2023年公開の映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
2023年に公開された映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、ロアルド・ダールの名作児童文学『チョコレート工場の秘密』に着想を得た物語を、映画「パディントン」シリーズで知られるポール・キング監督が映画化した作品だ。主演はティモシー・シャラメが務めた。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で描かれるのは原作にはないオリジナルストーリーだ。内容的には原作および1971年に映画化された『夢のチョコレート工場』に通じる設定が多く、2005年にジョニー・デップ主演で映画化された『チャーリーとチョコレート工場』の設定とは食い違う部分がある。
今回は、旧作との繋がりも含めて、映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』について解説し、感想を記していこう。以下の内容は結末までのネタバレを含むので、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ネタバレ解説&考察
時代背景と旧作との繋がり
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で描かれるのは、後に世界的に知られるチョコレート工場を運営することになるウィリー・ウォンカの青年時代。食の街として知られるグルメ・ガレリアにやってきたウォンカは、自分のチョコレートショップを持つという長年の夢を叶えようとする。
原作小説の『チョコレート工場の秘密』が刊行されたのは1964年、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の舞台は1948年となっている。原作者のロアルド・ダールはイギリス空軍のパイロットとして従軍し、後遺症が残るほどの重症を負う経験をしているのだが、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では、戦後間もない街の様子が描かれる。
冒頭でウォンカが歌う「A Hatful of Dreams」では、「7年憧れた」という歌詞も唄われている。第二次世界大戦が終戦を迎えたのは1945年のこと。1948年の7年前の1941年といえば、日本軍が当時のイギリス領(マレー、シンガポール、香港)への侵攻を開始し、イギリスが日本に宣戦布告を行った年だ。
ウォンカは7年間、船の料理人としてチョコレート作りの腕を磨いていたようだが、同時に戦争が終わるのを待っていたのかもしれない。戦争の只中では、お菓子作りに熱中したり、お店を持つという夢を持つことも容易ではないからだ。
ウォンカはグルメ・ガレリアに着いてからも、「空想は罰金」として警察に取り締まられる。戦後間もない閉塞的な空気が漂う社会で、ウォンカは母と話していた夢を叶えようとする、というのが『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の物語だ。
映画『チャーリーとチョコレート工場』ではウィリー・ウォンカと父の確執が描かれていたが母は登場していない。また、「A Hatful of Dreams」を歌う中でウィリー・ウォンカが階段を降りると見せかけてステップを後ろに戻す動きは、1971年の『夢のチョコレート工場』でジーン・ワイルダー演じるウィリー・ワンカが見せていた動きだ。
ここまでで分かる通り、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で描かれるのは、2005年版の『チャーリーとチョコレート工場』とは繋がりの薄い、1971年版の『夢のチョコレート工場』へとつながることをベースとした物語だ。ウォンカが行き着く宿屋が洗濯屋も併設しているというのも、『夢のチョコレート工場』でチャーリーの家が母子家庭で母が洗濯屋として働いているという設定を反映させたものだろう。
「チョコレート組合」とは
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では、ウィリー・ウォンカは“出世払い”でスクラビットの宿に泊まることになるが、長大な契約書の中には、ほとんど“奴隷”として宿で働き続けることを強要する不当な文言が書き込まれていた。ウォンカは後に、『夢のチョコレート工場』で子ども達が工場見学をする際に免責条項にサインさせた時にこの手法を用いることになる。
