フィクションにおける、地方の表象について考えてみませんか
2025年4月22日(火)に、VGプラスのワークショップ「地方の表象を考える」を開催します。
地方の町や村が舞台となったフィクションにおいて、「のどかで素朴な昔ながらの生活」や「都会にはない伝統的な文化・因習」といった表現が見られることがあります。これらの表現の中には、(作り手の意図とは関係なく)地方の一面的なイメージやステレオタイプを強化してしまったり、特定の文化や生活様式が貶めるもの、地方を神秘的で異質なものと位置づけることで都会の優越性を強化してしまうものがあります。
またSNSでは、家父長制的価値観の強い地域や地域に根付いた古くからの習慣が、ひとつの「ネタ」のように扱われてしまうこともあります。もちろんこの中には、その土地で虐げられた人の「あそこでは生きていくことができなかった」という切実な訴えも含まれており、その経験が否定されるようなことがあってはいけません。一方で、単一のイメージだけが広く流布してしまうと、その土地を出ることができない人やその土地で抵抗している人の存在、を覆い隠す作用も持ってしまいます。
このワークショップでは、閉鎖的な三重の漁村で暮らす男と、その村に都会から移住してきた男と、二人をとりまく人々を描いた『浜辺の村でだれかと暮らせば』など、地方を舞台にした小説を執筆している孤伏澤つたゐさんにお話を伺いながら、「遅れている田舎/進んでいる都会」という単純化した表象に陥らず、美化したり偏見を助長したりすることもなく様々な土地で営まれている暮らしを誠実に描く、とはどういうことなのかを考えます。
地方の表象を考える
【開催日時】2025年4月22日(火)19:00-20:30
【開催方法】オンライン(Zoom)
【アーカイブ】 5月6日(火)23:59まで、アーカイブを視聴することができます。
【字幕】トークには、Zoomの自動字幕機能による字幕がつきます。
【ゲスト】
孤伏澤つたゐ
三重県在住。三重の漁村を舞台にした『浜辺の村でだれかと暮らせば』(2022年)、地元で生きる三人の女性たちを描いた『ゆけ、この広い広い大通りを』(2023年/日々詩編集室)など、地方の生きづらさと連帯を描いた物語、ファンタジー、幻想小説などを執筆している。
【当日のトピック】
・地方の表象のされ方に対する問題意識
・遅れた地方/進んでいる都会、という表現が取りこぼしている視点や構造的な問題
・実在する土地を舞台に作品を書く上で気をつけたこと、大切にしたこと
・実在する土地とフィクションの距離感や、事実とフィクションのブレンドの仕方
など
【販売書籍】
ワークショップの関連書籍として、『浜辺の村でだれかと暮らせば』(増補版)付きチケットを販売いたします。
『浜辺の村でだれかと暮らせば』 1400円(税込)+送料185円
※書籍を購入される際は、チケット購入時に必ずお送り先をご記載くださいませ。
※※書籍の発送は、『浜辺の村でだれかと暮らせば』を刊行しているヨモツヘグイニナが行います。増補版の完成後(4月12日以降)の発送となりますことをご了承いただけますと幸いです。
【チケット代】
チケット 1,000円
『浜辺の村でだれかと暮らせば』(増補版)付きチケット 2585円(送料込み)
Kaguya Planetの会員の方には500円引きのクーポンコードを発行しております。
クーポンコードをこちらからご確認いただき、チケット購入の際にご記入ください。
【質問】
ゲストへの質問がございましたら、チケット購入の際にフォームよりお送りください。
また、イベント中は、Zoomのチャット機能を使用しての質問も受け付ける予定です。
チケットの購入はこちらのチケットページ、あるいは下記のフォームから。
【注意事項】
・VGプラスのワークショップでは、できるだけ多くの人が安心して参加できる場作りを目指します。特定の個人や属性に対する攻撃的な発言やハラスメント行為がありましたら、企画を中断したり、該当の参加者を退出させるなどの措置を取ることがあります。
・イベントの録音、録画、撮影(スクリーンショットなど)は固くお断りいたします。
【主催】VGプラス
【お問合せ】info@virtualgorillaplus.com
VGプラスのワークショップとは
VGプラスのワークショップは、ライターや作家、編集者や出版社など執筆に関わる方々に向けたワークショップです。できるだけ多くの人が安心して働ける環境を目指して、必要な知識を共有したり、差別やハラスメントについて実践的に学んだりしていくことのできる様々なワークショップや講演会、同人誌やZINE作りについての講座を開催しています。
VGプラスはSFメディアのバゴプラとSF小説レーベルのKaguyaを運営する企業です。バゴプラでは日々SF関連のニュースや解説・考察記事を配信しています。Kaguyaでは、4,000字以下で参加できるウェブ上のかぐやSFコンテストの開催やオンラインSF誌 Kaguya Planetの配信、紙の書籍を刊行するKaguya Booksを展開し、2022年に第一弾となる書籍『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』を刊行して以降、日本SF作家クラブ編『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』など様々な書籍を刊行してきました。その他にも、VGプラスではSF関係のエージェント業務やコンサルティング、編プロとしての活動も行っています。
「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」アーカイブ配信中
2025年3月28日に開催された、VGプラス・河出書房新社・講談社による合同企画「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」のアーカイブを配信中!登壇者は、作家の坂崎かおるさん、翻訳家の佐藤まなさんと山本薫さんです。
今この瞬間に進行しているジェノサイドや人権の重大な侵害に対して、フィクションが負うべき責任とは何か。当事者ではない者はどのような態度で、何を語ることができるのか。フィクションの作り手や紹介者、読み手には何ができるのか。登壇者の皆さんと一緒に、考えてみませんか。詳細はこちら。
パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか
【アーカイブ期間】2025年4月28日(月) 19:00-21:00
【形式】オンライン(Zoom)
【登壇】坂崎かおる、佐藤まな、山本薫
【字幕】トークには、Zoomの自動字幕機能による字幕がつきます。
【寄付】チケット代から経費をのぞいた全額をUNRWAに寄付します。
【主催 】VGプラス
【共催】河出書房新社・講談社