ネタバレ解説&感想『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』S2第5話 メカゴジラやモスラにつながる展開を考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&感想『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』S2第5話 メカゴジラやモスラにつながる展開を考察

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メカゴジラ誕生につながる物語に

2027年に最新作『ゴジラxコング:スーパーノヴァ』の公開が決定したモンスターヴァース。Apple TV+で配信されている『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』では、映画へとつながる秘密組織MONARCHの人間ドラマが描かれる。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」では、すべての物語のきっかけである家族の物語が展開された。そして、『ゴジラvsコング』(2021)のメカゴジラにつながる重要な要素も明らかになった。

本記事ではそのような『ゴジラvsコング』につながる『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」の解説と考察、感想を述べていこう。なお、以下の内容は『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」の内容に関するネタバレを含みます。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」ネタバレ解説&考察

1990年、息子が生まれた日

時は遡ること、1990年。東京にいたヒロシはサンフランシスコにいる愛娘・ケイトへ電話で子守唄を歌っていた。その歌はケイコ・ミウラがヒロシに子守唄として歌い、日本への望郷の想いを込めた唱歌『故郷』だった。

しかし、彼が電話をかけていた場所が明らかになると、その風景は親と子の温かなものではなくなる。ヒロシがいたのは病院の産科。つまり不倫していた女性が出産のため命をかけていた間、彼は妻との間に生まれた娘に電話をかけていたのである。

その赤ん坊こそ、ケンタロウであり、その名前はヒロシの実父から取られたものだった。『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話のタイトルにもなっているように唱歌『故郷』は母・ケイコから息子・ヒロシへと受け継がれたレガシーだ。だが、それを歌っていた思い出は醜悪な要素を含んでいた。

愛する我が子へ

ヒロシは『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」で幼少期に捨てられたという経験から、愛情というものにひどく執着している人物として描かれている。彼は実父との思い出はほとんどなく、母親も行方不明。さらに自分を育ててくれていた養父も失踪してしまった過去の持ち主だ。

ヒロシは養父ビル・ランダが失踪した理由は、血のつながらない自分を重荷に感じたからだと考えていた。その結果、穴が空いたバケツのようにどれだけ愛情が注がれても満たされない人物になってしまった。それに加えて、ケイコとリー・ショウの不貞を知り、自分は母親のせいでビルから捨てられたと思うようになった。

しかし、現実は違った。ビルは誰よりも愛情深く、他者を想う人物だった。彼はケイコとリーの一夜の過ちを知りながらも、ケイコの捜索を続けた。それは彼女を愛しているという理由だけではなく、ヒロシを母親と再会させたいというものから来ていた。ビルは誰よりもヒロシを愛した父親だったのだ。

今回のエピソードの軸になっている要素の一つに時間が挙げられるだろう。ケイコは行方不明になってしまったため、幼いヒロシと過ごす貴重な時間を失った。そして、ヒロシは自分がビルから深く愛されていたことを知るには時間が経ち過ぎていた。

それでも、ビルがケイコとヒロシ親子に遺したレガシーは偉大で、彼を突き動かした我が子への愛情がいかに深かったかがうかがえる。偉大なる海の神と崇められる怪獣や破壊神と恐れられる怪獣に対抗するために長い月日を超えて、人類に遺された知識というレガシーは深い親子の愛によるものだった。

政府とエイペックス社、それに抗うMONARCH

エイペックス社に騙されたティムはバリス長官に異議を申し立てる。しかし、バリス長官は何だか歯切れが悪い。それもそのはず、IT長者のウォルター・シモンズ率いるエイペック社はアメリカ政府のITネットワークを担っている大企業だ。『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』では、イーロン・マスクのような存在として描かれている。

MONARCHを指揮下に置く政府の有力者とも太いパイプを持つエイペックス社にとってティムやバリス長官など、吹けば飛ぶような存在だ。自由市場が持つ負の側面、資本家による政府の実質的支配がエイペックス社によってなされており、MONARCHは創設当初のような怪獣遊撃隊の要素を失っている。

だが、エイペックス社は『ゴジラvsコング』以降、鳴りを潜めている。それどころか、エイペックス社にいいようにされていたMONARCHはメカゴジラの一件を受け、コングを強化するためのパワーハウス計画を始動。解剖メカ型激震性サンダー・グローブことビースト・グローブを開発するなど、かなり自由度が高い組織のように見える。

