『スター・ウォーズ:アコライト』ヴィランに注目
「スター・ウォーズ」ドラマ最新作『スター・ウォーズ:アコライト』が大きな注目を集めている。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) の100年前を舞台にした本作では、新たな「スター・ウォーズ」ヴィランが紹介され、その設定やスタイルが話題になっているのだ。
今回は、ドラマ『アコライト』第5話までのネタバレありで、この新たなヴィランについて解説していこう。「スター・ウォーズ」史を更新する新キャラの正体に迫る。
以下の内容は、ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』第5話の内容に関するネタバレを含みます。
『アコライト』に登場したヴィランは?
Darkness is here.
New episodes of #TheAcolyte, a Star Wars Original series, streaming Tuesdays on @DisneyPlus. pic.twitter.com/HWaYgZ79Jl
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呼び名は“ザ・ストレンジャー”
『スター・ウォーズ:アコライト』では、第1話のラストでマスクを被り赤いライトセーバーを持った人物が登場。第2話でその正体であるカイミールが調達屋として弟子のメイをサポートした。過去回の第3話でははっきりその姿を見せることはなかったが、この人物が16年前のブレンドクにいた可能性は残されている。第4話ではカイミールはメイと共にケルナッカの元を目指し、ラストで“マスター”として姿を現した。
そして、第5話で次々とジェダイを倒していくと、その正体がカイミールであることを明かした。しかし、カイミールという名も仮の名であり、「名前はない。お前のようなジェダイは“シス”と呼ぶかもな」と発言している。この発言はジェダイ視点の解釈を述べたに過ぎず、自分を「シス」だとは定義していないため、あくまで謎の存在であるという印象を残している。
『アコライト』第5話の配信後、「スター・ウォーズ」公式サイトではこの“シス”の呼称を「ザ・ストレンジャー (The Stranger)」と発表。日本語にすると「よそ者」「知らない人」という意味で、やはりまだ謎に包まれているという印象だ。それでも、公式サイトでは以下の具体的なプロフィールも掲載されている。
特注のコルトシスのガントレットと、恐ろしい笑みを浮かべているような歪んだマスクを装着したザ・ストレンジャーは、赤い刃のライトセーバーを持ってまるで空中から現れたかのように登場する。彼をシスと呼ぶ者もいるが、弟子のメイ・アニセヤにも正体を隠して秘密裏に訓練を与えていたこのダークサイダーについては、ほとんど知られていない。必要な時にはカイミールという偽名を使い、自身の興味以外には何も関心がないように見えるちっぽけな流れ者、調達屋として振る舞う。
The Legends are true.
Learn about cortosis and other trivia from episode 5 of #TheAcolyte, “Night.”
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コルトシスを使う難敵
このプロフィールで重要なのは、ザ・ストレンジャーがシスではなくダークサイダーと表現されていることもだが、ザ・ストレンジャーがコルトシスという素材を使用していると明示されている点だ。
コルトシスというのは非正史に分類されるレジェンズ作品で紹介されていた物質で、ライトセーバーに対する耐性を持っている。第5話では、ザ・ストレンジャーの左腕のガントレット(籠手)やマスクがライトセーバーに触れると、ジェダイたちのライトセーバーがショートする描写が登場した。ライトセーバーを主な武器とするジェダイにとっては厄介なアイテムだ。
初めて正史に取り入れられたコルトシス。米Entertainment Weeklyでは、『アコライト』を指揮するレスリー・ヘッドランドがザ・ストレンジャーのコルトシスについてルーカス・フィルムのデイヴ・フィローニと話し合ったことを明かしている。
ライトセーバーに対抗できる鉱物が希少だというのは重要なことでした。ライトセーバーの価値を下げたくないですからね。ライトセーバーは最も象徴的で強力な武器の一つです。ですから、コルトシスをこの特定の時代に持ち込むことについて皆で議論して、効果は一時的ということにしたんです。ライトセーバーをショートさせることはできるけど、またすぐに戻る。不安定なものであって、永続的なものにはするべきでないということになりました。
ヘッドランドは、コルトシスが限られた資源であることを示すために、今後機会があればその資源が失われた背景についても描きたいと話している。
一矢報いたヨード
ヘッドランドは、ザ・ストレンジャーのガントレットがヨードとの戦いで失われたということも明かしている。確かに映像を見ると、駆けつけたヨードがライトセーバーを斜めに振り下ろし、ヨードのライトセーバーがショートするとともにガントレットは吹き飛んだように見える。
ちなみにこのシーンではヨードは同じくコルトシス製のザ・ストレンジャーのマスクを拾って盾として使うことで、ザ・ストレンジャーのライトセーバーをショートさせることに成功している。第5話で退場することになったヨードだが、コルトシスの扱いについては見事な活躍を見せていたことが分かる。
ガントレットを失ったザ・ストレンジャーだが、まだコルトシス製のマスクは持っている。このマスクをかぶっていればフォースで思考を読まれることを防げるということだし、第5話で見せたライトセーバーをショートさせる“頭突き”もまた見られるかもしれない。
トラカータの使い手
また、「スター・ウォーズ」公式は、ザ・ストレンジャーの戦闘スタイルについて以下のように記している。
ザ・ストレンジャーはトラカータと呼ばれるライトセーバーの型を用い、戦闘の中でライトセーバーを出したり消したりする。
ライトセーバーには7つの型(フォーム)があるとされているのだが、ザ・ストレンジャーは“第8の型”であるトラカータの使い手であることが公式に認められている。トラカータはレジェンズに登場したライトセーバーを消したり出したりして戦う、ある意味“卑怯”な型であり、正史ではシスでも使用している者はいない。
ライトセーバーの明滅で相手を騙すような戦法であり、ジェダイもシスも忌避したこの戦闘スタイルを100年前にザ・ストレンジャーが使用していたというのは非常に興味深い。ジェダイでもシスでもないダークサイダーであるザ・ストレンジャーは、ルールを嫌う発言を繰り返しており、“掟破り”のコルトシスとトラカータの組み合わせによって唯一無二の存在となっている。
まさにルール無用のヴィランであるザ・ストレンジャーは、『アコライト』の中でそのルーツを明かすことになるのだろうか。まだまだ目が離せない。
ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』はディズニープラスで独占配信中。
『エピソード1』の200年前を舞台にした正史小説「ハイ・リパブリック」シリーズは講談社より発売中。
Source
StarWars.com
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