ウォンカは早速、街で自作のチョコをお披露目。ところが、チョコレート組合の権力者、スラグワース、フィクルグルーバー、プロドノーズの3人が妨害にやって来る。ここでウォンカが3人にホバーチョコを食べさせて3人が浮いてしまうという展開も、『夢のチョコレート工場』でチャーリーが体験したことへのオマージュだ。
リーダー格のスラグワースについても、『夢のチョコレート工場』ではウォンカはレシピを盗もうとしてくる相手として警戒している。『チャーリーとチョコレート工場』にはスラグワースの名前は出てこなかったが、産業スパイからウォンカのレシピを受け取る人物として登場した。原作小説ではウォンカのライバルとしてスラグワース、フィクルグルーバー、プロドノーズの3人の名前が登場している。
なお、「チョコレート組合」は英語では「チョコレート・カルテル」となっている。つまり、企業連合のことであり、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では、既得権益である大手チョコレート会社の連合である。
欧米では、企業の枠を跨いで産業ごとに労働者および労働組合が連帯する産業別組合というコンセプトが一般的で、企業の側も産業ことに手を組んだ企業連合として産別組合と交渉を行う場合が多い。ハリウッドで全米俳優組合(SAG-AFTRA)が全米映画テレビ制作者同盟(AMPTP)相手に交渉やストライキを行うのが分かりやすい例だ。
つまり、ウォンカは大手チョコレートメーカーの同盟とたった一人で戦うスタートアップの起業家、というのが『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の序盤の建て付けである。だが、ウォンカが対峙するのは資本家たちだけではない。賄賂を受けている警察行政もウォンカのビジネスを邪魔してくるのだ。
また、「Mr.ビーン」でお馴染みのローワン・アトキンソンが演じるジュリアス神父も賄賂を受け、教会の地下にあるチョコレート組合の施設を隠している。賄賂や組合が溜め込んでいるものがお金ではなくチョコレートになっているためソフトに感じるが、実際には資本・行政・宗教が癒着しているとんでもない状態である。
ウォンカの過去と『チャリチョコ』との違い
そんな中、ウィリー・ウォンカはスクラビットの宿で働くヌードル、騙されて洗濯係として働かされている元会計士のアバカス・クランチ、元配管業者のパイパー・ベンツ、元コメディアンのラリー・チャックルワース、元電話交換手のロッティー・ベルと出会う。経理・インフラ・エンタメ・通信を司どる4人が戦うことをやめ、現実を受け入れて生きているという点が印象的だ。
孤児のヌードルは、ウィリー・ウォンカと出会って初めてチョコレートを口にした。そんなヌードルに、ウォンカは自身の母が貧しいながら毎週一つずつカカオを買い、誕生日にチョコレートを作ってくれたこと、グルメ・ガレリアのチョコが世界一だと言っていたこと、ママのチョコにはお金持ちが知らない秘密があると話していたことを明かす。
これまでの映画作品にも、原作小説にもウォンカの母は登場しないため、このストーリーは『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の完全オリジナルストーリーだ。ウォンカがグルメ・ガレリアでチョコレート店を開くという目標は、母と話した夢であったことが明かされている。映画『チャーリーとチョコレート工場』のオリジナルパートである、父とのトラウマを巡るストーリーとは正反対の設定になっているのだ。
逆転の方法
洗濯場を抜け出して、チョコをたくさん売って奴隷契約を終わらせるという作戦に出ようとしたウォンカだったが、緑の髪のオレンジ色の男にチョコを盗まれてしまったという。そしてチョコの原材料であるキリンのミルクを取りにヌードルと動物園へ赴く。
このシーンでは、ヌードルは放し飼いになっているフラミンゴを見て、「なんで逃げないの?」と疑問を持つ。「夢見ること」を信じ続けるウォンカだが、この問いには「逃げるって発想がないんだ」「誰かがリードしないと」と答える。この言葉はヌードルら人間にも当てはまる内容であり、夢を見るだけでなく行動を起こすことの重要性をウォンカは理解しているのである。
しかし、ウォンカは買収された警察署長に妨害され、今後この街でチョコレートを売らないよう脅されてしまう。チョコレートプラネットの長田による吹替演技はなかなか良い。