おそらく、これは前回のエピソードでも語られた芹沢猪四郎博士たちの尽力があると考察できる。彼らが『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)の冒頭の公聴会でアメリカ政府とやり合っていたように、ケイコやビル、リーのレガシーを継いだ派閥が政府から一部独立した「怪獣からの防衛組織MONARCH」を取り戻したのではないだろうか。

MONARCHのメンバーたちとエイペックス社の対立と、怪獣の被害を抑えるための組織という本来の目的を取り戻すための戦いは今後のエピソードで描かれるのかもしれない。芹沢猪四郎博士が言及された以上、『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』に渡辺謙が出演することにも期待が高まる。

リー・ショウ大佐のスピンオフにつながる?

リーはエイペックス社の目的が怪獣のコントロールであることを知ると、それによる怪獣兵器の存在に言及している。怪獣という核ですら止められない巨大生物、一種の神を人間の支配下に置けるとすれば、世界各国が我が物にしようと躍起になることだろう。

それにリーが強く警戒するのには理由がある。それは1984年に怪獣の兵器かを止めるために工作員として活動した過去があるからだ。これはタイトルが未定のワイアット・ラッセル主演で制作されると発表されており、DCEU『ザ・フラッシュ』(2023)やドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022)で脚本を務めたジョビー・ハロルドが参加することが明らかになっている。

そのスピンオフではリー・ショウ大佐がアメリカ政府の工作員として冷戦下のソ連で活動するストーリーで、ソ連は休眠状態にあった怪獣を呼び覚まし、兵器転用を試みていたとされている。そのため、まだ語られてはいないが、リーは怪獣が兵器化されることで、どのような惨状が起きるのか知っているのかもしれない。

本格的にゴジラが動き出すのは『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」からだと予告編で明かになっている。だが、それはほんの一部に過ぎず、映像化されていないだけでアメリカ政府やMONARCHによって秘匿にされた怪獣災害がモンスターヴァースには多数発生しているのかもしれない。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」ラストネタバレ解説&考察

メカゴジラを動かすシナプス・リンク

エイペックス社がタイタンXをコントロールできる根拠にしているのが、メイが開発したシナプス・リンクだ。怪獣の脳波を操るとされる技術だが、あくまでも小型の怪獣を対象にした実験しか行っておらず、巨大な怪獣への実験はタイタンXが初めてだ。

その結果、失敗に終わり、チリの漁村であるサンダ・ソレダドに拠点を構えていたエイペックス社は甚大な被害を被った。この一件で、生きている怪獣をコントロールするのには人類の技術だけでは足りないため、宇宙怪獣であるギドラの頭蓋骨を利用したロボット怪獣メカゴジラの開発につながったと考察できる。

ゴジラvsコング(吹替版)

タイタンXでの実験の失敗と、シナプス・リンクによる脳波を直接つなぐことによるコントロールシステムの成功。その2つが重なった結果、怪獣の遺物、すなわちレガシーを利用した人造怪獣の建造と兵器転用という恐ろしい発想が、エイペックス社の中で浮上したと考察できる。

信奉者を集める怪獣、タイタンXとモスラ

ケイトはタイタンXと近づいた際、歌声のようなものを聞いたと解説しており、もう一度タイタンXに近づいた際にはトリップのような状態になっていた。これは以前、サンダ・ソレダドでケイコとリーが経験したものに似ており、タイタンXは人間を信奉者にする神のごとき力があると考察できる。

しかし、人間を信奉者にする怪獣はタイタンXが初ではない。まず、モンスターヴァースの怪獣はそのほとんどが神として崇拝されてきた。そして、東宝怪獣には明確に崇拝の対象とされ、ときには信奉者のために戦う怪獣がいる。それは巨大な蛾の姿をした怪獣モスラだ。

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インファント島の守護神であるモスラは、小美人と呼ばれる双子の小人を使者として遣わすなど他の怪獣とは一線を画しており、本能ではなく地球のバランスを維持するために行動する。モンスターヴァースでは小美人の代わりに、先祖代々モスラと関わる双子の多い一族のアイリーン・チェン博士とリン・チェン博士が登場している。

