『アンブレラ・アカデミー』シーズン5、Netflix側は制作希望していた それでも打ち切った理由とは | VG+ (バゴプラ)

『アンブレラ・アカデミー』シーズン5、Netflix側は制作希望していた それでも打ち切った理由とは

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『アンブレラ・アカデミー』シーズン5はある?

2019年に配信を開始したNetflixのドラマシリーズ『アンブレラ・アカデミー』のシーズン4が2024年8月8日(木) より配信を開始した。ダークホースコミックスのコミックを原作とした本作は、ヴィクター/7号役のエリオット・ペイジやファイブ/5号役のエイダン・ギャラガーといった新たなスター俳優を生み出した。

Netflixのヒーロードラマとしては、随一の人気のドラマとなった『アンブレラ・アカデミー』。シーズン2は配信後、最初の28日間で4,300万人が視聴し、2020年で6番目に視聴されたドラマ作品にもなった。ファンが気になるのは、全6話で構成されたシーズン4の配信を終えて、シーズン5は制作されるのかどうかという点だ。

ご存知の方も多いと思うが、ドラマ『アンブレラ・アカデミー』はシーズン4がファイナル・シーズンとされており、シーズン5以降に更新される予定はない。シーズン4のラストが本シリーズにおけるエンディングであり、アンブレラ・アカデミーの物語はシーズン4で幕を閉じている。

実は、4シーズンで完結させるという『アンブレラ・アカデミー』の方針は、 ショーランナーを務めたスティーブ・ブラックマンがシーズン2の時点で持っていた考えだったという。ディエゴ/5号役を演じたデヴィッド・カスタニェーダは、米The Directのインタビューでこう話している。

ブラックマンはシーズン2のかなり早い段階で「私的には(ストーリーは)4シーズン分。5シーズンはないね。Netflixはシーズン5までやりたいと思うけど」と言っていたと思います。

CEOはシーズン5以降も希望していた

一方で、シーズン1の配信時はCCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)で、シーズン2配信後に共同最高責任者になったNetflixのテッド・サランドスCEOは、『アンブレラ・アカデミー』をより長く続けたいと考えていたそうだ。デヴィッド・カスタニェーダはこう続けている。

シンガポールで取材を受けた時のことです。テッド・サランドスが同じテーブルに座っていて、「君たちのドラマが大好きだ」と言ったんです。彼は「4話まで観たよ。最高の番組だね」と言っていて、私は「本当に?」って感じだったんですが、彼は「あぁ、7シーズンくらいは欲しいね。本当にそれくらい長く続いてほしい」って言ったんです。

デヴィッド・カスタニェーダは、「テッド・サランドスが気に入っているなら大丈夫」と自信を深めたといい、「皆が2シーズンか3シーズン続けば良いって言ってる中で、4シーズンも作れたこと」を喜んでいる。

カスタニェーダには、アンブレラ・アカデミーの創設者であるレジナルド・ハーグリーブズと5号の絡みがもっとあれば、という思いはあるそうだ。それでも、当初から4シーズンで終了することが分かっていたからか、『アンブレラ・アカデミー』の出来には満足気である。

人気シリーズにふさわしいフィナーレ

『アンブレラ・アカデミー』は、同じに日に世界中で妊娠していない女性が突然出産し、富豪のハーグリーブズ卿がその中から7人を養子にとって創設したヒーローチームのアンブレラ・アカデミーをめぐる物語。シーズン1第1話の時点でメンバーの一人であるベン/6号が死亡しており、チームは解散状態、家族としてもバラバラで、創設者のハーグリーブズ卿も急死するという意外な設定で注目を集めた。

ふんだんに使用されるポップミュージックと、時折挿入される長尺のダンスシーンなど、独特だがポップな作風で人気を集め、個性豊かなアンブレラ・アカデミーのメンバーを演じた俳優陣もファンから愛されている。一方で、時空を超えてミステリーを解き明かしていく物語も高い評価を受けている。

『アンブレラ・アカデミー』はシーズン1からシーズン3までが10話ずつの構成だったが、2024年8月8日(木) から配信を開始したシーズン4は6話構成となっている。無理に引き延ばすことなく、ストーリーの要請に合わせて全36話で打ち切ったということであり、シーズン4にはシリーズのフィナーレに相応しいラストが用意されている。

『アンブレラ・アカデミー』はNetflixで全4シーズンが独占配信中。

『アンブレラ・アカデミー』(Netflix)

Source
The Direct

【ネタバレ注意】『アンブレラ・アカデミー』シーズン4ラストの解説&考察はこちらから。

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NetflixオリジナルのSFドラマでは『ブラック・ミラー』がシーズン7への更新が発表されている。詳しくはこちらから。

日本ではNetflixで配信されていたドラマ『スノーピアサー』は、最終シーズンとなるシーズン4の米国での放送局が決定し放送を開始している。詳しくはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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