宿に戻ったウォンカは、元会計士のアバカス・クランチがスラグワースの会計士をやっていた際に、帳簿を二つ作ってチョコを水で薄めて余った分を大聖堂の地下に溜め込んでおり、賄賂や脅しに使っていたことを知ったと聞かされる。日本でも自民党の各派閥が組織的に行なっていた“裏金作り”である。
経済も法律も行政も宗教も乗っ取られている。正攻法では戦えない。ウォンカは洗濯場の労働者達と手を組むと、“非合法”に街でチョコレートを売りまくる“ハスリング”に舵を切る。チョコを売っては地下の排水管に逃げる、まさに地下活動だ。
一方でヌードルはウォンカに文字を教えている。起業家が一方的に労働者を導くという話ではなく、ウォンカもまた彼女らから受け取るものがあるというのが、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の巧いところだ。
ウォンカのチョコレートは売り上げを伸ばす一方、チョコレート組合の売上は下落。吹替では「こんなチョコどこにもない」と歌われる楽曲「You’ve Never Had Chocolate Like This」と合わせて、スカッとする『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のハイライトの一つだ。
ヒュー・グラントのウンパルンパ
そして登場するのは、ヒュー・グラント演じるウンパルンパだ。ヒュー・グラントはポール・キング監督の『パディントン2』(2017) にも出演している。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では“マツケン”こと松平健が吹替を担当している。
『チャーリーとチョコレート工場』のウンパルンパとは大きく印象が異なるビジュアルとなっているが、緑の髪にオレンジの肌というデザインは、1971年版『夢のチョコレート工場』のデザインを踏襲したものだ。このウンパルンパは、チャーリーがルンパランドからカカオ豆を持ち帰った際の見張り番で、盗まれたカカオの1000倍にして取り戻すまで帰ってはいけないという罰を受けている。
なお、ヒュー・グラントの起用をめぐっては、小人症の俳優がウンパルンパの役に起用されるべきだという批判が起きた。過去の映画では小人症の俳優がウンパルンパを演じてきたという背景もあり、CGで俳優を小さく見せる処理によって、小人症の俳優の仕事が奪われているという指摘がなされている。
いっときの夢
ウィリー・ウォンカはヌードルらの力を借りて念願のチョコレートショップ“ウォンカ”を開店。見るものは全て食べられるというコンセプトは、後のチョコレート工場にも通じるものだ。
やっと夢を叶えたウォンカだったが、チョコレート組合の策略によってチョコレートに毒が盛られると、客による暴動が起きてお店は崩壊。ウォンカが絶望したところに、チョコレート組合は洗濯場の全員とウォンカを解放する金を渡す代わりに、ウォンカは街を出て二度とチョコレートを作らない、という取引を持ちかけるのだった。まさにアメとムチ。強者の戦略だ。
このオファーを受け入れたウォンカだったが、街を出る船の上で、スラグワースの強い握手によってウォンカの手に残った指輪の文字の刻印の痕が、ヌードルが持っていた指輪の文字の刻印とそっくりであることに気が付く。ヌードルから文字を教わっていたから気づいたことなのだろう。
ある可能性に思い至ったウォンカは船を引き返してもらおうとするが、船には爆弾が仕掛けられていた。スラグワースたちはウォンカを殺すつもりだったのだ。
なんとか逃れたウォンカだったが、スラグワースはヌードルのことを一生店の地下に閉じ込めるようにとスクラビットに依頼していた。やはりスラグワースとヌードルにはなんらかの関係があることが示されている。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ラストをネタバレ解説&考察
ヌードルの真実
ヌードルを助け出したウォンカたちは、賢い孤児、会計士、配管職人、電話交換手、コメディアンというそれぞれのバックグラウンドを活かして、チョコレート組合の秘密の施設に侵入することに。裏帳簿を盗み出して悪事を告発するのだ。
キリンのアビゲイルを侵入させると、動物園に電話を繋いだと装い、キリンの回収に訪れた動物園職員のフリをして大聖堂に忍び込む。なお、ここで動物園の守衛・バジルが想いを寄せていた相手がチョコレート組合の秘密施設の守衛・グウィニーであったことも明かされる。
