『ザ・バットマン』スピンオフに注目
2022年に公開され、高い評価を得ると共に大ヒットを記録した映画『THE BATMAN -ザ・バットマン-』の更なるスピンオフ企画が存在しているようだ。『ザ・バットマン』のスピンオフ企画については、ドラマ『THE PENGUIN -ザ・ペンギン-』が製作され、日本ではU-NEXTで2024年9月20日(金) より配信される。しかし、製作陣によると更なる企画が用意されているという。
元々、DCU(DCユニバース)と世界観を共有しない『ザ・バットマン』では、スピンオフとして精神病院のアーカム・アサイラムを舞台としたスピンオフが計画されていた。DCスタジオの再編にあたってこの企画はたち消えとなったが、『ザ・バットマン』の監督を務めたマット・リーヴスは『ザ・バットマン』のスピンオフの構想について改めて米The Directに語っている。
アーカム・アサイラムから引き継いだ要素
まず、頓挫した「アーカム・アサイラム」のドラマシリーズについては、『ザ・ペンギン』のショーランナーであるローレン・ルフランが主導したものだとした上で、ソフィア・ファルコーネというキャラクターにフォーカスした内容であったことを明かした。
あのストーリーは、ローレンがソフィア・ファルコーネのバックストーリーとして思いついたものから派生したんです。そして、選ばれた要素、活用された要素というのは、ソフィアのストーリーを伝えるものだけでした。皆さんが目にするキャラクターは、アーカムでの経験を経て形成された人格なのです。
ドラマ『ザ・ペンギン』には、クリスティン・ミリオティ演じるソフィア・ファルコーネというキャラクターが登場する。その名前を見て分かる通り、ソフィアは『ザ・バットマン』に登場したカーマイン・ファルコーネの娘である。
カーマイン・ファルコーネは、映画『バットマン ビギンズ』(2005) やドラマ『GOTHAM/ゴッサム』(2014-2019) にも登場した「バットマン」作品の大物ヴィラン。『ザ・バットマン』ではペンギンも恐れる裏社会のボスとして登場したが、リドラーによって殺されている。
『ザ・ペンギン』にはその娘で原作コミックでもあるソフィアが登場。ソフィアはアーカム・アサイラムでの10年の刑期を終えて出所し、亡き父が遺した帝国の実権を握ろうとする。どうやらソフィア・ファルコーネの10年間は元々予定されていた「アーカム・アサイラム」のドラマシリーズで描かれるはずだったようで、『ザ・ペンギン』でのソフィアのキャラクター設定には、幻となった同シリーズでの出来事が反映されているようだ。
更なるドラマシリーズも?
また、『ザ・バットマン』のプロデューサーで、『ザ・ペンギン』の製作総指揮も務めるディラン・クラークは、「彼女(『ザ・ペンギン』ショーランナーのローレン・ルフラン)のアイデアと(ソフィアについての)要素は、すべて彼女のためのアイデアであり、私たちが引き続き取り組んでいる他のシリーズと結びつくものではありません」とコメントしている。
ここで言う「他のシリーズ」とはドラマ作品のことを意味しているのだが、現状、『ザ・ペンギン』以外に『ザ・バットマン』と世界観を共有する作品の製作は発表されていない。映画では『ザ・バットマン Part2(原題)』の公開が2026年10月2日に予定されているが、それ以外にもドラマシリーズでゴッサムシティの物語を拡張する計画があるということなのだろう。
DCUとバットマン・サーガ
DCコミックスの実写作品をめぐっては、ジェームズ・ガンとピーター・サフランがDCスタジオの共同CEOに就任し、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)をDCU(DCユニバース)として仕切り直すことが発表されている。劇場公開映画第1弾としては、ジェームズ・ガン監督作品の『スーパーマン(原題)』が2025年7月11日(金) に全米で公開される予定だ。
一方で、マット・リーヴス監督が手がける『ザ・バットマン』や、トッド・フィリップス監督の「ジョーカー」などはDCUに含まれず、独自のユニバースを展開する。ロバート・パティンソンがバットマンことブルース・ウェインを演じる「ザ・バットマン」のユニバースは「ザ・バットマン・サーガ」「バットマン・クライム・サーガ」「バットマン・エピック・クライム・サーガ(BECS)」などと呼ばれており、長期的な展開が期待されている。
映画『ザ・バットマン』公開から2年半。期待された新たなフランチャイズは、まずはドラマ『ザ・ペンギン』で幕をあける。『ザ・バットマン Part.2』までにどんな展開が待っているのか、しかとその目で見届けよう。
ドラマ『The Penguin -ザ・ペンギン-』はU-NEXTで2024年9月20日(金) より配信開始。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は4K ULTRA HD&ブルーレイセットが発売中。
Source
The Direct
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