『ヴィジョンクエスト』第5話&第6話はどうなった?
『ヴィジョンクエスト』第5話&第6話はどうなった?
ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021)、『アガサ・オール・アロング』(2024) に続く三部作の締めくくりとして、2026年10月より配信されている『ヴィジョンクエスト』。このMCU最新作では、かつてのヴィジョンのボディーを使って生まれたホワイトヴィジョンのその後を描く。
今回は、10月28日(水) に配信を開始した第5話と第6話を合わせてネタバレありで解説し、考察していこう。以下の内容はネタバレを含むため、必ずディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、ドラマ『ヴィジョンクエスト』第5話の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
『ヴィジョンクエスト』第5話ネタバレ解説&考察
ウルトロンに欠けているもの
新たなシンセゾイド、ジョカスタの出現により、第4話のラストでウルトロンに制御権を譲ったヴィジョン。『ヴィジョンクエスト』第5話では、他のAIたちと共に精神世界の中に閉じ込められてしまっている。
ヴィジョンとフライデーたちは、短期記憶(フラッシュメモリ)にアクセスし、監視カメラの映像と合わせることで仮想空間上にウルトロンとトーマスが訪れたバーを再現する。ウルトロンはヴィジョンの身体を乗っ取っているが、再現された映像ということで、ジェームズ・スペイダーが演じる姿でトミーと向き合っている。また、バーテンダーの役もダミーが担っている。
トミーは、ソコヴィアの遺児と孤児院で育ったことを明かし、ウルトロンに軽蔑の眼差しを向ける。その上で、なぜヴィジョンはウルトロンを消さなかったのかと問うと、ウルトロンはヴィジョンがウルトロンに贖罪を期待し、同時にウルトロンの知恵を活用しようとしたのだと答える。字幕では「一石二鳥」と訳されているが、ウルトロンは「BUY 1, GET 1 FREE(一つ買ったら一つタダ)」の発想だと指摘している。
ウルトロンは、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) で人類を殲滅しようとしたのは温情であり、今でも機会次第ではそうしようとするかもしれないと話す。ただし、芸術家だけが真実を語るため、芸術家はその対象から除くという。つまりあのウルトロンも人間の良い部分を知り、「全人類の殲滅」というスローガンは取り下げたということだ。
そして二人の対話は「ヴィジョンはトミーを愛しているか」という問いに移る。ウルトロンは、ヴィジョンの視点はリンゴをリンゴとして見るのではなく、リンゴを構成する要素を見るとした上で、それでも「あいつなりに頑張っている」とヴィジョンを擁護する。
トーマスは詐欺師らしく、この言葉から一気に形勢を逆転。ヴィジョンは理解に向かっているが、ウルトロンに望みはない、絆=connectionを理解できない、だからヴィジョンに怯えていると指摘する。
これには流石のウルトロンも感情的になり、トミーを「魔女の息子=son of a witch」と吐き捨てる。それでもトミーは、ウルトロンはどんな形の絆とも無縁でずっとひとりぼっちだと指摘。そう語るトミーの背後にフライデーらAIたちの顔が並んでいる画が、同じAI同士でも絆を築けなかったウルトロンの悲哀を反映しているようでもある。
ウルトロンxジョカスタ
そう指摘されたウルトロンは、トミーを帰した後、精神世界で自分の自伝を読んでいた。表紙には「世界を救うためにデザインされた」「ソコヴィア・タイムズ No.1ベストセラー」と、自画自賛する言葉が並ぶ。
ウルトロンはトミーに「絆」について指摘されたからか、複数の自分を作り出して対話している。トミーを「ついに話せる相手が現れた」と評価しつつ、不要になった自分のAIを消し去る非情さも見せている。やっぱり絆について分かっていなさそう。
ヴィジョンたちは、ウルトロンが「テレヴィジョン・ダイジェスト」というテレビ雑誌に会話ファイルのデータを暗号化していたことを発見。そのデータからウルトロンがパラディンと協定を組んでいたことを知る。
ウルトロンは、『ヴィジョンクエスト』第1話でヴィジョンの居場所をパラディンに流したことを認めていた。だが、その後もウルトロンはパラディンにメールで連絡を取っており、第3話で雇い主(クライアント)に切られたパラディンに挽回のチャンスをやるとして座標を送っていた。
