『ジェシカ・ジョーンズ』MCUでの復帰を主演俳優が熱望 スタジオ側も意欲を見せる背景とは | VG+ (バゴプラ)

『ジェシカ・ジョーンズ』MCUでの復帰を主演俳優が熱望 スタジオ側も意欲を見せる背景とは

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『ジェシカ・ジョーンズ』MCUに復帰?

2015年から2019年にかけてABCスタジオ制作で配信されたマーベルドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』クリステン・リッター主演でニューヨークのヘルズ・キッチンで探偵を営むスーパーパワーを持つジェシカ・ジョーンズの戦いを描いた。

コスチュームを身につけず、アルコールに依存しながらも、自身の過去とも戦うジェシカ・ジョーンズに多くのファンが魅了され、全3シーズンが制作されている。『ジェシカ・ジョーンズ』は『デアデビル』(2015-2018) などと共にニューヨークを舞台にした〈ザ・ディフェンダーズ〉サーガに数えられ、ディズニープラス以前のマーベル・ドラマの一時代を築いている。

そんな『ジェシカ・ジョーンズ』の復活について、主演のクリステン・リッターが米Comicbook.comのインタビューで意欲を示している。クリステン・リッターは日本で2024年12月27日(金) 公開の映画『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』に出演しており、同作に関するインタビューの中でマーベル作品への出演についても聞かれている。

実は2024年7月にブラジルで開催されたD23ブラジルのイベントでは、マーベル・スタジオのTV部門トップであるブラッド・ウィンダーバウムがMCUに戻ってきて欲しいザ・ディフェンダーズメンバーを聞かれ、「ジェシカ・ジョーンズ」と即答していた。この件について聞かれたクリステン・リッターは、「ブラッド・ウィンダーバウムがそう言ったんですか? 本当にワクワクしますね。だって(出演依頼の)電話をかける立場の人でしょ?」と喜びのリアクションを見せている。また、「やりましょう、ブラッド! 盛り上げましょうよ。やろう、準備はできています」と呼びかけた。

クリステン・リッターは2024年1月にも自身のInstagramに、ドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』で着用したTシャツを着た姿を投稿。この写真は「わかる人にはわかる」というコメントと共に投稿されており、同じタイミングで撮影が進められて『デアデビル:ボーン・アゲイン』(2025) との関係が噂されることになった。

マーベル・スタジオはドラマ『ホークアイ』(2021) でヴィンセント・ドノフリオ演じるキングピンことウィルソン・フィスク、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) でチャーリー・コックス演じるデアデビルことマット・マードックを復帰させた。更にドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) でデアデビルの、ドラマ『エコー』(2023) でも二人の姿が描かれ、ABC制作の〈ザ・ディフェンダーズ〉がMCUの正史に含まれることも発表した。

そして、2025年3月4日からは新作ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』がディズニープラスで配信される。デアデビルとキングピンはもちろん、デボラ・アン・ウォール演じるカレン・ペイジ、エルデン・ヘンソン演じるフォギー・ネルソン、ジョン・バーンサル演じるパニッシャーことフランク・キャッスルらの復帰も発表されており、いわゆる“Netflix勢”の合流は加速していくものと見られる。

マーベルが求める“ストリートレベルのヒーロー”

マーベル・スタジオが〈ザ・ディフェンダーズ〉サーガのキャラクターの復活に意欲を見せていることには背景がある。MCUでは2024年1月に配信されたドラマ『エコー』が米ディズニープラスとHuluで視聴ランキングのトップを飾ったが、同作は当時のMCU作品で最も少ない製作費で制作された。

その額は『シー・ハルク:ザ・アトーニー』や『シークレット・インベージョン』(2023) の5分の1と言われており、大仰な変身を必要とせず、その身を武器にして戦うヒーローでもMCUで商業的な成功を収められることが証明された。これを受けて、マーベル・スタジオは今後ストリートレベルのヒーローの作品に注力すると報じられている。

マーベル・スタジオは方針の転換を図り、2024年のMCUドラマは1月配信の『エコー』と9月配信の『アガサ・オール・アロング』のみとなった。『アガサ・オール・アロング』も非常に高い評価を受けたが、驚きなのは『アガサ・オール・アロング』は『エコー』よりも少ない予算で制作されたということだ。

労働者目線で言えば“低予算化”は決して良いことばかりではないのだが、製作費の低減はCGを多用せずとも良い作品は作れるということの証明でもある。特に『アガサ・オール・アロング』では魔女達が魔力を失ったという設定を用いることで、VFXは最低限で、衣装とセット、そして音楽で楽しませてくれる名作に仕上がっていた。

『デアデビル:ボーン・アゲイン』を皮切りに、MCUがストリートレベルのヒーロー作品の代表格である〈ザ・ディフェンダーズ〉サーガを掘り下げていくのなら、演者も製作側も希望しているジェシカ・ジョーンズのMCU復帰はそう遠くないだろう。

スパイダーマンとの合流にも期待

マーベル・スタジオが求める“ストリートレベルのヒーロー”をめぐっては、『スパイダーマン4(タイトル未定)』の制作方針を巡ってマーベルとソニーの意見が対立していると報じられたこともあった。マーベルはストリートレベルの物語を、ソニーはマルチバース展開を求めているとされていたのだ。

〈ザ・ディフェンダーズ〉サーガには、原作コミックでスパイダーマンの宿敵となるキングピンや、ニューヨークを舞台にスパイダーマンとタッグを組むデアデビルも登場する。MCUは〈ザ・ディフェンダーズ〉サーガを発展させていくことで、まだMCUで切り拓かれていないスパイダーマンのポテンシャルを引き出すこともできるだろう。

『ジェシカ・ジョーンズ』復活にネックがあるとすれば、2026年公開の映画『アベンジャーズ:ドゥームズ・デイ』、2027年公開の映画『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』という大型クロスオーバーに向けてスケジュールが数年先まで埋まってしまっていることだろうか。だとすれば、既にシーズン2の制作が決定しているドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』からのジェシカ・ジョーンズ復帰に期待したい。

ドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』は2025年3月4日(火) より米ディズニープラスで配信開始。

ディズニープラス

Source
Comicbook.com

同じく〈ザ・ディフェンダーズ〉サーガでルーク・ケイジを演じたマイク・コルターはカムバックにオープンな姿勢を見せているが、同時に別の役者に引き継ぎたいという姿勢も見せている。詳しくはこちらの記事で。

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』ではストリートレベルのヴィランが登場する。詳しくはこちらから。

『デアデビル:ボーン・アゲイン』はNetflix版の数年後が舞台になる。詳しくはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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