オンラインイベント「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」アーカイブ配信中! | VG+ (バゴプラ)

オンラインイベント「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」アーカイブ配信中!

オンラインイベント「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」を開催しました。

VGプラス・河出書房新社・講談社による合同企画「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」2025年3月28日(金)に開催いたしました。登壇者は、作家の坂崎かおるさん、翻訳家の佐藤まなさん山本薫さんです。

2023年10月7日以降、イスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区における虐殺や迫害が激化しました。現在は一時的な停戦中ですが、イスラエルは電気や交通の遮断、物資搬入の強制停止などでガザ地区に対する圧力を強め、ヨルダン川西岸地区での殺人や略奪も横行しています。
昨年は、パレスチナの作家によるSF・ファンタジー作品を収録した『Kaguya Planet No.2 特集:パレスチナ』(Kaguya Books)やアダニーヤ・シブリーの『とるに足りない細部』(山本薫訳、河出書房新社)、「もしわたしが死ななければならないなら」という詩を遺してイスラエルに殺された文学者リフアト・アルアライールが編んだアンソロジー『物語ることの反撃』(藤井光訳、岡真理監修・解説、河出書房新社)、2014年のイスラエルによるガザ侵攻時に子どもだったマラク・マタールによる絵本『おばあちゃんの白い鳥〜ガザのものがたり〜』(さくまゆみこ訳、講談社)など、パレスチナの作家によるフィクション作品が、複数刊行されました。

 

この期に及んで、遅すぎる、と言ってしまえばそれまでかもしれません。ですが、これらの作品の刊行が相次いだことは、パレスチナの声が紹介されにくいなかで、日本の作家、翻訳者、編集者が、パレスチナのために何をできるかを必死に模索した、その痕跡であると言えるのではないでしょうか。

オンラインイベント「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」は、パレスチナからの声を翻訳・刊行した出版社のうち、Kaguya Books、河出書房新社、講談社の3社が企画した対談イベントです。
今この瞬間に進行しているジェノサイドや人権の重大な侵害に対‬して、フィクションが負うべき責任とは何か。当事者ではない者はどのような態度で、何を語ることができるのか。フィクションの作り手や紹介者、読み手には何ができるのか。‬作家の坂崎かおるさん、翻訳者の佐藤まなさんと山本薫さんと一緒に、考えてみませんか。

パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか

【主催‬‭ 】VGプラス
【共催】河出書房新社・講談社‬
【アーカイブ配信・チケット購入可能期間】2025年4月28日(月)23:59まで
【字幕】トークには、Zoomの自動字幕機能による字幕がつきます。
【寄付‬‭】チケット代から経費をのぞいた全額をUNRWAに寄付します。

【登壇者‬‭】坂崎かおるさん、佐藤まなさん、山本薫さん(50音順)‬
坂崎かおる
1984年東京都生まれ。2020年「リモート」でかぐやSFコンテスト審査員特別賞、2024年「ベルを鳴らして」で第77回日本推理作家協会賞短編部門、2025年『箱庭クロニクル』(講談社)で第46回吉川英治文学新人賞を受賞。そのほか、受賞歴多数。単著に『嘘つき姫』(河出書房新社)、『海岸通り』(文藝春秋、第171回芥川賞候補)。

佐藤まな
英語翻訳者。主な翻訳作品に、映画『鉄道運転士の花束』『リトル・パレスティナ』(日本語字幕)、ジェームズ・ウェルカー編著『BLが開く扉BLが開く扉 ―変容するアジアのセクシュアリティとジェンダー』(青土社、共訳)など。『現代詩手帖』2024年5月号「パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」に翻訳、解題などで参加。

山本薫
968年生まれ。アラブ文学研究者。博士(文学)。慶應義塾大学総合政策学部准教授。パレスチナやエジプトを中心に、文学・音楽・映画など、アラブ圏の文化・芸術について研究・紹介を行う。訳書にエミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社)、アダニーヤ・シブリー『とるに足りない細部』(河出書房新社)など。

‭【チケット‬‭】
視聴チケット                                         1,000円
視聴チケット(寄付500円上乗せ)  1,500円
視聴チケット(寄付1000円上乗せ)   2,000円
※視聴チケット代のうち、経費をのぞいた全額をUNRWA(上記参照)に寄付します。

【購入方法】こちらのチケット販売ページ、または下記のフォームからお申し込みくださいませ。

【注意事項】
・イベントの録音、録画、撮影(スクリーンショットなど)、また配信URLやパスコードの第三者への共有は固くお断りいたします。

イベント関連書籍情報

マガジン『Kaguya Planet No.2 パレスチナ』(Kaguya Books)

パレスチナの民間伝承を元にしたレズビアンロマンスファンタジー「ムニーラと月」、「いま」のパレスチナで書かれた「ここの外では」、ナクバから100年後のガザに受け継がれる抵抗の系譜を描く「継承の息吹」を収録。パレスチナ人の作家や、パレスチナにルーツのある作家による、パレスチナを舞台にした小説のほか、コラムや解説を掲載している。

 

アダニーヤ・シブリー/山本薫訳『とるに足りない細部』(河出書房新社)

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1949年に発生した、イスラエル軍部隊によってレイプされ、殺されたベドウィンの少女と、それから25年後に生まれ、事件の真相を追い求めるパレスチナ人女性。事件の、そして人々の暮らしと歴史の「とるに足りない細部」は隠蔽されてかき消されてしまっていた。邂逅できない二人の女性たちの姿を通して、迫害の歴史を描いた中編。

 

リフアト・アルアライール編/藤井光訳、岡真理監修・解説『物語ることの反撃』(河出書房新社)

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2023年12月6日、イスラエル軍による空爆で殺された詩人のリフアト・アルアライール。ガザ・イスラーム大学で教鞭をとっていたリフアトが、学生たちや研究者、友人たちと立ち上げて2014年に刊行された英語小説プロジェクトの邦訳である。フィクションに映しとられた、怒りと悲しみ、家族の記憶、そして希望。

 

マラク・マタール/さくまゆみこ訳『おばあちゃんの白い鳥 〜ガザの物語〜』(講談社)

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うつくしい海、おいしいマクルーバ、おばあちゃんの白い鳥。2014年のイスラエルによるガザ侵攻のなかで、閉じ込められ破壊される恐怖と悲しみを癒すために、少女マラクは絵を描いた。画家として活躍する著者が自分の経験を元に描いた絵本。日本版売り上げの一部は「パレスチナ子どものプロジェクト」に寄付される。

VGプラスとは

VGプラスはSFメディアのバゴプラとSF小説レーベルのKaguyaを運営する企業です。バゴプラでは日々SF関連のニュースや解説・考察記事を配信しています。Kaguyaでは、4,000字以下で参加できるウェブ上のかぐやSFコンテストの開催やオンラインSF誌 Kaguya Planetの配信、紙の書籍を刊行するKaguya Booksを展開し、2022年に第一弾となる書籍『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』を刊行して以降、日本SF作家クラブ編『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』など様々な書籍を刊行してきました。その他にも、VGプラスではSF関係のエージェント業務やコンサルティング、編プロとしての活動も行っています。

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