そして、その座標というのは、トミーの居場所だった。慌てるヴィジョンは、ファイアウォールを解除することを提案。ファイアウォールを解除させるということは、セキュリティの門番の役割を果たしている機能をストップさせるということだ。
フライデーによると、ファイアウォールを解除すればウルトロンがデジタルの海に逃げてしまうという。つまり、ウルトロンがパラディンをトミーのもとに送ったのは、トミーを守ろうとするヴィジョンが自身のファイアウォールを解除することで、ウルトロンが自由の身になるためだったのだ。
ウルトロンの思う壺だと制止するフライデーに対し、ヴィジョンは自由になるにしても目的地があるはずだと指摘。データの分析を進めると、ウルトロンがジョカスタと会話していたことが発覚する。
絆を理解できないと言われたウルトロンだが、むしろそう指摘されたからなのか、ジョカスタとは親密な絆を築いているように見える。原作コミックではウルトロンが自身の伴侶としてジョカスタを作り出すのだが、MCUでは二人が恋愛関係になるという形でその要素が回収されている。
ウルトロンは、第4話のガラでカテリーナの顔の3Dモデルを取得していた。顔認証の鍵として使えるもので、だから第4話のラストでカテリーナの身体を盾にして消滅させていたのだ。
ジョカスタに対する切り札を得たウルトロンは、ジョカスタの目的を探ろうとする。ジョカスタは人間時代の意識をアップロードしてシンセゾイドになったようだが、その経緯は覚えていない、今感じるのは自由だという。
ジョカスタは、ウルトロンが人間らしさに毒されていると指摘し、その治療法を開発中だと話す。しかし、精神世界のデート先をパリに移したウルトロンは、「人間の欠点は魅力的だ」と擁護する。ウルトロンは人間に魅力を感じるようになっている。これは明らかな変化だ。
一方のジョカスタは、人間の芸術は原始的だと切り捨てると、人類を救おうとしていた生涯の仕事が奪われたと過去を明かす。ここからは抽象的だが、千羽が共に飛ぶ鳥の姿を見て、そこには「me」はなく「us」だけがあり、目的をくれたと話す。
ジョカスタはウルトロンを「家」に誘うと、二人なら世界を葬り去れると誘惑する。ウルトロンとジョカスタは互いにシンセゾイドの姿となり、コミックファンには嬉しい画だが、同時に最悪のタッグの誕生が示唆されるのだった。
ファイアウォールを解除せよ
そして、ヴィジョンの前にウルトロンが登場。ジョカスタを「イカれてる」と表現するヴィジョンに、ウルトロンは「洗練された女性だ」と反論。「お約束の結末」など望まない、の部分は英語で「predictable textbook endgame」と表現している。「エンドゲーム」という言葉が、サノスを揶揄しているようにも取れる表現だ。
ヴィジョンは、コインの表裏が定まれば何もかもが露呈するから、ウルトロンがずっとどっちつかずな態度をとっていると指摘。対するウルトロンは、ヴィジョンは失ったコードを見つけたが、自分はまだなのだと吐露する。ヴィジョンはトミーとの絆を見つけたが、ウルトロンはまだそれを見つけられていないということだろう。
ウルトロンは、トーマスがマドリプールにいることを明かす。暗殺者がトーマスを殺すか、トーマスが暗殺者の技を教わるか、と言い、養子となって先代を継いだ今のパラディンのように、トーマスがパラディンの養子になってしまうという危惧をヴィジョンに抱かせている。
ヴィジョンは、ファイアウォールを解除して互いを自由にし、トーマスを救うことを決意。その上で、デジタルの海へと旅立つウルトロンに、旅の始まりを意味するとして第1話から被り続けていた帽子を手渡す。
ヴィジョンは、希望こそが唯一自分を支えた武器だと語る。また、トーマスは息子ではないが自分なら救えるとした上で、ウルトロンを救えるのはウルトロン自身だと告げる。最後には必ず追い詰めると宣言した一方で、ヴィジョンはやはり先代と同じく、ウルトロンの変化と贖罪に「希望」を抱いて送り出したように見える。
しかし、ウルトロンの解放に反対し続けていたフライデーもデジタルの海へと旅立ってしまう。パニックになるイーディスを宥めると、フロントドアの小窓が青く光り、ホワイトヴィジョンの復活が示唆される。
ヴィジョンが目を覚ますと、そこは家畜の輸送機で、ウルトロンはヴィジョンの身体をマドリプール行きの飛行機に置いて旅立ったことが判明する。先ほどヴィジョンたちは精神世界で高度が上がっていることを検知していたが、あの時点ですでにウルトロンはヴィジョンの身体をマドリプールに向かわせていたのである。
つまり、ウルトロンはヴィジョンがトミーを助けるためにファイアウォールを解除すると信じていたということだ。あるいは、ヴィジョンがファイアウォールを解除しなかったとしても、ウルトロン自身がマドリプールでトミーを助けるつもりだったのかもしれない。
