シーズン2第4話・第5話・第6話ネタバレ解説『キャシアン・アンドー』反乱の燃料、怖すぎるソウ・ゲレラ あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

シーズン2第4話・第5話・第6話ネタバレ解説『キャシアン・アンドー』反乱の燃料、怖すぎるソウ・ゲレラ あらすじ&考察

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ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話・第5話・第6話はどうなった?

ドラマ『キャシアン・アンドー』は映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) までの反乱同盟の物語を描く「スター・ウォーズ」シリーズ最新作。2022年にシーズン1が配信され、2025年4月より二部作の後編にあたるシーズン2がディズニープラスで独占配信を開始している。

『キャシアン・アンドー』シーズン2は全12話で毎週3話ずつ配信され、4週間で配信を終える。今回は、配信2週目の第4話・第5話・第6話についてネタバレありで解説&考察を記していこう。以下の内容は重大なネタバレを含むため、必ずディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話・第5話・第6話の内容に関するネタバレを含みます。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話ネタバレ解説

ゴーマンのシリル・カーン

ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話・第5話・第6話は、前の3話と同じくアリエル・クレイマンがエピソード監督を務める。ただし、脚本家は前回のトニー・ギルロイから『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(2013-2018) を手がけたボー・ウィリモンに交代している。

シーズン2第4話からは第3話の1年後、ヤヴィンの戦いの3年前が舞台になる。やはり3話ごとに1年ジャンプし、反乱同盟がデス・スターを破壊したヤヴィンの戦いへのカウントダウンが進んでいくようだ。

第1話に続き、再びビックスの悪夢が描かれる。拷問を受けたドクター・ゴーストの呪縛から、ビックスはまだ解き放たれていなかった。食器やタオルの話を通して取り戻せなくなった日常を求めるビックスと、それに寄り添うことしかできないキャシアンの姿は見ているだけで辛い……。

一方、シリル・カーンは標準局のゴーマン局で主任を任されていた。1年前よりも自信に満ちている感じがして、心なしかファッションもエレガントさを取り戻している気がする。侵入者が分かるように仕掛けをして出かける繊細さは残っていながら、道路をゆっくり斜めに渡ったり、道のど真ん中を歩く大胆さも身につけたようだ。

前回デドラに釘を刺されたシリルの母は不満そう。シリルはデドラと別れたことも指摘されている。コルサント(首都)から離れたというだけでネガティブな印象を抱かれる、親が陰謀論にハマっているというのは妙にリアルな展開だ。

帝国は1年の間で「ゴーマン人は尊大」というプロパガンダを展開し、反ゴーマンの世論を形成していた。帝国は強硬なやり方と世論を味方につけるソフトなやり方を織り交ぜて支配を強めているようだ。現実における強権政治の在り方とも一致する。

帝国が世論を気にしているのは、反乱運動が一定の成果を得ているからだろう。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) ではタトゥイーンに住む青年のルーク・スカイウォーカーも反乱同盟にポジティブな感情を抱いていた。

「プロパガンダに踊らされるな」「反ゴーマンの動きは指示も出ている」「ゴーマンは帝国の脅威じゃない」と、母親に反論する中で反帝国の言説を披露するシリル。そして、それを盗聴していたのはゴーマン側の人々だった。

ゴーマン人が使っている言葉はゴー語(Ghor)で、「スター・ウォーズ」公式サイトによると、ゴーマンの言語を制作したのはMarina Tyndallで、筆記体もグラフィックデザイナーのElle McKeeとLauren Dixから名前を取って「Ghorelle」「Dixian」の二種類が作られたという。徹底している。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話で紹介されるのは地域に根ざした反乱グループのゴーマン戦線だ。ゴーマンでは武器庫の建設中止を求める抗議活動が行われている。帝国内の反乱分子とみなされたシリルはゴーマン戦線からスカウトを受けるのだが、シリルは盗聴されていることも把握した上で反乱分子へのスパイ活動を行っていた。

