしかできない起用法も

ゲームは映画とは違い、モデリングによる出演が可能なため、『デス・ストランディング』には普段演技をしないデル・トロ監督、レフン監督ら映画監督も出演を果たしている (声とモーションキャプチャーは別の役者が担当している)。アメリ役を演じたリンゼイ・ワグナーは『デス・ストランディング』発売時点で70歳を迎えるが、作中では『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』 (1976-1978) の頃の若き日の姿で登場するなど、ゲームでしかできないキャステングの方法を披露している。小島監督は、『デス・ストランディング』を通してまたも新たな基軸を打ち立てることになるのだろうか。

なお、同イベントでは『女は二度決断する』(2017) のファティ・アキン監督も登場。ゲームと映画に関する興味深いトークを繰り広げている。

10月30日には、フランスのパリで開催されたParis Games Weekで、最終版のトレーラーとなる『デス・ストランディング』のローンチ・トレーラーも公開されている。詳細は以下の記事からご覧いただきたい。

なお、ファティ・アキン監督との対談の中で小島秀夫監督が語った「人を豊かにする」というゲームメディアが持つ特性については、以下の記事からご確認いただきたい。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント
¥2,469 (2024/03/18 18:30:50時点 Amazon調べ-詳細)

Source
EGX Berlin Twitch

VG+編集部

映画から漫画、ゲームに至るまで、最新SF情報と特集をお届け。 お問い合わせ

関連記事

  1. 映画版『メタルギア ソリッド』監督が衝撃を受けた 小島秀夫監督の制作手法とは?

  2. BAITより「ストリートファイター」のカプセルコレクションが登場 adidas Originalsとのコラボシューズも

  3. アクションがさらに進化『STAR WARS ジェダイ:サバイバー』ファイナルトレーラーが公開 4月28日発売

  4. ゲームマーケット初出店!大喜利系ボードゲーム『SFメイカー』で、渾身のSF作品を作ろう