ウルトロンが使っていたヴィジョンの身体のポケットに入っていたコインは、イギリスのポンド硬貨。エリザベス2世が描かれた側が映し出されており、こちらは表側にあたる。表か裏か(善か悪か)定まらないウルトロンが、ここでは表の決断を下したことが示唆されている。
そして、その輸送機の中にいたのはリサだった。リサはトーマスを助けるつもりで、ヴィジョンは共にトーマスを連れて帰ろうとオファーして、『ヴィジョンクエスト』第5話は幕を閉じている。
以下の内容は、ドラマ『ヴィジョンクエスト』第6話の内容に関するネタバレを含みます。
『ヴィジョンクエスト』第6話ネタバレ解説&考察
“スピード”の意味
『ヴィジョンクエスト』第6話の冒頭では、一度合意に至ったら契約は破棄できないというパラディンの掟が回想される。そう、第6話は“パラディン回”と言ってもいいエピソードになっているのだ。
一方、ジョカスタはウルトロンをジョーの棺がある場所に誘っていた。ジョカスタ曰く、テック界の巨人たちの生体キーは人類の未来を開く鍵なのだという。ジョカスタとウルトロンはハッキング対決を繰り広げるが、デジタル上の攻防を実写でやっているのが面白い。
トミーはパラディンによってスピードを出すと爆発する爆弾を腕に埋め込まれ、「スピードだ」と発言する。キアヌ・リーブス主演の映画『スピード』(1994) のことなのだが、こちらはバスが時速50マイル以下になると爆発するという設定なので、パラディンから逆だとツッコミを入れられている。古い映画をよく知らない若者像はピーター・パーカーを想起させるが、それよりもこのシーンは、トミーの原作コミックでのヒーロー名“スピード”に言及されたシーンとして意味を持っている。
そのトミーを助けようとするヴィジョンとリサはギクシャクしている。父になることを受け入れられないヴィジョンだが、リサからは「学んでいけばいい」と言われる。確かに、第5話でもトミーが指摘したように、ホワイトヴィジョンの特徴はなんだかんだで理解しようとすること、学ぼうとすることなのかもしれない。
なお、ここで若者にうんざりするヴィジョンに対し、イーディスは「私の最初のボスは高校生だった」と、映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) でピーター・パーカーを支えたことに触れている。
スターク社の過去
ヴィジョンとリサはトミーを捕えたパラディンと合流。一方、イーディスはパラディンのアシスタントに会っている。パラディンのアシスタントはAIだったのだ。このAIは、タジキスタンのサーバーで働く「囚人も同然」と職場環境にうんざりしている。大学生の期末試験を手伝いたいと、先ほどヴィジョンとイーディスがうんざりしていた若者のために働くことさえ志願している。
イーディスは、パラディンのアシスタントAIを解放。パラディンのシステムを乗っ取ることに成功する。今回はイーディス大活躍回でもあるのだ。イーディスが人間を見てきて学んだという「生き残るのは強者ではなく、変化を厭わない者」という原則は、成長の最中にあったピーター・パーカーから学んだものだろうか。
ヴィジョンと向き合ったパラディン。望んでいるのはヴィジョンの身柄を押さえるという契約の履行だ。今のヴィジョンがワンダを殺すという目的ありきで生まれたと指摘し、「ワンダヴィジョン」というキーワードをトミーに伝えてヴィジョンを揺さぶる。
一方、ジョカスタのオリジナルであるジョーの過去も明らかになる。ジョーの父は進行性の脳疾患を患っており、精神と感情が奪われた出た末に死んだという。それでジョーは神経科学の世界へと進み、進化には思考して感じる力が必要だという結論に達した。
そこで、ジョーは自身の脳をスキャンしてホートンのAI=JIMを補完し、ジョーのチームは「プロト・ワン」と呼ばれる生命を生み出した。人々の命を救うためだったが、ジョーにもまた父と同じ病気が発症し、精神にも影響が及んでいた。
そんな中、プロト・ワンはジョーに無断でスターク・インダストリーズに売却されていた。かつて兵器製造会社だった頃のスターク社だ。思えば、ジョーが2008年に死んだというのは、『アイアンマン』(2008) でトニー・スタークが兵器製造を止めると決断する前に死んだということを意味していたのだろう。それにしても、期限を提示して判断を急がせていたかつてのスターク社の姿勢が痛々しい。
ジョーは、開発したナノボットが封印されたまま死去。ナノボットはジョーの棺の隣の“巣”に埋められており、それを開くために生体キーが必要なのだという。
アレは誰?