母親にも内緒でデドラとは繋がっており、シリルはデドラにゴーマン戦線の動きを報告していた。ゴーマンの件についてはデドラは帝国内に対しても隠密に動かなければならず、信頼できるシリル——それも保安局ではなく標準局のシリル——に手足となることを命じていたのだろう。

キャシアンとビックスの苦悩

キャシアン・アンドーとビックスはコルサントにいることが明らかになる。キャシアンの方も普通に買い物をすることが難しくなっている様子。この1年間の間にも二人は任務をこなしてきたようで、社会生活にも影響が出ている。キャシアンはその状況を「戦争中だ」と言い切る。これはシーズン1第11話でソウ・ゲレラが言った言葉と同じだ。

『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) は、明確な戦争状態の中で戦う軍人達とジェダイの姿が描かれた。反乱活動はいわば静かな戦争であり、人知れず戦い続けなければならない。そんな日常の中で、キャシアンとビックスはPTSDを患っているように見える。

ビックスは、これが戦争であれば何を救うかは選べない、全てを諦めるなら勝たなければいけないと語る。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) でのキャシアンは冷酷な戦士という印象だったが、こうして徐々に覚悟を決めていったのだろうか。

また、この場面でビックスはマーヴァとキャシアンの妹とは違って自分の身は守れると話す。キャシアンの妹ケリについて触れられるのは久しぶりのことだ。キャシアンは元々惑星ケナーリの原住民だったが、帝国の鉱山事故により妹と生き別れになり、シーズン1第1話ではケリを探して旅に出ていた。

安全の名の下に

保安局の会議では、シーズン1でデドラのアシスタントを務めていたヒアートがアクシス(ルーセンのコードネーム)担当としてデドラと同じ監査官に昇進していることが明かされる。デドラはアクシス担当だったがしくじり、部下にそのポストを開け渡すことになったのだ。この後デドラはヒアートに話しかけるが、ヒアートはデドラに反抗的な態度を見せている。ヒアートも地位を得て変わってしまったのだろうか。

保安局会議の空気は最悪だが、そんな中ロニ・ヤング監査官が反乱分子を逮捕しすぎで手に余っているとパータガス少佐へ報告する。ロニ・ヤングはシーズン1で反乱グループのスパイであったことが明らかになった人物。ヤングはルーセンに情報を流していたが、娘ができたことから反乱活動からもISBからも抜けたいと言い出していた。その時、ルーセンは自分は人生の全てを反乱に捧げてきたと語り説得していたが、ヤングは2年経っても活動を続けているようだ。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話では、モン・モスマはゴーマンを救うために再判例を廃止して新法を制定するために動いている。だが、相談する有力者達からはことごとく協力を断られてしまう。「これは政治ではなくセキュリティの問題」と主張する人物も。現実においてイスラエルから侵略を受けているパレスチナが置かれている状況にも重なる。

こうして安全な場で「賛成すれば皇帝の不興を買う」「今はゴーマンに問題を結びつけるのは賢明じゃない」という理由で下される一つ一つの結論が現地の人々を死に追いやるのだ。みなが皇帝の意向を忖度し、逆らえない状況。権力者が求めるのは、圧力をかけずとも人々が自ら逆らうことをやめる状態だ。

ちなみに「セキュリティ(安全)」という言葉はアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2020) シーズン3第18話のモン・モスマの演説にも登場する。この時モスマは、安全の名の下に皇帝は恐怖政治を進めていると指摘した。

ヤングはデドラ・ミーロが秘密裡にゴーマンを動かしていることをルーセンに報告。カツラを取ったルーセンは北野武のような風貌で、服装的にももはやダークサイドの人間のようですらある。

ソウ・ゲレラがいた場所は?

