実写版『カウボーイビバップ』配信開始!!
2021年11月19日(金)より、実写版『カウボーイビバップ』のNetflix全世界独占配信が開始された。『カウボーイビバップ』は1998年にTV放送された日本のアニメ作品。制作はサンライズ、監督は渡辺信一郎、音楽は菅野よう子が務めた。
当時から”大人向け”を意識して制作され、そのクールなビジュアルやハードボイルドなストーリーで全世界にファンを持つ伝説的な作品だ。何度かの実写化企画を経て、この度遂にNetflixオリジナル作品として連続ドラマ化が実現した。
かく言う筆者も、小学生の頃なにげなく点けたテレビで謎のモジャモジャ頭のスーツ男が何やらガスバーナー片手に宇宙船内を探索しているシーン(アニメ版第11話「闇夜のヘヴィ・ロック」)を目にして以来のカウボーイビバップファンだ。
あの時偶然テレビを点けていなかったら、人生は180度変わっていたに違いない(少なくとも今この記事を書いていることはなかっただろう)。『カウボーイビバップ』という作品に人生を狂わされた者の一人として、遂にお披露目となった実写版の登場人物をアニメ版との相違点を中心に紹介していこう。
Let’s jam.
登場人物紹介【スパイク・スピーゲル】
言わずと知れた『カウボーイビバップ』の主人公、スパイク・スピーゲル。実写版でスパイクを演じた俳優はジョン・チョー。ジョン・チョーは1972年生まれの韓国系アメリカ人俳優だ。過去の出演作についてはこちらの記事に詳しい。
日本語吹き替えは原作アニメ版『カウボーイビバップ』でスパイクを演じた山寺宏一が続投。やはりスパイクは山寺宏一でなくっちゃ!というファンの誰もが望む形でのキャスティングが実現して感無量だ。
実写版『カウボーイビバップ』においてもスパイクは勿論第1話「Cowboy Gospel」より登場。しかし登場の仕方はアニメ版第1話「アステロイド・ブルース」とは異なる。
アニメ版第1話「アステロイド・ブルース」ではスパイクは冒頭、彼らのホームである宇宙船「ビバップ号」内で一人格闘技(ジークンドー)の訓練をしているシーンで登場。
実写版『カウボーイビバップ』第1話「Cowboy Gospel」では、賞金首のテロリスト(田中)一味が占拠した宇宙に浮かぶカジノに何食わぬ顔でエレベーターでやって来るのが初登場シーン。ファンならば思わずニヤけてしまうこのシーンは、TV版ではなく2001年に公開された劇場版『カウボーイビバップ 天国の扉』冒頭シーンのオマージュだ。
『カウボーイビバップ 天国の扉』では舞台はカジノではなく、賞金首も大した武装を持たないコンビニ強盗のチンピラたちだった。しかし、ヘッドホンをしたまま客のフリをして現場に現れ、強盗の制止を聞かず奇襲を仕掛けるシーンはまさにスパイクそのものだった。
『カウボーイビバップ 天国の扉』ではコンビニ内の強盗を片付けて一段落と思いきやトイレを済ませた最後の一人が慌てて客の老婆を人質に取るものの、スパイクは人質を意に介することなく強盗の肩を撃ち、結果的に人質も救出するシーンがある。ここはスパイクの生来的な「アウトロー」気質と、あらゆる意味でそれが許される「凄腕」を一度に印象付ける秀逸なシーンだ。
実写版『カウボーイビバップ』第1話「Cowboy Gospel」では、『カウボーイビバップ 天国の扉』とは異なり、テロリストのリーダー田中が老婆を人質に取りスパイクに迫った。そこへトイレから出てきた一味の男が携帯式の小型ビーム砲(?)”ディスラプター”をぶっ放し、カジノの壁に穴が開いてスパイクたちは宇宙空間に放り出されてしまいそうになる。
アニメ版では、宇宙時代とは言えスパイクは実銃の「ジェリコ941」(のカスタムタイプ)を愛用し、ヘビースモーカーとして煙草を一服するシーンも度々描かれた。
そんなスパイクの活躍する『カウボーイビバップ』の世界観に「携帯型ビーム砲」というアイテムはそぐわない気もするが、そこは実写版への、かつこれまでのファンのみならず初見の人々向けに「スペースオペラ」を印象付ける為の”翻訳”なのだと割り切ろう。
実写版『カウボーイビバップ』第3話「Dog Star Swing」冒頭では、娘のキミーにプレゼントを買ってやる甲斐性もないと嘆くジェットがタルシスの街を出ようと言うがスパイクは引き止める。タルシスで賞金首を探すことを提案するスパイクをジェットは「タルシス嫌いだろ?」と訝しむが、スパイクは「嫌いですよ。でも、あんたがキミーとずっと会えない辛さを思えば屁でもねえよ、そんなものは」と返す。
アニメ版『カウボーイビバップ』ではジェットは結婚歴のない独身男性として設定されていたと記憶するが、実写版『カウボーイビバップ』ではどうやら離婚したらしい妻との間に娘が居るようだ。それに伴い、スパイク自身も”相棒”の家族を案じるなどアニメ版に較べると大分人情味のあるキャラクターに作り直されているらしい。
余談だが、アニメ版がテレビ東京で初放送された際には諸事情により第2話「野良犬のストラット」からの放送となった。こちらでは賞金首お披露目の冒頭シーンの後、ビバップ号内のソファにもたれてテレビを見るのがスパイクの初登場シーンとなる。
スパイクが初めて視聴者の前に姿を見せたのは、これで本放送TVアニメ版第1話(アニメ版第2話「野良犬のストラット」)、現在ソフトや配信などで確認できるアニメ版第1話(「アステロイド・ブルース」)、そしてNetflix実写版『カウボーイビバップ』第1話「Cowboy Gospel」の3パターン存在することになる。
アニメ版ラストでは、ビシャスとの戦いの末にすべての過去を清算したスパイク。だが、実写版ではどうやら過去がすべて清算されたとは言い難いようだ。制作陣も意気込むシーズン2を期待していいということだろうか?
いずれにせよ、『カウボーイビバップ』という作品からはまだまだ目が離せそうにない。
ドラマ『カウボーイビバップ』はNetflixで独占配信中。
ドラマ『カウボーイビバップ』のオリジナルサウンドトラックは予約受付中。
【ネタバレ注意!】エドが登場するかどうかについての解説はこちらの記事で。
ビシャス役のアレックス・ハッセルがワールドプレミアで本作の「予想外の展開」に触れていた。詳しくはこちらの記事で。
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