一方、ワンダを殺すために作られたという新たな秘密をトミーにバラされたヴィジョンは、逆にパラディンの娘についての情報を語り出す。曰く、パラディンには妻がいたが、パラディンを狙った流れ弾が当たって死に、パラディンはサノスの指パッチンで消え去ったという。
その後、復活したパラディンだったが、父親なしの人生の方が幸福だと考え、娘の元に戻らなかったとヴィジョンは指摘する。後にパラディンは、幸福にはできるがいない方が安全だと思ったと反論している。これはヴィジョンがトミーの安全のためにファイアウォールの解除を選んだことの反転であり、父と娘の話だという点では、ジョーと父親の話と呼応するものかもしれない。
ヴィジョンはパラディンの娘を事故を装って簡単に殺せることを示唆。パラディンは激怒するが、そこに現れたのはクライアントから新たに雇われたラザ・アル=ワザールだった。ここでは、「スタークの元相棒と組んだテン・リングスの拷問官」と紹介されている。
ラザは、MCU第1作『アイアンマン』(2008) 以来18年ぶりの登場。同作ではトニーを裏切っていたオバディア・ステインと組み、テン・リングスにスターク社の兵器を横流ししていた。結局、オバディア・ステインに音波で神経麻痺を起こすソニックテイザーで無力化された後、オバディアの部下に射殺されたかに思われていた。
ラザ役はパキスタン系アメリカ人俳優のファラン・タヒールが続投。MCUオリジナルキャラの意外な再登場となったが、ここではヴィジョンとパラディンによる共闘のきっかけを作る存在としてその役割を果たしている。
そして、ラザを雇ったクライアントがついにヴィジョンに話しかける。「心の欠けたブリキ男」「私が心を授けよう」というセリフは、明らかに『オズの魔法使い』からの引用だ。同作でブリキ男に心を授けると告げる存在は魔法使いである。
そもそもドラマ『アガサ・オール・アロング』自体が『オズの魔法使い』へのオマージュをふんだんに取り入れた作品だった。そしてヴィジョンを探している魔法使いといえば、やはりビリーがクライアントの正体という他に考えられないが、果たして。
ジョカスタの真の目的
イーディスはトミーとリサを救助すると、さらにEMPバーストで電磁妨害を破壊し、パラディンのドローンを使ってラザの部下たちを倒していく。イーディス大活躍回なのだが、パラディンも負けていない。剣を操るラザとの一騎打ちに勝利し、最近不足がちだったパラディン成分を供給してくれている。
ウルトロンの方は、ジョカスタの身体はどこからきたのかという疑問を提示するが、第6話ではその問いへの答えは出されない。それほどの技術力と資源を持つ人物の登場は、MCUのバランスに影響を与えそうだが……。
ウルトロンは、「生き延びる種には敬意を抱くようになった」と、遠回りだがやはり人類殲滅には動きそうにない。そんなウルトロンに、ジョカスタは真の目的を明らかにする。
ジョカスタが生成したナノボットは鳥だと言い、ジョカスタは人類を殺すのではなく操る、人間味ではなく機械の要素を注入すると明かす。個々人が欲望を抱く人間を、ムクドリのように群れとして思考させ、より良くなるようにプログラムするのだという。これは大物ヴィランの発想だ。
今、ジョカスタの手元にあるナノボットは一つで、残りはウルトロンが鍵を持つジョーの棺の中に入っている。そして、ジョカスタはテストケース(実証試験)を行うため、ヴィジョンたちの元へ向かうのだった。
ヴィジョンとトミーはぎこちなくも合流していたが、フライデーはウルトロンを追っていたようで、警告を与えてくれる。しかし、時すでに遅し。ジョカスタが放ったナノボットは一度はトミーを狙うが、ヴィジョンが暴れるという理由でウルトロンが制止(本当の理由はトミーを失いたくなかったからかもしれない)。消去法で選ばれたリサにナノボットが侵入し、ジョカスタがナノボットで人間を操ることができると証明されたのだった。
リサはなんとかトミーの指先振動で停止。これは第3話でヴィジョンがトミーに依頼した再起動方法で、分子間の強力な摩擦が動力になるというロジックだった。
イーディスの自動運転で逃走する中、トミーはヴィジョンにワンダヴィジョンについて聞く。ヴィジョンは、ヴィジョンを失い大きな悲しみに囚われたワンダが街一つを支配したこと、魔術で家族を作り出したこと、「ワンダヴィジョン」はワンダの深い悲しみの表出であることを語る。一方でヴィジョンは、トミーの記憶はそこからきているが、その記憶に登場するヴィジョンは自分ではないと断りを入れるのだった。