ゴーマンでは反乱集会が開かれており、ゴーマンの人々が帝国への不満を共有していた。ここに参加したシリルは、過去にターキン総督が起こした虐殺の遺族もおり、慰霊碑に影を作る形でパルモに建てられる建物が武器庫らしいということを知る。

ゴーマン戦線のリーダー、カロ・ライランツはシリルに16年前にターキン総督(グランド・モフ)がゴーマンで丸腰の500人を殺す虐殺を起こしたことを語り、情報提供を求めるのだった。ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話は、やや心が揺れているようにも見えるシリル・カーンにスポットライトが当てられる回だ。

一方のキャシアン・アンドーはルーセンからゴーマンに“査察”の仕事で送られる。そうしてキャシアンはまたも不安定な状態のビックスから離れることになる。ディカーではフォレスト・ウィテカー演じるソウ・ゲレラが登場。シーズン1でも登場したが、『ローグ・ワン』の主人公ジンを育てた人物で、反乱運動の過激派であるパルチザンを率いている。

ちなみにこのディカーという惑星は、レア・オーガナが率いるレジスタンスが拠点としていた場所で、映画『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』(2015) から登場する。レジスタンス基地は元々反乱同盟の基地があった場所で、その跡地を利用する形で作られた。『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話では、パルチザンがディカーを利用していたことが明らかになっている。

ソウ・ゲレラはルーセンと旧知の中で、ルーセンはフェリックス組のウィルモンをヘルプとして送ったらしい。ウィルモンが持ってきたのはライドニウムというスターシップ等に用いられる燃料を見つけるための機械だ。これがあればパルチザンの燃料問題が解決できる。

だがウィルモンは、この機械の使い方をパルチザンのプルティというメンバーに完璧に教えるまで帰してもらえないという。反乱組織間で捕虜を取る嫌な展開。ソウ・ゲレラも態度とは裏腹に人材に余裕がないのかもしれない。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話は、キャシアンが旅立ち、残されたビックスが薬物を摂取するところで幕を閉じる。シリルのお母ちゃんは首都惑星のコルサントにいることに価値があると考えていたが、傷を抱えるビックスはコルサントの都会の夜に飲み込まれそうになっている。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第5話ネタバレ解説

ヴァリアン・スカイ

『キャシアン・アンドー』シーズン2第5話の冒頭では、ルーセンとクレヤに危機が迫る。スカルダンが所有する骨董品の中に贋作(そっくりな偽物)が見つかり、ルーセンがモン・モスマの娘の結婚式の日に運び込んだ骨董品が調べられることに。仕掛けた盗聴器がバレるかもしれないというのだ。

キャシアン・アンドーは、潜入セットを受け取り、“ヴァリアン・スカイ”という名のファッションデザイナーを装ってゴーマンに潜入する。成り切る人物の設定を音声で聞いて覚えるのはかなり大変そうだが、ヴァリアン・スカイバージョンのキャシアンはとってもクール。青いコートに髪型もキマッている。『キャシアン・アンドー』の空気が一気にスパイものになっていく。

「スター・ウォーズ」ドラマ自体がコスチュームに相当力を入れているが、特に『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話・第5話・第6話では、ゴーマンとコルサントを舞台にしているということもあってか、おしゃれなファッションが多数登場したように思う。

シリルは保安局からオフィスの捜索を受けることに。盗聴器が発見され、シリルはそのことを知っていたのにブチギレる演技を見せている。その夜にはゴーマン戦線と密会。カロ・ライランツの、皇帝の知らぬ間に暴挙が進められている、保安局は影の政府だと思う、救国に協力しよう、というシリルへの口説き文句は、保守派の人物を口説き落とす言い回しだ。

そうして、ライランツはシリルから武器庫の資材が運ばれる輸送貨物のデータを得ることに成功。もちろんこれもシリル/デドラの作戦の一環だ。貨物のデータに軍事機密が含まれていることを知ったゴーマン戦線は、帝国貨物の襲撃を決めるのだった。