ヌードルとウォンカは、全ての悪事が記された緑の帳簿を発見。しかしそこにスラグワースたちが現れ、ヌードルの「N」の字が刻印された指輪が本当は「Z」の文字であり、スラグワースの兄ゼベディー(Zebedee)の形見であったことが明かされる。ヌードルはスラグワースの姪だったのだ。
ゼベディーは本の虫(本が好きな人)、ドロシーと恋に落ち、スラグワース家を出た後、結婚前に命を落とし、スラグワースが一家で唯一の財産の後継人になったはずだった。しかし、ドロシーはゼベディーの子ども、つまりヌードルを産んでいた。
幼いヌードルが病気になり、ドロシーはスラグワースを頼ったが、スラグワースはドロシーを助けるフリをして捨て、スラビットがヌードルを拾ったという過去があったのだ。スラグワースは財産を独り占めするためにヌードルの存在を公にしたくなかったのである。
母のチョコの「秘密」
ヌードルとウォンカはチョコレート責めの刑に処せられるが、それを助けたのはウンパルンパだった。ヌードルはここで初めて「オレンジの小人」を目撃している。二人が持ち帰った緑の表紙の帳簿を警察署長は揉み消そうとするが、それを許さなかったのがアファブル巡査だ。
アファブル巡査は、序盤で二度ウォンカから罰金を取るが、二度目は宿代として「せめて1ソブリン」とウォンカから頼まれ、1ソブリンだけ返してあげる人間味を見せている。あくまで法の執行に真面目に取り組んでいただけ、根は悪い人間ではなかったのだ。こうした体勢側にいる善意の個人の力も社会変革には必要になる。
逃げようとするチョコレート組合の3人は、「オレンジの小人に」と渡されていたウォンカのホバーチョコを盗み食いしたせいで空へと飛び上がってしまう。それでもスラグワースは莫大なチョコの賄賂で無罪放免になると主張するが、ウォンカたちは地下に貯められていた莫大な量のチョコレートを解放し、チョコレートの噴水を登場させたのだった。独占されていた富を市民の手に返すという、チョコレートを比喩に使った革命が描かれるのだ。
守衛カップルのグウィニーとバジルも再会を果たした一方、ウォンカは母からもらったチョコレートを開封すると、そこには金の紙が入っていた。チョコレートに同封された金のチケットを見つけた子どもがチョコレート工場の見学ができるという発想は、ここから生まれたのかもしれない。
そして、その金の紙には、「大事なのはチョコじゃなく分かち合う人たち」と、母が話していた「秘密」の答えが記されていた。母は息子のウォンカと、ウォンカは人々とチョコを分かち合うから美味しくなる。チョコレート組合の独占の思想とは真逆を行く発想だ。ウォンカは大衆の中に母の姿を見て、母のチョコをヌードルたちと分かち合う。後にチャーリーがチョコレートを家族と分かち合ったように。
ラストの意味は?
さらにウォンカは、電話交換手のロッティー・ベルに頼んで、街にいる106人の「D・スミス」に連絡をとってもらったとヌードルに告げる。ドロシー・スミス、つまりヌードルの母のことだ。ヌードルは母と再会を果たすと共に帰る場所を得た。
つまりウォンカはまた独りに戻ったということなのだが、そこに現れるのが命の恩人であるウンパルンパだ。ウォンカは自分のチョコレートを広めるために店を増やす、そのために工場を作るのでウンパルンパに味見部門を担当してほしいと依頼する。
『ウォンカとチョコレートのはじまり』のラストは、ウォンカが廃墟の跡地にチョコレート工場を作り上げて幕を閉じる。エンドロールでは、「Oompa Loompa」の歌に合わせて、洗濯場で働いていた面々が元の生活に戻ったこと、スクラビットとブリーチャーは毒を仕込んだ罪で逮捕されたが二人の間には本物の愛が芽生えたことが明かされる。
その後にエンドロールで流れる歌は「Pure Imagination」。1971年版の『夢のチョコレート工場』でウィリー・ウォンカが子ども達を工場に招き入れる時に歌った曲をリメイクしたものだ。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ネタバレ感想
美しいテーマと現実のギャップ
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、序盤で戦後の匂いを漂わせながら、戦争が終わった後でも資本家たちが力を持つ不条理な世の中を描いている。それを打ち破るのは「夢」を持つことなのだが、ウォンカはそれだけでなく積極的に行動に出ることで状況を変えていく。
ヌードルは「貧乏人は虐げられる世の中」と肩を落とし、ウォンカは「世の中を変える」と意気込む。資本家個人を倒すだけでは、構造的な社会問題は解決することができないからだ。警察が正義を執行し、多くの人に富が行き渡る街になって初めて、「美味しいチョコレート」を享受することができるのだ。
