ピーター・トライアス、小島秀夫へのリスペクトを語る「メールが来た時、50回読み返した」 | VG+ (バゴプラ)

ピーター・トライアス、小島秀夫へのリスペクトを語る「メールが来た時、50回読み返した」

via: Hideo Kojima Twitter

ピーター・トライアスが語る、小島秀夫監督へのリスペクト

ニューヨーク・コミコンでのインタビューで発言

『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』(2016)、『メカ・サムライ・エンパイア』(2018)で知られるSF作家のピーター・トライアスが、ゲームクリエイターでコジマプロダクション代表の小島秀夫監督へのリスペクトについて語った。10月に開催されたニューヨーク・コミコン2018の会場で、ComicVerseからのインタビューに応える中で、インタビュアーからの小島監督に関する質問に答えている。

“ヒーロー”からのEメール

『メカ・サムライ・エンパイア』のコンセプトや執筆秘話を語る中で、ピーター・トライアスは自身のルーツに触れた。「これを覚えろ、これを覚えろ」と勉強を押し付ける学校教育にはウンザリしていたというトライアス。そんな時に、大きな影響を受けたのが、SF小説や小島秀夫監督のゲームだったという。現在では小島監督と個人的な交流もあり、『メカ・サムライ・エンパイア』の帯にも監督がコメントを寄せている。
自身が多大な影響を受けた“ヒーロー”の一人から認められたことについて聞かれ、トライアスは以下のように語った。

最初にメールが来た時、50回読み返して叫んだんだ。妻は「どうしたの!?」って。僕は「ヒデオ・コジマが応援してくれるって!」って答えた。

by ピーター・トライアス

小島監督の先見の明

更にピーター・トライアスは、小島監督と話をした時のことを振り返り、「彼はとにかく天才なんだ」と前置きした上で、こう話している。

文学や映画、ゲーム以外のことにも精通していて、考え方は物凄く深い。『スナッチャー』(1988)や『メタルギアソリッド』(1998)、「ZONE OF THE ENDERS」シリーズのような重厚な作品にしても、あらゆるものからアイデアを取り入れているんだ。

例えば、『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』(2001)はアクションゲームだけど、 神智学的でもある。あそこで語られたことは、今現在についてのことだった。つまり、未来を予言するものだったんだ。
僕らは情報社会に生きているけれど、どうやって情報を選択する?今現在、僕らはどうやって時間を過ごしている?NetflixやHuluといったストリーミングサービスが登場し、ゲーム作品はどれも面白い。本は今までにないくらい出版されていて、セルフパブリッシングの本もある。どうやって時間を作る?どうやって取捨選択をする?あの時小島監督が描いたものは、今現在についてのことだったんだ。

そんなことを彼本人に話せるなんて、信じられないことだったよ。

『MGS2』で扱われたテーマを例に挙げ、小島秀夫監督の先見の明を説いている。ピーター・トライアスの先人へのリスペクトが伝わるインタビューだ。

近年では、ゲーム作品から影響を受けて育ち、他の分野で活躍するクリエイターも少なくない。小島監督のゲームで育ったというトライアスも、『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』と『メカ・サムライ・エンパイア』のヒットを受け、SF作家として高い評価を受けている。そんなピーター・トライアスと小島監督は、10月31日にはツーショットの写真をTwitterに投稿している。
今後、二人はどのような物語を紡ぎ出してくれるのか、ファンは新作を楽しみに待とう。

コジマプロダクションでは、小島秀夫監督最新作『デス・ストランディング』の開発が進められている。
ピーター・トライアスの最新作『メカ・サムライ・エンパイア』は、早川書房から発売中。

Source
ComicsVerse

VG+編集部

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