ルーセンはキャシアンのいないビックスの家を訪問。社長が急に自宅に来たような不快感がある。ルーセンはビックスの様子を確認しに来たようで、ビックスが薬物に手を出していることを知る。ルーセン目線で考えれば、毎日オフィスで顔を合わせるわけではないのに、反乱メンバーの健康管理も仕事の内なのだから大変だ。

キャシアンは何者なのか

ゴーマンに到着したキャシアンは、16年前のターキンによる虐殺の生存者であるホテルの職員から当時の話を聞く。16年前というと帝国が成立した時期だ。帝国の襲来に抗議する市民の上にターキンは軍艦で着陸したという。現地の人間との対話でキャシアンは何を思ったのだろう。

この青年は父が自分を庇って死んだと話しているが、キャシアンの養父も同時期に帝国軍に抗議をする中でクローン・トルーパーに殺されている。現地の反乱活動を査察するという今回の任務。フェリックスの人々と同じ運命を辿るのでは、とキャシアンが考えたことは想像に難くない。

コルサントに帰ってきたシリルは、デドラの元へ直行。1時間しか会えないと言うデドラに不満を見せ、焦らしながらも「照明を消して」という指示に従う。一昔前なら女性キャラに押し付けられていたであろう“都合の良いスパイ”を全うするシリル。どこか憎めない。

キャシアンは、設定を無視して接触してきたライランツの娘のエンザや、帝国内部の情報源を得たと話すライランツに懐疑的な視線を向ける。ここまで数々の任務をこなしてきたという自負もあるのだろう。

武器庫に入れる武器を運ぶ貨物を襲撃し、帝国が武器を持ち込んでいることを現行犯で世間に暴くと共に、武器も手に入れるというのがゴーマン戦線の狙いだ。だが、ゴーマンの人々には逃げ場がない。反乱を起こすことには成功したが、故郷のフェリックスを追われて辛い日々を過ごすキャシアンにとっては、かつての自分たちを見ているような感覚もあるのだろう。

キャシアンは下見をした上で、ライランツに手伝いはしないと告げる。武器を奪っても帝国軍に潰されるのがオチだと考えたのだ。ライランツの「君は革命家ではないようだ」という言葉は重い。キャシアンはまだ自分を定義する言葉を持たない。ゴーマンでは“ヴァリアン・スカイ”になりすまし、コルサントでは隠れて暮らすキャシアンは何者なのか。

シリルはパータガス少佐に、ゴーマンを餌に反乱分子を誘い出す計画を実行に移す時期だと進言。これが受け入れられ、シリルは飛び級で保安局の長に褒められたことの喜びを隠せない。それにしても、パータガスはなんだかんだ部下の言うことに耳を傾ける上司ではある。あと多分、デドラが無表情で発した「Good to see you happy.(喜んでて何より)」は本心からのものだろう。

怖すぎるソウ・ゲレラ

パルチザンの方は、ウィルモンが機械の使い方を教えていたプルティをソウ・ゲレラが射殺。プルティは帝国のスパイだったという。ウィルモンを仲間にするための芝居であった可能性もあるが、人手に困っている反乱組織としてはコストが高すぎる作戦なので、本当にスパイだったものと思われる。そうしてウィルモンはライドニウムの採掘を自分の手でやることになった。

デカくて白いモフモフのモロフをはじめとするパルチザンメンバーが遠くから見守る中、ウィルモンはソウ・ゲレラとライドニウムの採掘を開始。作業中、とにかくソウ・ゲレラがやかましい。だがこれもウィルモンをオルグ(勧誘)するソウ・ゲレラのやり方なのだろう。

ソウ・ゲレラが話の中で触れているオンダロンはゲレラの出身惑星で、アニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』ではソウ・ゲレラが初めて登場し、オビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカー、アソーカ・タノも参加したオンダロン内戦が描かれた。