総じて『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、資本家が作り出した構造に挑むスタートアップの起業家が社会変革に挑み、それを支える労働者たちと夢を叶えるという物語だった。
その上で一点触れておきたいのは、2023年12月の『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の公開時には本作をボイコットする動きがあったということだ。主演のティモシー・シャラメが2023年11月に『サタデー・ナイト・ライブ』(1975-) で、侵攻を受けているパレスチナの状況をジョークにするコントに出演して強い批判を受けたためだ。
ティモシー・シャラメはこのコントの役で、自身のバンドの名前を「ハマス」と答えるジョークを述べ、子どもも含む大勢の人々がパレスチナで殺されている状況下での軽率なセリフが強い批判を受けた。やはり、「夢」を語るならば、大事になるのは実際の行動である。
ウォンカのその後は? 続編はある?
ロアルド・ダールの原作小説『チョコレート工場の秘密』を起点にしたフランチャイズとして『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を見るならば、1971年の『夢のチョコレート工場』や2005年の『チャーリーとチョコレート工場』で描かれた通り、ウィリー・ウォンカはその後、ウンパルンパを大量に雇い入れ、工場を閉ざすことになる。
つまり、ウォンカはウンパランドをもう一度訪れることになるのだろうし、スラグワースたちは懲りずにウォンカのレシピを盗み出すことになる。おそらくスラグワースたちは本作の件で何年か表舞台から姿を消すのだろう。その間にウォンカの会社が急成長を遂げるが、帰ってきたスラグワースが産業スパイを送り込んでレシピを盗み、ウォンカが人間不信に陥るという流れが予想できる。
ウォンカはその後、自分がスクラビットにやられた内容を読ませないための長大な契約書を工場見学の子どもに使うなど、汚いやり方も取り入れていくことになる。ミセス・スクラビットとブリーチャーが「文句があるなら」と契約書の細かい条項を挙げる手法も取り入れるのだ。
その上でウォンカはレシピをスラグワースに売らないような子どもを後継者にするべく5人の子どもを工場に招待する。だが、そのうち4人はひどい仕打ちを受けるのである。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』から『夢のチョコレート工場』までの間のストーリーは見てみたい気もするが、一方でウォンカが闇落ちしていく内容になることも予想できる。
注目したいのは、2018年にNetflixがロアルド・ダール作品の権利を管理するロアルド・ダール・ストーリー・カンパニーと、小説『チョコレート工場の秘密』を含む作品のアニメ制作についてパートナーシップを結んだこと、3年後の2021年にはNetflixが同社を買収していることだ。
Netflixではすでにロアルド・ダール原作作品として『マチルダ・ザ・ミュージカル』(2022)、『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』(2023) が公開された。この調子でNetflix版の「チョコレート工場の秘密」フランチャイズが展開されることにも期待したい。そして、映像化が叶っていない、『チョコレート工場の秘密』のその後を描く小説の続編『ガラスの大エレベーター』の実写化にも期待しよう。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』はBlu-rayが発売中。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のサウンドトラックは発売中。
原作『チョコレート工場の秘密』と、その後を描く続編『ガラスの大エレベーター』は評論社より発売中。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のキャラクター&キャスト&吹替声優まとめはこちらから。
『チャーリーとチョコレート工場』ラストの解説&考察は_こちらから。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』に登場したチョコレートの紹介はこちらから。