モンスターヴァースの世界において、地球のバランスを維持するために戦う怪獣の女王がモスラだとすれば、人類を信奉者に変えて支配下に置くもう一体の怪獣の女王がタイタンXなのかもしれない。

2026年は初登場作品である『モスラ』(1961)から65周年のモスラ・イヤーとされている。そのため、モンスターヴァースにおける『モスラ2 海底の大決戦』(1997)のレインボーモスラ・水中モードとしてタイタンXは描かれる可能性もある。事実、一部のファンの間ではタイタンXの鳴き声はモスラのものを加工したものが混ざっているのではないかと指摘する声もある。

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これまでクトゥルフ神話を想起させる場面を多く取り入れてきた支配者タイタンXと眷属スカラベ。そのため、サンダ・ソレダドのようなタイタンX教団などの登場も考えられ、群れとして強い奉仕種族を持つ怪獣として、個として強い怪獣王のゴジラやコングと戦う展開が考察できる。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」感想

親子三代、愛の物語

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』は秘密組織MONARCHの陰謀に巻き込まれるケイトとケンタロウを、主人公とした物語としてはじまった。もともと、怪獣ドラマであるとともに家族の物語としてはじまったのだ。最初は父親・ヒロシらの不倫など、感情移入しづらいところもあった。

しかし、『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」では、そのヒロシの人生が深掘りされる。彼は自分自身でも理解しているように、愛情に飢えた不完全な人間なのだ。不完全さ故にもがき苦しみ、過剰に愛情を求めてしまう。

ヒロシはようやく母親・ケイコと再会し、養父ビルの愛情を知ることができた。それにより、愛情への飢えは満たされ、これまでの嘘に満ちた人生と向き合い、新たな一歩を踏み出せるかと思われた。だが、ヒロシはケイトを守るために命を落とす。

これまでは父親としても不完全だったヒロシ。それでも、その最期は我が子のために駆け出すという父親らしいものだった。ヒロシの最期は決して美しいものではない。母親よりも先に旅立ち、子どもたちに嘘ばかりついていた人生をやり直すことは出来なかった。

だが、養父ビルが自分を愛していたことを知り、後悔ばかりの人生の中で娘のために命をかけることができた。愛にもがき、愛に苦しみ、愛に飢えた不完全な人間としての人生。『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』は巨大な怪獣の影に隠れがちなちっぽけな人間の生涯をフォーカスした作品だった。

メカゴジラというバベルの塔

ケイトたちの人生は完ぺきとは言い難い。それぞれが何かしらの罪悪感を抱え、その弱さと向き合いながら、怪獣災害に立ち向かってきた。彼女たちは自分たち人間が不完全な存在だと理解していたのだ。

エイペックス社はそのようなケイトたちと対照的に描かれる。自らをApex(頂点・先端・絶頂)と呼び、神とされるタイタンXをコントロールしようとする。その末にメカゴジラを建造して怪獣の王であるゴジラやコングたちの怒りを買い、甚大な被害をもたらした。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2をはじめとするモンスターヴァース作品は宗教的な要素が多く登場するが、エイペックス社とそれらが創り出したメカゴジラは、旧約聖書「創世記」第11章のバベルの塔と言えるだろう。

バベルの塔は神に近づこうとした人間たちが、天にまで届く塔を建造することで神罰を受ける物語だ。『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」では東京にゴジラが上陸すると予告されている。モンスターヴァースでゴジラの東京上陸は初のことで、ゴジラと東京は『ゴジラ』(1954)以降、意味のあるものだ。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第6話「レクイエム」でゴジラの東京上陸の理由は鈴木博士の発明したガンマ線シミュレーターを使用した影響だとされているが、物語全体においてゴジラは人間への神罰の象徴なのかもしれない。そもそもゴジラは反核と反戦の象徴だ。怪獣兵器を試みた人類にいい顔をするはずがない。

物語も佳境に入り、本格的にゴジラやコングが登場し、そしてタイタンXと戦うことになる『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2。今後の展開では映画並みの怪獣バトルがドラマとして配信されるだろう。最後まで注目していきたい。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第5話「故郷」はApple TV+にて2026年3月27日(金)より配信開始

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』配信ページ

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第1話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第2話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第3話のネタバレ解説&感想はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2第4話のネタバレ解説&感想はこちらから。

モンスター・ヴァースの年表はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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