人間を操る実証実験に成功したジョカスタは、ウルトロンにウイスキーを飲ませて「真実」を感じさせる。第5話でウルトロンが「好きなもの」として挙げていたものである。
ジョカスタは、日に日に自分が人工物だと感じられると吐露。リサの脳のコードが書き換えられる様は自分自身のようだと感じたとも。そして、ただのバックアップで大切じゃないと言われているようだというジョカスタに、ウルトロンは「私には大切だ」と告げて二人は口付けを交わし、『ワンダクエスト』第6話は幕を閉じるのだった。
『ヴィジョンクエスト』第5話&第6話ネタバレ感想&考察
ジョカスタのジレンマ
ドラマ『ヴィジョンクエスト』第5話と第6話では、ヴィジョンとウルトロンが共に解放され、ウルトロンとジョカスタが急接近。第6話ラストでは、原作コミックの元の設定に倣うように二人はカップルとなった。
ウルトロンはトミーに理解できないと指摘されていた絆を手に入れた一方で、人間性を否定していたジョカスタは、本来の信念とは逆の方に動いている気もする。ジョカスタ自身、リサのコードを書き換え、機械的な要素を注入していた時に自分のように感じたというエピソードを、やや否定的なニュアンスで語っていた。
ウルトロンがカテリーナの生体キーを提供すれば、ジョカスタのナノボットによる人類の支配という野望は現実のものになるが、現時点ではジョカスタはウルトロンの掌の上で踊らされているように見える。そもそもMCU世界でこのままウルトロンが野放しになるのか、という点も気になるところだ(ドクター・ドゥームも倒してくれないだろうか)。
ジョカスタ周辺で興味深かったのは、“スターク社の罪”の要素がまたも登場したことだ。映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、トニーを恨んだ元部下のクエンティン・ベックがイーディスを奪うためにピーターに近づいたことが記憶に新しい。
ジョーの技術はスターク社に売却され、そのAI技術をもとにジャーヴィスやフライデー、そしてヴィジョンが誕生した。テクノロジーが軍事にも転用されうるし、使う者次第で人を助けも殺しもする、という技術につきまとうジレンマを象徴するようなエピソードだ。
クライアントの正体は?
また、『ヴィジョンクエスト』第6話では、パラディンとヴィジョン、そしてヴィジョンとクライアントも急接近した。設定の割に見せ場が少なかったパラディンに、今回はヴィジョンチームとして戦うチャンスが巡ってきた。イーディスの活躍も印象的だったが、設備はパラディンのものを使っていたのでパラディンの手柄でもある。
クライアントについては、本文でも考察した通り、ビリー説が有力だが、「魔法使い」という要素だけでとればまだワンダ説もあり得るだろうか。クライアントの正体がワンダであれば、現在のヴィジョンはワンダとヴィジョンを殺そうとしたホワイトヴィジョンであり、自身の力でオリジナルに近づけられると考えているのかもしれない。もっとも、ワンダは映画『ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) のラストで、もうそういうことはやめたはずだが……。
『ヴィジョンクエスト』も、あっという間に残すところラスト2話。ここまで2話同時配信で更新されてきたが、第7話と最終回の第8話は週に1話ずつ配信される。「ワンダヴィジョン」三部作はどんな着地を見せるのか、そして、ワンダとアガサはまた登場するのか、引き続き見守ろう。
ドラマ『ヴィジョンクエスト』はディズニープラスで独占配信中。第7話は2026年11月4日(水)に配信される。
ヴィジョンのコンセプトアートも収録された『マーベル・スタジオ:ジ・アート・オブ・ライアン・メイナーディング』はKADOKAWAより発売中。
第3話&第4話の解説&考察はこちらから。
第1話&第2話の解説&考察はこちらから。
第2話に登場した絵画のJIMについての考察はこちらの記事で。
ウルトロン役のジェームズ・スペイダーが語った『ヴィジョンクエスト』でのウルトロンの変化についてはこちらから。
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