ソウ・ゲレラは収容され働かされていた時にライドニウムの気体を浴びた話をすると、今度も「ライドニウムも俺を愛してる」などと言って漏れたライドニウムの気体を浴びている。怖すぎる。ゲレラは自分はクレイジーだと認めた上で、自分たちは共和国の復興の前に死ぬだろうと語る。

確かに、『キャシアン・アンドー』の登場人物たちはほとんどが『ローグ・ワン』以降に登場しない。そんな反乱分子のことを、ソウ・ゲレラは「燃料」だと表現する。大気に摩擦が満ちれば爆発する。反乱の機運が高まるほどに爆発の時は近くなるのだ。

シーズン1ではキャシアン・アンドーという個人が各地で反乱を起こす「火花」と形容された。シーズン2では、各地で広がりを見せる反乱組織が「燃料」だと表現されている。燃料がなければ、火花だけでは爆発は起こせない。

極限状態にあるウィルモンはマスクを取って全身でライドニウムを吸い込み、ウィルモンのパルチザン入りを示唆して『キャシアン・アンドー』シーズン2第5話は幕を閉じる。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第6話ネタバレ解説

キャシアンの抗議

『キャシアン・アンドー』シーズン2第6話の冒頭では、リマ・トレード・ルートからゴーマンを発ったキャシアンはルーセンから怒られてしまう。キャシアンはゴーマンが「潰される」という理由で作戦に賛同しなかったが、ルーセンは対帝国の新たな前線と考えていた。

キャシアンは「泥棒」の発想はやめろと言われ、「兵士」の発想だと返すが、ルーセンからは「リーダー/指導者」の発想をしろと言われる。前回「革命家」ではないと言われたキャシアンだが、ルーセンからは新たなリーダーとして期待をかけられているようだ。

それでもし街が燃えたら、というキャシアンの問いに「赤々と燃え上がるだろう」と返したルーセンの言葉は素晴らしい訳だ。前話ラストのソウ・ゲレラの“燃料論”にも通じる考え方でもある。結果としてゴーマンが燃えたとしても、反乱の機運は高まる。ルーセンはそう考えているのだろう。

キャシアンはコルサントに帰りビックスとの再会を果たす。二人は愛し合うが、その行動は脆くて不安定な精神状態の裏返しのようでもある。キャシアンは留守中にルーセンが訪ねてきたこと、その話を船の中で自分にしなかったことに対して疑心暗鬼に陥り、危険を冒してルーセンを訪ねてしまう。

ルーセンの「殺すか仲間にしろ」と言っただろうという指摘は、シーズン1の最終回ラストでキャシアンがルーセンに言った言葉を引用している。ルーセンもキャシアンがかなり不安定な状態にあることは分かっているだろうが、決め事に背き、ゴーマンとビックスに甘さを見せるキャシアンをきちんと叱っている。

一方、第3話でルーセンがリスクとみなしたテイ・コルマを処分したであろうことを踏まえると、ビックスのことをリスクだと考えるルーセンも怖い。そしてキャシアンは「そっちも協力しろ」と、相互のサポートを要求するのだった。

キャシアンはメダルの配達に来たという表向きの設定を最後まで守ろうとするルーセンに、キャシアンは呆れたような表情を見せている。だが、そのスタンスはキャシアンがゴーマンでエンザに対してやったのと同じことだ。

交差するオーガナとモスマ

帝国側ではドクター・ゴーストが帝国軍に引き抜かれるらしいという情報が共有される。パータガス少佐から保安局の利益を守るよう指示され、「光栄です」と言ってしまったヒアートは、少佐から「熱意は抑えろ」と叱責を受けてしまう。ルーセンもパータガスも、リーダーとして自分より若いメンバーの“感情”に対処していることが分かる。

クレヤはキャシアンの代わりにゴーマンにヴェルを送り込む。相棒はシンタだ。ヴェルはシンタと一緒ならやるとルーセンに言ったこと、シンタは事故に遭って一年間身を潜めており、ルーセンには内緒にしてもらっていたことを明かす。ずっとヴェルのことを考えていたというシンタは、身体的な怪我というより、精神的に大きな傷を負って休んでいたのかもしれない。

