“彼ら”は何者?『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレ考察&解説 | VG+ (バゴプラ)

“彼ら”は何者?『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレ考察&解説

©2023 「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 ©LUCKY LABD COMMUNICANTIONS/集英社

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』全国公開!

1986年に週刊少年ジャンプで連載がはじまり、現在ではウルトラジャンプに雑誌を変えて約37年間続く大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。現在ではハワイを舞台にジョディオ・ジョースターがいかなる手段を用いても大富豪になろうとする第9部『JOJO Lands』が連載され、2023年1月からはDIOとジョースター家の間で100年以上続く因縁に終止符が打たれる第6部『ストーンオーシャン』がアニメ化されて放送された。

その中でも杜王町を舞台にスタンド使い(一種の超能力者)たちの物語が交錯し、女性の手に偏執する連続殺人鬼を追う第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場し、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ屈指の人気を誇る漫画家の岸辺露伴のスピンオフ映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が2023年5月26日に全国公開された。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』はドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』の映画化作品となっている。

出演俳優陣は豪華で、主人公の岸辺露伴を演じるのは高橋一生、岸辺露伴の担当編集である泉京花を飯豊まりえが演じる。さらには映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ではルーヴル美術館のアテンドをするエマ・野口役に美波、東洋美術の専門家の辰巳隆之介役に安藤政信が配薬されている。他にも「狂気女優」として評判となった白石加代子などが登場する。

本記事ではその中でも誰もが気になったのであろう俳優に関して解説していこう。なお、本記事は『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の内容に関するネタバレを含みます。

気になる“彼ら”は誰?

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の“彼ら”は誰?

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で誰もが気になったと思うのが、冒頭で登場する窃盗した品を販売する故買屋の二人組だ。二人を演じるのは中村まことと増田朋弥で、ドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』を見ていた視聴者ならば、二人の存在に気が付いた人も多いはずだ。

最初に高橋一生演じる岸辺露伴の漫画を侮辱し、ヘブンズ・ドアーを受けてコテンパンに倒される悪役を担った二人だが、中村まことと増田朋弥はドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』の毎シーズン冒頭で登場しているのだ。

すべての『岸辺露伴は動かない』の毎シーズン冒頭で違う配役で岸辺露伴のヘブンズ・ドアーの攻撃を受け、その能力のお披露目に貢献してくれている中村まことと増田朋弥の二人。本記事ではそのような二人の“活躍”に注目してみたい。

第1シーズンの“彼ら”

2020年に放送された第1話から第3話までの第1シーズンで初登場した中村まことと増田朋弥は、高橋一生演じる岸辺露伴の家に忍び込み、ヘブンズ・ドアーの攻撃を受ける二人組の泥棒役で登場する。二人の役目は岸辺露伴が持つヘブンズ・ドアーの能力を見せるだけではなく、岸辺露伴のヒロイックさを強調させる役目も担っている。

しかし、その一方で岸辺露伴は二人の泥棒をヘブンズ・ドアーによって記憶を読むと、自身の描く漫画のリアリティのために取材をはじめる。ここが岸辺露伴のヒロイックな顔を持つがヒーローではないという重要な点を強調した部分である。あくまでも岸辺露伴は漫画のリアリティを追い求めたいだけであり、泥棒を捕まえようという気はさらさらないのだ。

中村まことと増田朋弥の演じる二人組の泥棒は、岸辺露伴の持つそのような二面性を視聴者に説明する人物として、最初に登場し、貢献してくれた。これ以降、中村まことと増田朋弥の二人組の小悪党は、毎シーズン冒頭で岸辺露伴の精神性を説明する役割として登場するようになる。

第2シーズンの“彼ら”

2021年に放送された第4話から第6話までの第2シーズンでも中村まことと増田朋弥は登場している。二人は第4話の冒頭で岸辺露伴にぼったくりを吹っ掛けようとする不動産会社の二人として登場しているのだ。

ここでも中村まことと増田朋弥の二人はヘブンズ・ドアーの攻撃を受けて記憶を読まれ、そして岸辺露伴の二面性を象徴するための犠牲となっている。やはり、ここでも中村まことと増田朋弥の二人は小悪党であり、第4話から第6話まで登場する様々な怪異たちの引き立て役としても一役も二役も買っている。

第3シーズンの“彼ら”

2022年に放送された第7話から第8話では中村まことと増田朋弥の二人はVRを売り込むために岸辺露伴のコメントを求める代理店の二人組を演じている。2022年に放送された第3シリーズはコロナ禍ということもあり、これまでの小悪党というよりも、リアリティを追い求める岸辺露伴を憤慨させるキャラクターとしての側面が大きい。

そのため、第3シリーズの中村まことと増田朋弥の二人は小悪党ではあるものの、今までのような犯罪者や犯罪者に近い悪徳不動産会社ではなく、腹立たしい存在という役割を担っている。また、増田朋弥が演じるキャラクターは映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も合わせて、すべてのシリーズで岸辺露伴のファンであったり、岸辺露伴のサインを欲しがっている。

他のシリーズからの客演

耳を澄ませて

また、『岸辺露伴は動かない』では毎エピソードで必ずアニメ版岸辺露伴を演じた声優の櫻井孝宏が何らかの形で登場している。刑務官の声やラジオの声、アナウンスまでその登場方法は多岐にわたる。第6部『ストーンオーシャン』のアニメシリーズがNetflix制作、配信されて以降は主人公の空条徐倫を演じた声優のファイルーズあいも何らかの形で登場している。

ファイルーズあいも櫻井孝宏同様、救急隊員の声や村内放送など、様々な形で声の出演を果たしている。このような他のシリーズからの客演も『岸辺露伴は動かない』の魅力の一つであり、これは『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』にも受け継がれている。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』でのスペシャルゲスト

映画版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では白石加代子演じる岸辺露伴の祖母が聞くラジオとしてバッキー木場が声の出演を果たしている。バッキー木場と言えばアニメ版の第4部『ダイヤモンドは砕けない』で舞台となる杜王町のローカルラジオ「杜王町レディオ」のDJとして出演している。

そのため、岸辺露伴の祖母が経営する下宿が杜王町にあるのかもしれないなど、観客の想像を膨らませてくれる演出となっている。今後の作品展開でもこのような他のシリーズから客演はあるのだろうか。その点にも注目していきたい。

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は2023年5月26日(金)より全国公開。

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』公式サイト

集英社
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映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のキャスト及び登場人物紹介記事はこちらから。

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で描かれた荒木飛呂彦の描く恐怖に関する考察と解説記事はこちらから。

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アニメ『岸辺露伴は動かない』はNetflixにて配信中

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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