このやりとりによって、実はルーセンも若いメンバーに気を遣ってマネジメントを行なっていることが示唆されている。恋人と任務に行きたいというヴェルの要求を飲み、内緒で一年休みたいというシンタの要求も飲んでいたのだ。

ヴェルとシンタはゴーマン戦線との共同作戦に臨むが、やはりここでも感情が問題になる。「犠牲を払ってきたのは私たち」というゴーマン戦線の意見はもっともだ。しかし、ヴェルは任務においては指示に従うだけと告げる。成功しなければ意味はなく、確率を上げるために命令通りに動けるかどうか。そこに配慮といった甘さが介在すれば、成功の確率は下がってしまう。不安の中、作戦決行の前夜にヴェルとシンタは愛し合うのだった。

モン・モスマは元老院の宣誓式の日の宴会周りで大変そう。帝国の繁栄を願う宣誓では、「平和と恵み」の部分だけ復唱する場面も。それでも、優雅なドレスに着替えて宴会に到着したモスマは、ベイル・オーガナと遭遇。レイアの養父であるベイルはドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022) まではジミー・スミッツが演じてきたが、『キャシアン・アンドー』シーズン2第6話では新たにベンジャミン・ブラットが演じている。

3BBYといえば、アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』でレイアとフェニックス戦隊と共闘していた時期だ。モスマ&ルーセンが世話をしたキャシアン達のストーリーラインと、オーガナ家に近かったエズラ達のストーリーラインが、少しだけ交差する。

クレヤとシンタ

ヴェル達がゴーマンの作戦を実行に移す中、ルーセン達も盗聴器を取り出すためにスカルダンの宴会に潜入。モスマが音信不通だと言う「いとこ」とはヴェルのことだ。まさにゴーマンで任務についていることをルーセンは言わない。

一行はスカルダンの収集品を見せてもらうが、なんとここにはオーソン・クレニックも来ており、モン・モスマとバチバチの論戦が繰り広げられる。クレニックの「見方次第で反乱もテロになる」という発言は正しい。裏を返せば、テロとされる行動も見方次第では反乱であり、革命であるということだ。

クレヤはロニ・ヤングを連れて盗聴器の奪取に挑む。ゴーマンと盗聴器、攻めと守りの奪取作戦が同時に展開される緊張感あふれる展開だ。『キャシアン・アンドー』が面白いところは、キャシアンやモン・モスマ、ソウ・ゲレラらを除くほとんどのキャラクターが他の作品に登場しないため、誰が死んでもおかしくないという点だ。

視力が害とされる星で作られたというティニアン古写本から盗聴器を取り出すクレヤ。“触って読む”というこの骨董品であれば、盗聴器を取り出す時にも怪しまれないと踏んで、盗聴器を仕掛ける骨董品にティニアン古写本を選んだのろう。手のひらから血を流しながらネジを回す、クレヤの小さくも重要な戦いが描かれており、クレヤはシーズン2第6話の主人公の一人だと言える。

ゴーマンの方は、シリルが現地からパータガスとデドラに実況で状況を伝えていた。そんな中、ゴーマン戦線のメンバーが指示を破ってブラスターを持ち込んでおり、誤射によってシンタが撃たれてしまう。シンタはゴーマンで最初にヴェルと会った時に素人集団であることに不安を見せていたが、その不安は的中してしまった。

シンタはヴェルに「事故についてはそのうち話す」と言ってたが、その日が来ることはなく、反乱グループとヴェルはシンタを失ってしまった。ヴェルはシンタを死に至らしめたゴーマン戦線のメンバーに、シンタが奇跡の人物だったと話した上で、この死を一生償うよう告げる。シンタの死を無駄にしてはいけない。ビックスが言ったように、全てを失うならば勝たなくてはならない。

“守り”を果たしたクレヤとルーセンは高笑いで宴会場を後にする。その頃、ビックスは大人気のドクター・ゴーストの元へ行き、ドクター・ゴーストに自分が使われた拷問器具を使う。ダイゾン・フレイという月の知覚種族が死ぬ時に出す精神にダメージを与える音を加工した音声が流れる拷問だ。

ビックスの「永遠に感じるだけ」とは、シーズン1第9話でドクター・ゴーストがビックスに器具をつける時に言った「体感的には短くない」を転用したものだ。ビックスはドクター・ゴーストへの復讐を果たすと、外でキャシアンと合流。キャシアンが帝国施設を爆破して『キャシアン・アンドー』シーズン2第6話は幕を閉じる。流れるテーマ曲がかっこいい。

『キャシアン・アンドー』シーズン2第4話・第5話・第6話ネタバレ感想&考察

ルーセンのマネジメント

『キャシアン・アンドー』シーズン2の第二週目、第4話・第5話・第6話は『ローグワン』の3年前が舞台になった。ゴーマンでの任務が描かれると共に、コルサントに移住したキャシアンとビックスの苦悩も描かれている。

最後のビックスとキャシアンの行動は、ルーセンからアサインされた任務だと考えられる。ルーセンが宴会に向かう前に二人は窓から呼び出しのライトの点滅を見ていたからだ。キャシアンはリスクを冒してルーセンの店を訪ね、双方の協力を求めた。結果、ルーセンはビックスのトラウマの元となっているドクター・ゴーストの排除を二人に委ねたのだ。

銀行家のテイ・コルマに対しては厳しい対応を見せたルーセンだが、ヴェルとシンタ、キャシアンとビックスといった若いメンバーには意外と心情に寄り添った柔軟なマネジメントを行なっているように見える。もちろんそうするのはこの面々が“使える”からであり、革命の成就のためと割り切っている部分もあるのだろうけれど。

去った者、ゴーマンの今後

シーズン2第6話では、シンタが退場することに。前週のブラッソに続いて一人ずつ去っていく。ルーセンの元を去ったっぽいメンバーで言えば、生きてはいるがウィルモンはパルチザンに移籍したものと思われる。そしてやっぱりビーはいなかった……。

ゴーマンの作戦は一応成功したが、反乱グループもバラバラになりつつある。ゴーマンが辿る運命については『反乱者たち』を観た方ならご存知だと思うが、2BBYが舞台になると思われるシーズン2第7話・第8話・第9話で具体的に触れられることになるだろう。

シーズン2第4話・第5話・第6話の出来事を通して、キャシアンとビックスは反乱戦士としての士気を取り戻すことができるのか、キャシアンは兵士から指導者になれるのか、そして、ゴーマンでの出来事は反乱運動にどんな影響を与えるのか。シーズン2の後半戦へと入っていく第7話・第8話・第9話の配信も楽しみに待とう。

ちなみに「フォースの日」である2025年5月4日(日) には、ディズニープラスで『スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・アンダーワールド』が配信を開始する。本作ではアサージ・ヴェントレスとキャド・ベインという二人のヴィランの知られざる物語が描かれる。こちらの作品も要チェックだ。

ドラマ『キャシアン・アンドー』はディズニープラスで独占配信中。

『キャシアン・アンドー』(Disney+)

ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン2第1話・第2話・第3話のネタバレ解説&考察はこちらから。

『キャシアン・アンドー』シーズン1最終回第12話のネタバレ解説&感想はこちらの記事で。

シリル・カーンを演じたカイル・ソーラーが語ったシリルのキャラクター像はこちらから。

デドラ・ミーロを演じたデニース・ゴフが語ったデドラのキャラクター像はこちらから。

 

ドラマ『スケルトン・クルー』の解説&感想はこちらから。

ドラマ『スケルトン・クルー』のKBのバックストーリーはこちらから。

ドラマ『アコライト』の解説&感想はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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